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個人開発でゲーム会社に勝つ方法

影山鴉(かげやま・からす)です。「UNDERTALEを超えるゲームを作る」を目標にインディーゲームの開発をしています。元々はゲーム会社で10年ほどUIデザイナーやアートディレクターをしていました。

今回は、インディーゲーム(中でも個人~少人数の開発のゲーム)がどうすれば、大規模な予算をかけたハイクオリティなゲームに勝つことができるかを考えました。

あくまで個人の意見なので、是非実際にインディーゲーム制作をしている皆さんの意見も聞かせてもらえればと思います。

※注
今回分かりやすさの為に「勝つ」というワードを使いましたが、ゲーム開発に勝ち負けみたいな概念はないと思っています。ニュアンス的にはユーザーさんに選んでもらえる、興味を持ってもらえるというイメージです。


ゲーム会社にどうしたら勝てるか?

STEAMなどのプラットフォームで売れているゲームは基本的に大規模な予算や人数をかけてゲーム会社が開発したものです。

そして会社には

  • 面白いゲームシステムを考える人

  • ワクワクするビジュアルを作る人

  • 思わず見惚れるエフェクトを作る人

  • 触り心地が良くて気持ちいいUIを作る人

など、様々な分野に特化したプロフェッショナルが集まってゲームを開発しています。

こういった人たちが圧倒的な時間と労力をかけたゲームに対して、当たり前ですがインディーゲームでは総合的なゲームの質で勝つ事は難しいです。

大規模な予算を掛けた素晴らしいクオリティのゲーム(FF16)

では、そんな中でどのようにしてインディーゲーム開発者が勝ち筋を見出すか・・・?
私はインディーゲームだからこそできる、尖った表現が勝ち筋になると思っています。

なぜ尖った表現が勝ち筋になるか?

基本的にゲーム会社では、ビジネスとしてゲームを制作しています。売れても売れなくてもいいと考えてゲームを作っている会社はほぼ無いはずです。

そしてビジネスとして売り上げを出さないといけないということはつまり、広い層に受け入れられるゲームでないといけないわけです。

また近年はゲーム1本にかかる開発費が高騰している為、会社としても当たるか分からない博打より、必然的に広い層を狙える当たる確率が高い選択を取ります。
ナンバリングやリメイク、IPゲームが増えていることからも、この傾向が伺えます。

ではそんな状況で尖った表現を取り入れる事ができるでしょうか?

答えはNOだと思います

特にSNSが発達したこの時代悪い方向にバズってしまったら目も当てられません。つまり、ビジネス的な観点が入り尖った表現が出来なくなるのがゲーム会社の弱点だと考えられます。

インディーゲームの戦略

逆にインディーゲームは、大規模な開発費をかけて売り上げを出す事を目的としたゲームは少ないはずです。
それはつまり「ビジネス的な観点を排除した表現ができる」ことになり、これこそがゲーム会社に対抗できる圧倒的な強みにつながると思います。

ではこの強みを生かすにはどうすればいいでしょう?

  • 万人受けするハイクオリティな表現を目指す

  • 何十時間も遊べるような王道シナリオの大作を目指す

インディーゲームにおいてこのような戦略だと、大人数で開発しているゲーム会社と同じ戦略を取る事になり、比較されたときに太刀打ちできないでしょう。

そこで私の考えとしてはゲーム会社の戦略の逆を行くのが一つの戦略になると考えています。

  • 100人が好むものより、1人に深く刺さるものを作る

  • 王道ではなく、一癖も二癖もあるようなストーリーを書く

  • ハイクオリティな表現を目指すのではなく、オンリーワンな表現を目指す

  • 大作ではなく、短くてもいいので新しい体験をつくる

全てこの通りにする必要はないですが、このような要素の掛け合わせをしたり、一つでもいいから尖らせる事がインディーゲームの強みを活かした独自性になると考えています。

塗り絵のような表現と独創的で恐ろしい世界観(omori)

インディーゲームだからこそを目指す

ゲームを作ろうと思うと、まず「FF」や「ドラクエ」のようなゲームを作りたいと思う方が多いと思います。そこを目指す気持ちもわかりますが、結局理想と現実の差が大きくて挫折してしまう可能性が高いと思います。

正直、ゲーム会社が作っているようなクオリティに個人制作で到達する事は難しいです。どんなに技術が発達したとしても、人数の力には勝てないでしょう。

ただ前述のとおりインディーゲームだからこそできる強み(ビジュアル・ゲーム性・ストーリーなど)が必ずあるはずです。

ナンバリングやリメイクなどで同じようなゲームが多い今だからこそ、インディーゲームが強みを活かせる時代になってきていると思います。

このような強みを活かして、日本から「UNDERTALE」のような独創的なインディーゲームが多く出る事を期待していますし、私自身も出したいと思っています。

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