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起業家にバックグラウンドは必要ない

「起業家」と呼ばれる人々がいます。
価値観を根底から揺るがすような体験を経て、社会的ミッションを見つめ、自ら解決しようとなすっている方たちです。

しかし、新しいお商売を始めるのに、
果たして特異な体験は必須なのでしょうか。


◆ 起業家にとっての「ドラマ」


壮絶な生い立ちや、ショックを受けた体験は、
起業するにあたり大きな動機になります。

不合理に怒りや悔しさを抱いて、それを解決すべく事業を起こす方が多いような気もしますね。そういう経験はいつまでもそこからエネルギーを抽出できるし、あるに越したことはないと思います。

ただ、起業する人たちが皆、同じような経験を経ているわけではありません。


独立した方が稼げると感じて起業する人もいれば、キャッシュポイントをたくさん用意できるフローを思いついて起業する人もいます。

かく言うぼくも、壮絶な過去をもって起業に踏み出しつつあるわけではありません。
…成功どころか、まだ起業にすら至っていない身分で何を生意気言うてんねん!と思われても仕方ありませんがw


◆ ぼくが起業へと踏み出した理由


ぼくが起業を考え始めた理由は3つあります。


① 体力と能力を持て余している

5名という規模の小企業で勤め始めたので、一人で色々な業務をこなしてきました。

本業は授業をすることですが、全科目教えられないと何かあったときにフォローに人員を割けませんので、ぼくは小1~高3にいたるまで、ある程度どの科目でも教えられます。

授業以外の業務でいえば、

校門前でチラシを配ったり、
無料講座を企画したり、
外部販促イベントを管理したり、
人事として新卒やアルバイト採用をしたり、
法務関係で裁判へ出廷したり、
会社備品(PC)を値切ったり…w

でも今年に入って、おかげさまでぼくの勤めている会社も少しずつ社員が増えてきました。今までマンパワーで処理していたことがある程度統率の取れた組織へ成長してきました。

そうして社員一人ひとりの負担は減ったものの、今度はいびつな人事配置になってきました。社内人材の能力に偏りがあるためです。

力を持て余している状態が、半年も続いています。


② 今いるポジションから離れられない

ぼくは高等部を取りまとめる役割ですが、中等部を主な収入源にしているぼくの会社の人たちは、およそ高等部に興味がありません。

それもそのはず、中等部までは義務業育のため皆教科書が同じなので、一元した管理と対応が可能です。

しかし、高等部は・・・

・高校によって異なる教科書
・生徒によって異なる学校カリキュラム、科目選択
・志望校は日本全国(海外という選択肢も)
・専門学校や就職という進路も

こんなカオスに足を踏み入れようなんて、そうそう思わないということでしょう。w

今までワンマンで運営してきたぼくにも非はありますが、高等部には部下はおろか上司も寄り付きません。

かくして、ぼくのポジションは

ガチガチに固定されてしまったのです。


③ 上司がぼくを使いあぐねている

ぼくが得意とする分野を、まず上司が把握していない。
ミスについては全て記憶しているようですが、これまでの前向きな結果については、それがどれくらいスゴイことなのかどうか、計りあぐねているようです。

自分を買い被っているようですが、正直、もったいないなーと思うのです。
持て余したエネルギーと能力、社内に使い道がないのなら外へ、と考えるのは自然なことなのかもしれません。



◆ ぼくの起業は「能力」から始まる


残念ながら、ぼくの中にドラマはありません。
でもドラマはなくとも起業はできるはずです。


あ、ちなみに今の会社は辞めません。


自分で起こした事業で十分な収入を得られるようになっても、恐らく離れることはないと思います。定年まで勤めあげると思えるくらいには、社長には恩義を感じています。

入社の折に「会社を継ぎます宣言」もしてますし…w

教育事業で今の会社を継ぎ、そして自分の会社、親の会社も統合できるような未来を模索しています。母体としては親の会社が圧倒的に大きいですが…


今の会社で用意されている出世コースは、現場からたたき上げられた先にあるものです。社長はそれで今の会社を作ったという背景もあります。社内でも、その道をたどらなければ出世を認めないという風潮があります。

でも、トップに立つための道は一本ではない。
それではとても社長業は務まらない。

うちの会社のトップになるだけなら今のままでもいいかもしれません。
でも、ぼくはそんな狭い世界で終わりたくない。


手の届く範囲の人々に貢献するだけでは絶対に満足できないし、
目の届く範囲の人々を手助けするだけでは絶対に納得できない。

・・・欲張りですね、ぼくw
でも欲が出続ける以上は、全てを叶えられる方法を模索していきます。


ぼくは100点の授業はできません。
小さなミスもぼちぼちします。

「できない」ということを知っているから
他の手段で子どもたちの手を引いていく。

どの業務も60点くらいは取れるのですが、各々の業務で100点を取れる社員にはかないません。100点を取れる業務があっても、それだけで子どもたちを導けるとは思っていません。

ぼくの苦手なことは得意な社員に任せて、他社員の苦手なことはぼくの得意に任せて、というだけでは組織は大きくなりません。

誰もやりたがらないこと・誰しもが苦手とすることに挑戦することに、会社や自身の未来を感じています。

「できない」ことがぼくの場合、
物語の始まりになるのかもしれません。


大したバックグラウンドがなくったって
野望は育てられます。

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