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連作「原色の憂鬱」

(プロジェクトセカイの「東雲絵名」をイメージした連作です)


昼という闇に抱かれて裏返るなら裏返れわたしの瞼


わたしには春って無彩色だけど 歌詞のとおりにうずまきを描く


朝食の黄 許せない感情が彼にだけあるほんとうにある


自撮りにはいいねがついて緑色だらけの部屋で眠ったみたい


綺麗なものは描かない描けない描けないわ食卓にいる画家という父


銀の鍵ふかく引き抜くわざわいはどこからともなく差し込んでくる


目に母は映らないからはげしさの青でラフ画を際立たせてる


くるいだすパース春風投げ捨てて街を街だと思えなくても


あかときに鉛が滲み寄るときは加工をきつくかけて呟く


崩壊のなかで生まれる揚羽蝶 明日のことを誰に任せる?


夜は加算できないようにボイチャでは誰もが自分の作業をしてる


オーバーレイしてしまったら葛藤を忘れてしまいそうで光らす


感じたことを描く覚悟ならとうとうと空という火を火という空を


認められなくても好きでいたいから。斜陽みたいなかおりの絵筆


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