また笑えるように

去年の年末、まさかの海外で一家全員コロナになって、本当に文字通り、てんやわんやになったんだけど、その際、「今年はこんなに大変だったのだから、来年はもうこれ以上大変なことはないだろう」と振り返ったのを覚えている。

だけど人生、わからないもので、その当時よりもずっとずっとつらい状況になっている。具体的には、妻と子供が、くにに帰ったということなのだけど。育ち盛りの娘と会えないことは本当に本当につらく、産後うつだった妻に続いて、自分も抗うつ薬を飲み始めることになってしまった。精神科、心療内科?というと、心理的な距離感があったのだけど、胃痛がひどすぎて、胃に穴が開くんじゃないかというくらいにつらくて、内科に行くか少し迷ったけど、メンタルクリニックにかかることにした。いま考えると、これも広い意味での男性「産後うつ」なのではないかと思ったりする。薬を飲むとほんの少しだけ、気持ちが楽になったような気がする。適度に連絡を控えることも大事なのかもしれない。正直、毎日そんなに話すこともないし。実際、やりとりが、「生活費をよこせ」という内容だったりして、げんなりする。だから、いまは少し、距離を置くことも大事なのかもしれない。ハリネズミのたとえじゃないけれど。

今後は月に一度、向こうの実家に、行くことになると思う。飛行機代やホテル代を考えると月に10万は飛んでいくだろうし、「生活費」も向こうに渡さなければならない。現実の問題として、これからの出費は覚悟しなければならないだろう。それでもお金も問題は、のちのち何とかなる話なのであるか、今は健康や、関係性や、そういう取返しのつかないものが、取返しのつかないことにならないようにしなければ。本当につらいんだけれど。

ある人はせっかく妻子がいなくなって、時間ができたのだから、自分の好きなことをすればよいじゃないか、と言う。自分でもそうしたらいいじゃないかと思う。しかし、なんだか気力がおきないのだ。そして一人で何かを楽しむということが自分はあまり得意じゃないのだ。何か楽しい経験や感情を家族と共有したいのだ。それでどうしても妻や娘のことを考えてしまう。そして、暗鬱とした気分になり、それが怒りにつながる。

それでもいろんな人の話を総合すると、いまは「待つしかない」ということなのだと。どんと構えて、なんて、自分にはできないけれど、もう少し我慢するしかないのかもしれない。特に今年の夏の、娘の一歳の誕生日までは。だからそれまでは、帰国を求めないようにしよう。またいつか、家族で笑えるように。

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