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憧れのラジオ

小学校高学年くらいだろうか、あるいは中学生だっただろうか、当時オールナイトニッポンという深夜のラジオ番組の面白さに出会い聞いていた記憶がある。まだ確か手元にはカセットテープにさくらももこのオールナイトニッポンの録音があるかもしれない。

小学校高学年くらいの時に、ラジオに憧れた私は台本を作り、近所の幼なじみを誘ってカセットテープに台本の内容を読んで録音するという遊びをした。ラジオごっこだ。

中学生になるとナレーターという文字に興味を持ち、その声の響に憧れたが、どうやってナレーターになれるのか全く道筋がわからなかった。そうやってなんとなく憧れた職業への夢は閉ざされたが、今は誰でもビデオ配信や音声配信ができる世の中になっていた。

とあるラジオ配信をされてる方の音声を聞いて憧れは募った。台本を書いてカセットテープに録音していた頃の自分が蘇る。私に出来るだろうか。お喋りも下手で、声も可愛くないし綺麗じゃないし、こんな風に喋れるだろうか。

マイナス思考のど真ん中に芽生えたのは誰でも配信しているということ。

音声ライブをされてる方の配信を聞いてやってみたいから、やってみるへと変化していった。スマホひとつ、スマホにアプリをダウンロードすれば出来てしまうのだ。歌を歌っていたり、メイクを披露したり、他愛もない話しをしていたり、料理を作っていたり、ゲームをしていたり。自由なのだ。

自由になってみたい。

何かこう知らない間に自分にダメ出しをして、がんじがらめになって巻き付いている物を取り払うのにそう時間は掛からなかった。

最初の音声配信はとても緊張して、何を話したかは忘れてしまったけれど、配信されている内容は聞き返せないまま第一回目の配信は保存されて残っている。

それから約2ヵ月。いつの間にか緊張が溶けたのは、リスナーさんになってくれているサポーターさんや、初めて来て下さる初見さんのお陰で喋る事が出来ている。やってみてわかった事は独りでは難しくてもそこに誰かが居てくれる、聞いてくれる方がいる、コメントをくれる方が居るからこそ話しが成立している。知り合いも出来、仲間や友達が出来ていく楽しさを知った。

つい最近まで、誰も知り合いのいない土地に暮らして誰の目も気にせず、夫以外との会話はなく過ごしていた。時折会話があっても母か、通院で話す位だった。それが今では毎日誰かの配信を聞きコメントをし参加して、自らも配信をして喋っている。下手でも無言になっても配信ボタンを押す自分がいる。

憧れのラジオ。今はスマホから気軽に夢はかなった。






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