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心理学のしの字も分からなかった頃を振り返って、求められる心理学知識を探る【カスタマージャーニー】

久しぶりの投稿です。
臨床心理士として情報を発信しているつもりではありましたが、振り返ってみると、あれもやりたい、これもやりたいと気になってしまい、本当に役に立つ情報を発信できていたのだろうかと疑問に思っていました。じゃあ、自分ができる役に立つ発信って何だろうと思いながら日々過ごしていました。

今回は『当事者に関わる人に病気の理解を求める事』ってどういう事だろうかと考えたことについて書いています。

役に立つ情報というよりも、自分の所感を書いているだけの記事になっておりますが、自分の体験も含めて書いていますので、もしかしたら何かの役にたつかもしれません。よろしければ少しお付き合い頂ければと思います。

理解を求めるとは言うけれど

相談活動をしていると、時々、当事者の家族や友人、恋人、配偶者から「どうしたら良くなるか、どうしたらよいか」と質問されることがあります。反対に、当事者から「家族や友人に病気について理解をしてもらいたいけれど、どうやって説明していいかわからない」と言われることもありました。理解してもらう事って実は結構難しくて、説明したらすぐに理解が出来るかというと、そうではないんですよね。理解をするってザックリ言ってしまえば、心理士や精神科医などの専門家に近づいてもらう事なんですよね。

専門家が最低でも4年以上かけて身につけてきた知識や技術、経験の中から必要だと思われる情報をかいつまんで伝えます。それを理解して、それを生活の中で活かしてもらうという事なんです。知識をもらっても使いこなすためにはある程度の試行錯誤は必要です。そこに至るためには多くの時間と労力が必要になってきます。つまり、簡単な事ではないということが言いたいのです。

その時に専門家がする仕事としては、専門知識の中で当事者に必要な情報と不必要な情報を選択し、必要になりそうなことを選び取って、わかりやすく伝える事です。ちなみに良い専門家はこのあたりが上手なんだと思います。

自分はというと、今までNoteで心理発達の問題を少しエンターテイメントに寄せて書いてきたつもりでした。自分の視野が狭いこと、興味関心がうつろいやすいという事もあり、一般の人がどんな情報を求めているのか、わからなくなり、迷子になっていました。

『心理学』と出会ったきっかけ

そこで、自分がまだ学生の頃、専門知識が全くない頃に欲しかった情報について思い出してみようと思います。

自分が高校生だった頃、好きになった女の子がメンタルの問題を抱えていることを知って、自分に何か力になれることはないかと思い、手当たり次第に「心理学」と名前のつく本を手当たり次第に読んだ時期がありました。

しかし、自分が思うようなメンタルケアに役立つ心理学の情報に辿り着くことはできませんでした。その頃は本当にまったくの素人レベルだったので、何をどう検索したら良いのか分からなかったんですね。ちなみに、その女の子が抱えている問題も、具体的に何に困っていたのかも知らなかったので検索のしようがなかったのですが。

どんな事を知りたいのかがはっきりしない事には『必要な情報』を定義出来ないので、初めから明らかであるのは少ないのかなと思います。

とりあえず、当時は『精神医学』や『メンタルヘルス』といったキーワードすら知らなかったので、探すのも一苦労といった感じでした。

色々な本を読んでいくうちに、少しずつ心理学全体の事がぼんやりとわかるようになっていき、自分が求めていた情報が【精神医学的な問題】に関するものだという事がわかりました。

しかし、キーワードが特定できても「どうしたらいいのか」という事について答えてくれるような文献にはなかなか当たることができませんでした。当時の自分が探し当てたのは、フロイトやユングに関するものや、河合隼雄先生の著書でした。読んでも難しくて理解できない部分が多かったことや、問題理解について書いてあっても、やはり How to は書かれていなかったことが思い出されます。

【結論】
「求めている情報」が何であるか知ることから考える。つまり具体的に何に困っているのかわからないまま「答え」を探すことは不可能ということ。

ちなみにカウンセリングという行為は、求めている情報を探っていく中で一緒に答えを探していく作業でもあるんですよね。振り返ってみると、遠回りしていたようで、結局はカウンセラーへの道をまっすぐ進んでいたんだなと思いました。

なかなか答えにたどり着けなかったおかげで、心理学に関する知識が増えていきました。しかし、すぐに使える知識は得られなかったので無力感にさいなまれていました。ですので、緊急性が高いのに、求めている情報にたどり着けないというのは案外苦しいことだと思います。

専門家が選ぶ良い情報とは

当時の自分が現代に生きていたら、もう少し上手に検索ができたのかもしれません。今ではスマホの普及と情報の流通量が圧倒的に多くなったことに加えて、教育や啓蒙活動の甲斐あってか一般市民のメンタルヘルスのリテラシーが高まっています。なので、どう調べたら良いかというセンスが高いような気がします。

しかし、情報の流通量が多くなっているために、デマや広告などに邪魔されることも増えてきています。そこでやはり専門家が発信する信用の出来る情報を少しでも世の中に投げた方が良いだろうと改めて思いました。当事者や関係者の方が安心して必要な情報にアクセスできるようにするために、自分も発信していこうと思いました。

まとめ
・ニーズの特定なしには必要な情報が何であるかを定義出来ない
・とりあえず網羅的に色んな情報を扱っている信用できる情報源

という事で、今後は自分が信用しているサイトやチャンネルなどを紹介したいと思います。


余談なのですが、先ほどちらっと話した高校の時に好きになった子には告白したんですが、振られちゃいました。ちゃんと断られています。

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