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アイデンティティーとパーソナリティーの溝を流れゆく時

「自分とは何者か?」という自問自答を、僕は幾度となく重ねてきた

何かしらの答えを見つけたとしても、「本当にこれが自分なのか?」という問いを繰り返す

毎度のごとく、心にうねりを感じながら、波打つ感情と向き合ってきたように思う

・・・さて

「わたしはこうゆう人間だ!」と考えたことが、実際の自分と同一であるという一貫した自覚を持った時に、人は『アイデンティティー(自我同一性)』を獲得する

アイデンティティーを確立することは人生において大きな課題だけれど、確かなことに一度は辿り着いたとしても、時には自分を見失うこともあるだろう

こうして自信が喪失した危機的状況のことを、心理学者のエリクソンは『アイデンティティの拡散』といった

僕らは、思考がふわふわと漂って我を見失ってしまわぬように、自己分析をしてアイデンティティーを探そうとするんだよね

・・・その一方で、自分の考えとは別に、他者との関係性の中で新たな自己が見つかることもある

例えば、自分としては真面目な行動をしたとしても、周りから見たら『笑わせてくれる面白い人』と見られて(真面目にやってるからこそオモロイ!みたいな)、意にそぐわぬ「おもしろいねー!」という言葉を投げられることもあるだろう

それに対して、自分が考える自分と違うから、相手は間違ってる!と思ってしまったり…

相手はおもしろいと言っているのに自分は真面目だと思っているなんて、わたしは間違っているのかなぁ?と、思い悩むこともあるかもしれない

・・・けれど、そこに固執してしまえば、じわりじわりとエゴで凝り固まって、利己的な振る舞いが増えてしまうんだ

TVタレントや芸人さんが、スタッフや先輩から求められるキャラ(パーソナリティ)と、やりたい芸風や自分らしいキャラ(アイデンティティー)との狭間で悩む様子に似ている

「自分は真面目な人だ!」というアイデンティティーは、もちろんあっていい

その上で、自分は「笑わせようとしてるおもしろい人だと周りから思われている人だ!」ということを、客観的に把握し自覚する

これもまた、自己を分析することができる

その自己とは、自分と他者を通じて見えてくる『パーソナリティー』

自分が考える自己と他人との関わりで見えてくる自己

アイデンティティーとパーソナリティ

どちらも同時に存在していて、自己は自分の中にもあるし、他人の中にもある(正しくは自分と他人の間かな?)

これを受け入れられず、自分が考える自己(アイデンティティー)に固執していると、自己中心的というよりも利己的(エゴイスト)になってしまう

自分が考える自分と、他者が考える自分を明確に分けた上で、どちらにも流されないようにしたいと、僕は思う

・・・こうしたやわらかな態度は、自己を中心にして、自分も他者も大切に想うという『自己中心的利他』の姿勢に繋がっていくんよね

エゴイストな生き方があってもいい

それはそれでアーティスティックだけれど、そこには、他者が考える自分を否定するという心の渇きも生まれる

『他者を否定する人生』になって、孤独を深めてしまうんだ

自分の中で溢れだしそうな何かを表現したいというアート的な衝動は、自分にとってきっと意味のあるもので、それは素晴らしいこと

そこに価値を感じる人が現れれば、お互いに相手を必要とする意味が重なって、そこに”意味合い”が生まれることもある

そうなるまでは大変だけれど、その関係も素敵だ

・・・ただし、それで孤独を愛することはできても、自己を愛することはできないような、そんな気が僕はしているんよね

自らのエゴに恋することへ溺れて、そこにはセルフリスペクト(自尊心)がなく、あらゆる自己を受容できずに愛することから離れていくような…そんな感じ

僕自身は、自分と他者の移ろいゆく情をしとやかに汲み取り、しっとりとした潤いを注ぐような愛の人でありたいと思っている

だからこそ、エゴイズムよりも自己中心的利他の姿勢を選ぶ

自分を表現したいという気持ちを、アートの創作に向けるのか?自分と他者を愛するために向けるのか?はたまた、他に違った方向があるのか?

そこを決断する自らの意志を大切に、僕はこれからも「自分とは何者か?」という問いを重ねていくのだろう

そこで感じた"情"を、さざ波のように届けていこうと思う

・・・以上

今週も読んで頂きありがとうございました(*^^*)

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【軟水のたそがれ】
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このnoteは筆者のツイートを深堀りするエッセイです。
※毎週日曜日の夜に更新!

新たな1週間が始まる前に、何か大切なことに気がつくキッカケになれば嬉しいなと思っています

水はあらゆる流れに身を投じることができるし
自ら流れを作ることもできる

世の中の動きに流されるのではなく
「主体的に流れること」を大切にしたい

そんなおもいを込めています

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