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【詳細版】筋トレ休むとどれ程で取り戻せる?

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【本記事の内容・想定読者層】

 本記事は、ウェイトトレーニングを数年続けてきた人が、2020年4月・5月の緊急事態宣言時である2か月間にウェイトトレーニングを休止し、その後、どのくらいの期間で休止前の筋力に戻せるか、という内容となっております。

 簡単に言うと、テストの点数で99点を100点に伸ばそうとしてた人が勉強を一度止めて、その後、勉強再開してからどれくらいで以前の成績まで戻せるかということを筋トレでやってみたというお話。

 想定する読者層としては下記の人向けです。

・様々な理由により、数か月の間、筋トレ(ウェイトトレーニング)ができなかった人・これからそのような状況になる人

・今回の緊急事態宣言期間明けに筋トレを再開する人

 特に、1RM(※1)の重量を5kg以上伸ばすのに年単位の期間を要する人向けの内容です。つまり、1RMを5kgを伸ばすことにおいて、50kgから55kgに2ヶ月で達した人と、155kgから160kgに12ヶ月(1年)かかった人で言うと後者向けの記事です。

※1:1RMとはざっくり言うと、ちょうど1回上げられる重量(kg)のこと。自分の中で上げられる一番重い重さのこと。4RMならちょうど4回連続して上げられる重量、8RMならちょうど8回連続して上げられる重量のこと。重さ順でいうと、1RM > 4RM > 8RM となる。 ※1

【自己紹介】

はじめましての方ははじめまして。

お久しぶりの方は御殿下以来ですかね。

2015年から2019年までの間、東大の筋トレジム(通称:御殿下)でベンチプレス165kgを上げてた者です。思い出していただけたでしょうか?

社会人2年目もそろそろ終わりそうな今日この頃ですね。

自己紹介はさておき、以下、早速本題に入ります。

【筋トレ休止期間と再開時期】

・緊急事態宣言開始時である2020年4月上旬までのウェイトトレーニング歴は5年弱。直近のベンチプレスでの1RMの伸びは、+2.5kgになるために15カ月かかった

・2020年4月の第2週目から5月末までウェイトトレーニングはなし

・ウェイトトレーニング休止期間中は自重トレーニングのみ

・緊急事態宣言が開けた2020/6/1からウェイトトレーニング再開

【計測手法と計測指標】

・ベンチプレスにおける1RMで計測を行う

・計測指標の導入に伴い、以下3つの用語を導入する

「休止前1RM」・・・ウェイトトレーニング長期休止直前の1RM(単位はkg)。今回でいうと、(休止前1RM)=167.5kg であり、固定の値。

「当日1RM」・・・ウェイトトレーニングを行ったその日の1RM(単位はkg)。要するに、筋トレしたその日に上げた重さの中で一番重かった重量のこと

「回復比率(%)」・・・(回復比率) = (当日1RM) / (休止前1RM)

【目標設定】

・目標達成基準は、当日1RMが167.5kg(回復比率100%)とする

 とはいえ、ベンチプレス167.5kgは20年3月か4月に初めて一度だけ上げた重さのため、現実的には165kg(回復比率98.5%)まで戻したいところ。

・目標達成のための期間は、1カ月(2020/6/1~6/30)とする

 期間設定に当たり、過去に論文作成で10日ほど休んだ際に以前の重量を取り戻すのに1ヶ月かかったこと、インフルエンザで休んだ時も同じく1ヶ月かかったため、ひとまず今回も1ヶ月とした。

 また、ブログやHPなどのネット情報でも、期間の目安を調べたがよく分からなかったため、上記の通りの目標設定とした。※2

※2:期間もさることながら、ネットで調べて分からなかった理由の一つに、「筋肉が落ちる・減少する」という表現が何を指しているかよく分からなかったことがあった。その理由として、ネット情報ではそれらの執筆者の内、論文を参考にしてる人は、元の論文でのこういった言葉の意味や計測指標の定義を省略してしまっていることが多々ある。加えて、論文内での計測対象者が自分の状況と似ているかどうか判断が付きづらいこともあった。

 ちなみに、論文では「筋肉が落ちる・減少する」という表現が何を指しているかというと、1RMの重さ、筋肉のMRI画像での断面積、腕や足回りの太さ(バスト・ウエスト・ヒップの3サイズを測る感じ)などで計測し、この数値を評価して、運動休止から再開によって「筋肉や筋力が増加・減少した」としている。※2

【結果】

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図1.筋トレ再開後のベンチプレス重量推移(右軸の単位はkg)

・約2ヶ月間のウェイトトレーニング休止で、ベンチプレスの当日1RMは▲47.5kgの120kgまで落ちた。回復比率のスタート地点は71.6%であった

・目標達成はならず、目標期間であるウェイトトレーニング再開後1カ月(7/1計測)の当日1RMは155kg、回復比率は(92.5%)であった

・ウェイトトレーニング再開後2カ月以内では、当日1RMは165kg、回復比率は(98.5%)に達した

・グラフには記載していないが、回復比率100%を達成したのはウェイトトレーニング再開8カ月後の2021/1/29であり、同日に自己最大となる1RMの170kgへと更新した

【考察】

・結果としては、約2ヶ月間のウェイトトレーニング休止でベンチプレスの1RMは120kgまで落ちた。とはいえ、再開後の1回目のトレーニングでは、ケガのリスクも踏まえたため、120kg以上の重さも上がった可能性は大いにあり得る

・自身の論文作成でのトレーニング休止期間の経験と合わせて考えると、休止前1RMの大きさに関わらず、休止前の重量を上げるまでにはある程度の固定日数はかかると考えられる。特に再開後の間もない期間では、神経系の適応、いわゆる運動への慣れには一定の日数を要するのではないだろうか

・回復比率100%への到達、及び、自己最大の1RM更新については、その時の体重によるところも大いにある。今回の両者の達成においては、体重が増加時期であった。一方で、休止前に167.5へと1RMを更新した際の体重とおそらく変わらないので、体重・体重の増減傾向でも評価する必要が考えられる

・トレーニングを再開し、運動への慣れの期間を超えた後の回復比率の上昇とそれに要する期間については、今回は自身でしか計測していないため正直なところ分からない。ただし、休止期間が短いこと、及び、休止前1RMがウェイトトレーニングを初めて行ったときの1RMから大きく乖離していないほど回復比率が100%付近に近づくのに要する期間は短いと推測される。テストの点数で言えば、元々50点の人が勉強をほったらかし、再度勉強しだして50点に戻すのにはさほど時間を要しないことと同様に考えられる。(この点を3RM付近で今後分析するかもしれない)

・体づくりにおいては今回の結果は参考になるであろうが、競技力の回復という視点においては、全身的な運動のパフォーマンスで別途に測る必要がある

【まとめ】

・今回は2ヶ月休んで、2ヶ月運動したらだいたい元に戻った。戻ったのは体力的なものなので、競技パフォーマンスや感と言ったものとはあくまで別物である

・個人差はあるので自分のペースを守ることだけは絶対に忘れずに!

【余談】

 本当はこの記事を2020年8月に書こうと思ったのですが、なんだかんだでこの時期になってしまいました。怠惰な生活に打ち勝ち、計画的に日々を過ごす難しさを痛感しております。

 今後、筋トレ関連やオリンピックボランティア研修について書いていこうと思いますので、よろしければTwitterのフォロー(@karasutotengu
)をお願いします。

以上、お読みいただきありがとうございました。


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