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BIRDMENの鳥男と、インターネットが夢見る世界

マンガ「BIRDMEN」にはまりすぎた結果、GWに空を飛んできました。

翼は生えてなかったので、パラセイリングという現代的テクノロジーを駆使して。「BIRDMEN」とは、

「交通事故で死にかけたときに、鳥男から血をもらったら、自分も鳥男になっちゃった。翼生えてくるは、とりあえず飛べるはだし、世界を救う旅に出ちゃうぜ!それで、お母さん、ちょっと家空けるけど、ごめん!」的なマンガです。
https://websunday.net/rensai/birdmen/

われながら、中2病感が抜けきらない、この行動。でも、なんでこんなに「BIRDMEN」を好きになったのか、その理由を言語化したくて、10年前に好きになった「インターネットの世界」と「BIRDMENの世界」の共通点を、探ってみました。

【1】感情や言葉をリアルタイムで届けられる

鳥男は、同じ鳥男であれば、つばさを広げアンテナのように利用することで、他の鳥男の位置情報を瞬時に取得したり、言葉を使わなくても「ツイート」とよばれる方法を利用することにより、はなれた場所にいる相手に言葉を届けたりできます。また、手をつなぐことで、相手の過去の記憶や今感じている感情を、読み取ったりすることもできます。

これは、インターネットの世界でももちろん同様で、とくに

■ GPSを通じて、いまの位置情報を連携できるモバイル機器
■ ユーザー間のコミュニケーションや言葉、スタンプの交換を、リアルタイムで行えるSNSとチャットツール

の登場から、四六時中24時間、世界中のだれでも、どこにいても、自分のことばや意志、そしてどこにいるかの位置情報を転送し、交換できるようになりました。いつか、感情もダイレクトにやり取りできるようになるのかもしれません。

【2】つながることで力が増幅する

鳥男どうしでつながれる「ツイート」は、1人で使った場合、地域の違う学校に通っている相手に言葉を届けられる程度の力。でも、複数の鳥男が手をつなぐことで、世界の反対側にいる相手に、言葉や感情を届けられるほど、その力が増幅します。

これは、インターネットの世界でももちろん同様で、とくに開発現場では、この手法が取られています。例えば、

■ Amazonが提供するAWSとよばれるサービスでは、例えばホームページを作るとき、ひとつのコンピュータで耐えようとするんじゃなく、世界各国に分かれて配置されている、複数のコンピュータをつなぎあわせることで、大量のアクセスがユーザーからきても、耐えられるネットワークやサーバーを構築する

などが、代表的なものになります。

ひとりの力じゃなく、複数の力がつながることで、莫大な負荷にも耐えられる、強力なものに変わっていきます。鳥男どうしだと、だれかが体に受けた痛みすら連携して和らげられるようになっていて、いつか、そんな人の心や体の痛みも、インターネットを通じて、シェアできるようになるのかもしれません。

【3】ひとりの異なる能力はすべてみんなのため

BIRDMENのマンガに出てくる、印象的なセリフがあります。

「セラフィム(鳥男のこと)は、誰かが持っていれば、皆が持ってることになるんだもの。私はもう待つだけ」
「彼らは、本当の意味ですべてを分け合える。喜びも、悲しみも、痛みも、何もかも。」
「彼らは響き合うように進化し、1人では決して手の届かない世界へ、手を取り合って飛び立てる。そういう作りになっている。」

鳥男は、鳥男になった後、自分の能力を段階的に進化させていきます。

たとえば、「指示能力が高い鳥男は、同じ鳥男に対して強制的に命令を下せる、ベルウェザーに進化」「人とのつながりを大事にする鳥男は、鳥男同士にしか使えない能力を、普通の人にも伝えられる、リンカーに進化」などです。

鳥男は、こうして個々が別々の形で進化し、その能力をつなげあわせることで、例えば「リンカーが普通の人と鳥男をつなぎあわせ、そのうえでベルウェザーのもつ強制命令能力を、人にも適用する」みたいな形で、自分たちの未来を書き換えていきます。

この「個々人が、得意な能力をのばしていく」「伸ばした能力は、すべて全体の進化と未来につながる」はインターネットの世界でも、少しずつ起き始めていることです。例えば、

■ 1人が開発したプログラムを、みんなに公開する「オープンソース」化により、開発されたソフトウェアをみんなが改善できるようにし、加速度的にソフトウェアが進化する
■インターネットを軸として進化した「ブロックチェーン技術」は、もともと、ビットコインなどの仮想通貨として使われはじめたけれど、その技術をさまざまな人が転用して「契約書の自動管理」「文書の自動管理」などに、進化していっている

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この「リアルタイムですべてがつながる」「つながることで力が増幅する」「増幅した力によって、加速度的に進化していく」を、まだ技術レベルでつなげているのがインターネットの世界、それを人同士でつなげたのが、BIRDMENの世界なんだろうなと思いました。

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ずっと忘れていたけど、むかし、不登校だったころ、家のリビングの机のうえに雑誌がおいてあって、その表紙には、ロードバイクみたいな自転車に乗る人が、満面の笑みで写っていました。それを見たとき、

ああ、この自転車があれば、もうすこし遠くまで行けるのにな

って思ったことがありました。

10年前、なんでインターネットの世界を好きになったのか、いままでずっとわからなかったけど、

もしいま、そんな自転車を買いたい人がいて、その人に、わずかでも力をかせる人がいて、そんな人たちをつなげられたら、もう少し遠くまで、いける人が増えるんかな。

そんな、またもう一度、人が動き出せる選択肢をわたせる人になりたくて、インターネットに関わりはじめたのかなって、10年後しで、好きになった理由を、知りました。

ああ、10年前の自分に、すこし感謝。10年後、ぜんぜん違うこと言ってそうやけど。








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