僕とAKARI BREWING
アカリブリューイングのクラウドファンディング支援者100人突破を記念して僕の中のブリューイングとの思い出、そして未来を語りたい。
出会いと別れ
まずは僕が今の職場(酒屋)に転職したところに遡りたい。
それは7年ほど前、初挑戦した公務員試験の二次試験の結果不採用となり落ち込んでいたその日、不思議と2件の仕事の誘いが舞い込んできた。運命を感じた。そのうちの1件が今の職場だ。動機は不純で、面白そうだという理由で決めた。
今の職場に移ってから様々な出会いがあった。その中の1人がアカリブリューイング代表の鹿児嶋敦さんだ。
昔から存在は知っていたが話した事のない地元の先輩の1人だった。日本酒普及活動として有志でしていた日本酒飲み会(自分の持ってきた日本酒を自慢し合う会)に参加されて強気にクラフトビールを持ち込み、周りにビールの魅力を強要し「鹿野でクラフトビールを造るんだぁ‼︎」と豪語した1年後に会社を設立した。聞くと10年以上も前から出張の度、全国のビアパブに通っていたと言う。ビールの事なら俺に聞け!と言うぐらいビール博士です。
そうこうしていると父に病気が発覚し余命宣告をされた。母は笑いながら僕に告げたが徐々に状況を理解していくと勝手に涙が流れ落ちていった。
父は地元鹿野のまちづくりに尽力していた人物だ。父は偉大だ。志半ばの父からバトンを託され、父が手塩にかけていた「あかり本願衆」へ参加した。そこから僕の人生は好転していった。
あかり本願衆は「町にあかりを灯そう」を合言葉に面白いと思う事をやっていく様々な業種の地元の若者が集まったまちづくり団体だ。
人気のある活動は鹿野城跡公園の桜のライトアップだ。
毎年多くの観光客で賑わっている。
その、あかり本願衆の「観光の核になる事業を興したい」の思いと敦さんの「クラフトビールを造り、世界を獲りたい」の思いが合致したのがアカリブリューイングの誕生だ。
醸造所の開設に先駆けアカリブリューイングの名を冠したビールを島根県の石見麦酒さんに製造をお願いして誕生したのが「ジンジャーブラウンエール」だ。このビールは山陰海岸ジオパークをアピールする商品として地元の日光生姜を使用した爽やかな辛みと甘みとコクが調和したビールだ。
このビールのプレスリリースの時に出会ったのが醸造長の清部直樹さんだ。岐阜県出身の清部さんは外資系アパレルメーカーの鳥取進出に伴い店長として来鳥し、鳥取で暮らす中で農業や生産物加工に興味を持ち退社し、農業大学に通っていた。
会社の設立は決まっていたがビールを製造する醸造士が決まっていなかったあかり本願衆と生産物加工に興味のあった清部さんの思いが合致した。たぶん清部さんも転職理由は僕と同じ「面白そうだ」という理由だろう。(違うかな?)
そこからは僕に出来ることはなんだろう?と考えた。まず鳥取市にクラフトビールを飲む文化があまり無いという問題が浮上した。
僕の信条に「分母を増やさない限りその産業は衰退する」がある。ウチのお店は入り口(初めて飲んだ時に美味しいと感じる飲み易い味わい)を重視した品揃えを心掛けている。なのでまず取り組むはクラフトビールの飲酒人口を増やすべく、アカリブリューイングの援護射撃となる様、クラフトビールの種類を増やしていった。当初は全く売れず次々と賞味期限が切れていき胃が痛い思いをした。良い思い出だ。
その後、鹿野にて醸造が開始され破竹の勢いで新作が続々と世に産み出されていった。イベントでの評価も上々だった。
なぜアカリブリューイングが次々と新作をリリース出来たのだろうか?
