2023年 新聞歌壇に載った歌まとめ
アットマークの書き方を教えてほしい、嘘、きみの書くそれを見たくて
/読売歌壇 俵選
過去形で僕を殴れよ焼肉の銀の箸など持ち替えながら
/読売歌壇 黒瀬選 一席
溶け込んで見えるだろうかスーツ着て生徒を誘導しているわれは
/読売歌壇 俵選
都会とは季語のなりそこないだらけ 偽薬のような雲ひろがって
/読売歌壇 黒瀬選
国家って感じないよね ファミレスで鶏むね肉にスプーンを刺す
/読売歌壇 俵選
便りには違いないよね スタンプのひとつひとつを愛でている春
/読売歌壇 俵選
風はすべての季節を表すことばだしサンダル雑に履いて会おうよ
/読売歌壇 俵選
思いっきりひらがなだからこわかった エレベーターのなかの〈ひじょう〉は
/読売歌壇 俵選
教科書に腕立て伏せをさせながら詩の風にきみは眠りつづける
/読売歌壇 俵選一席
島のひとつひとつに名前がついていて昔のひとの見立てが強い
/読売歌壇 俵選
フルハウスの三人揃っているほうはなんなんだろう 制度がこわい
/読売歌壇 俵選
撮るためにどんどん下がっていくひとの地平線みたいに薄い靴
/読売歌壇 俵選一席
妻になれそうな背中のかがめ方で誰かが冷凍餃子を買った
/読売歌壇 俵選
秋風が花をくちびるにしていてうれしい言葉になれそうでした
/読売歌壇 俵選
ずっと世界の入り口に立ちつくしててりんごに代わるお金を知らない
/読売歌壇 俵選
心音をみんなに切り刻ませるため神話のような検査を受けた
/読売歌壇 黒瀬
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