枯花あまれ

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ファンタジア

ぐちゃぐちゃにしてよ ぐちゃぐちゃにしたい 全部裏返し 手のひら返し 空想の世界はいつも隣にあった 現実に溺れるとまともじゃいられなかったから 体の半分を空想に浸す…

昔話

怪獣と友達になりたかった あのころ きつそうなスーツを着たヒーローよりも 大きな口を開けて笑う、角の生えたもこもこの彼らの隣にいたかった ずっと寄り添える存在に思え…

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OmamOri

春は死の季節 頼りなく咲いて呆気なく散って 人に惜しまれながら満足そうに土に還っていく花弁 意味なんて概念も持ち得ないモノに訳と感情を見出して自慢気に微笑んでみせ…

ファンタジア

ファンタジア

ぐちゃぐちゃにしてよ
ぐちゃぐちゃにしたい
全部裏返し
手のひら返し

空想の世界はいつも隣にあった
現実に溺れるとまともじゃいられなかったから
体の半分を空想に浸すくらいが私にはちょうど良かった

気狂いなんて呼ぶやつがいた

クラスメイトの恋の悩みより
本の中のあの子の叫びが
私の心を震わせる

心の奥がやわらかいって最初に言ったのは誰だったっけ
私の奥もやわらかいんだろうか
気持ちが悪い

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昔話

昔話

怪獣と友達になりたかった
あのころ
きつそうなスーツを着たヒーローよりも
大きな口を開けて笑う、角の生えたもこもこの彼らの隣にいたかった
ずっと寄り添える存在に思えた
くりくりの瞳
いつも悲しそうに歪んで去っていく
彼らをおかえりと迎え、手当をしてあげる
そんな存在でいたかった

クローゼットの奥深くから引っ張り出した、埃をかぶったおもちゃ箱を開ける
キラキラ光るガラクタに埋もれた、汚れきった怪獣

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OmamOri

OmamOri

春は死の季節
頼りなく咲いて呆気なく散って
人に惜しまれながら満足そうに土に還っていく花弁
意味なんて概念も持ち得ないモノに訳と感情を見出して自慢気に微笑んでみせる

生まれ変わるために一遍死ねと言われても
虚ろを肥えにして幹を太らせていた
羨望と妬心にラベルを付けられるなら
君に出会ってはいなかった

春が嫌いと君が言ったから
忘れたくて忘れられなかった神経の設計不良
シナプスごと塞いじゃえって

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