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彼のオートバイ3

大学二年の夏、中型免許(今で言う普通免許)を取った。当時は教習所では中型までしか取れず、大型に乗るには、試験場で極めて難易度高い、限定解除試験に合格する必要があった。熟達者にのみ許される狭き門だったのだ。

当時人気は4ストローク。HONDAのVT、YAMAHAのFZ とか選択肢があったが、周囲の仲間がレーサーレプリカ派ばかり。背伸びして2ストロークを選んだ。今思えばこの時の選択が大きな分かれ道だったと思う。峠を攻めたりしないんだったら、4ストロークで良かったんだが、可能性に懸ける若造には分からない。
半年待ってローンを組んで中古のRZ250-R を買った。白のタンクに赤いライン、金文字でYAMAHAのロゴが眩しい。初日、アパートから降りるスロープで転倒。その後、駅に向かうコーナーで事故。1日2回。バイクは、ハンドルが折れ、バイク屋に連れて行かれた。ほんとアホである。
速いのがカッコイイ。イケてなきゃ。そんな脅迫概念があった。

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