それは世界最先端のビールを沢山飲んできたからだ。世界と戦おうと思えばまずは世界を知ること。
アカリブリューイングのSNSを見るとわかる。相手に敬意を表し、研究し、良いものを産み出そうとする気持ちがビンビンに伝わってくる。そんな人が造っているビールが美味くない筈がないだろう。
地元の農家さんもアカリブリューイングの強い味方だ。
ウチに成ってるカボスいるか?から産まれた「コードネームD」。味は変わらないのに形が悪いだけで商品から弾かた神戸地区の桃から産まれた「スイートテンプテーション」。鹿野にIターンし、異業種から米農家に転身し活躍される、白川さんの美味しいお米を使用した「エンジェルズクライ」など、多種多様な福(副)原料を譲り受け、新しい生命を吹き込んでいる。
忘れてはならないのが清部さんはオリンピックを目指していたぐらい全国で指折りのスイマーだった。全国のトップレベルで戦っていた方のストイックさは半端ないなと近くにいて感じている。探究心が凄いのだ。「これぐらいでいっか」が無いのだ。日々成長する人は、強い。
ビアボンズアカリ
2019年夏、鳥取駅前にもあかりを灯すべく鳥取駅前サンロード内にアカリブリューイングの直営ビアパブがオープンした。奇遇にもサン(太陽=あかり)ロードだ。
ビアボンズアカリの功績はクラフトビールの飲酒人口が格段に増加した。オープンしてからウチのクラフトビールの売れ行きも上昇していった。ありがとうございます。
やはり、駅前は玄関口。バケーションで鳥取の友達に会いに来日された本場アメリカのビール機器販売のアメリカ人(カナダ人だったかも)の方がたまたま来店され、ビールを飲み、どうしても伝えたい事があると翌日醸造所まで立ち寄ったそうだ。その理由は僅かに感じた味の違和感だった。原因は設備上、洗浄がしづらい箇所の僅かな汚れだった。その日を境に味わいが変化した。
それと同時に今の設備での醸造に限界を感じ始めた。
醸造所の移転
2021年夏、醸造所の移転を予定している。予定地は鹿野町の勝谷幼稚園跡地だ。目の前には青々とした芝生の広場があり今後憩いの場となるだろう。(雪で見えんやんけ!とツッコんで欲しい)
ビアフェスもそこで毎年開催されるだろう。僕の悲願の鹿野ライブフェスティバルもそこで開催されるだろう。
もちろん製造能力も格段にアップし、地元優先で量産が出来ず、なかなか出せなかった県外への供給も可能になる。そして、年中通して一定の室温、機器の一新など衛生面も向上する。それによりラガーの醸造もいよいよ始まるだろう。
アルコールと観光、そして未来
僕はアルコールと観光はセットだと考えている。
唐突だが、関西圏の観光客の行動パターンを想像してみよう。
6時車で出発。9時鳥取砂丘到着。12時賀露で鮮魚を堪能。15時水木しげるロード。17時皆生温泉宿泊。
これがアルコールの力を使うとこうなる。
6時車で出発。9時鳥取砂丘到着。12時賀露で鮮魚を堪能。14時アカリブリューイングにてビールを堪能。17時山紫苑か夢彦へチェックイン。翌日、中・西部へ観光。
まだまだ青写真で整備すべきポイントは沢山あるものの飲酒運転という許されないルールがある以上、そこでビールを飲みたい人は必然と宿泊が付いてくる。宿泊を伴うと劇的にお金が落ちる。経済効果は抜群だ。
僕の最近の旅の目的は美味しいご飯、美味しいお酒だ。僕と同じ価値観の人はきっと美味しい地酒があるところに宿を取るはずだ。
鹿野で宿を取れば人が集まる
人が集まれば物が動く
物が動けば収入が上がる
収入が上がれば商人が集まる
商人が集まれば人が集まる…
この繰り返しかな
ぜひ、アカリブリューイングにはこの原動力になってほしい。
鹿野にあかりを灯してほしい。
他人任せにせず僕もやる。一緒にやりましょう!皆が羨ましがる町にしていきましょう!アルコール臭い町にしていきましょう‼︎みんなのチカラで‼︎
「Make Shikano Great Again!」
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