スタート地点
ボンジュー!
灼熱の日本滞在を終え、フランスに帰ってきました。
パリといえど、我が家の周りはオリンピックのオの字もなく…とてもしずかに、帰路についたのでした。笑
さて、フランスの大学チャレンジはというと、、、
結果からお伝えすると、9月から学部の最終学年(3年目)に編入できることになりました!
入るまでに何年かかるか、出るころには何歳になっているか、、恐れおののきながらも決めた道、ひとまずスタート地点に立ててとても嬉しい。とはいえ、語学レベルを満たしていたとて授業を理解するのはかなりしんどい、と語学学校仲間から聞いていて、不安もめちゃくちゃに大きいです。ただ、留年したって人生終わるわけじゃなし!苦労すら全力で楽しんでいく所存です!
ところで、「編入」とは、なんじゃらほい。
実は、大学に入るためにはいくつか手段があって、そのひとつが「他大学からの編入」でした。すでに学位を持っている人、いま別の学校で単位取得中の人が途中学年からスタートできる、ということで、筆記試験ではなく各種証明書やモチベーション・レター(また出てきた)をもとに審査されます。日本にも同じようなシステムあるよね、きっと。
わたしは幸いにも日本の大学で取得した単位に互換性があったため、最大で大学院1年目にアクセスできる資格がありました。三十路をんな、1年でも2年でも短縮できたほうがありがたい。。。
最終的には語学レベルも鑑みて学部3年目に応募、日本に帰ってきてすぐに結果通知がきて、なんと志願を受け入れてもらえることに。ああ、ほんとうによかった。
ちなみに4月に受けた入試は落ちました。ここでサラッと書いちゃう。えへへ。
入試の結果は編入の合否よりも先にわかっていたのだけども、落ちた原因は間違いなく語学力不足、だとすると編入で受かったとしてもこりゃあ大変なことになるぞ…と思っていたもんだから、編入の結果がきた瞬間の頭のなか、文字通り期待と不安の大嵐だった。。。
さて、わたしが学ぼうとしている大学についてすこし触れておくと、いわば「美術史専門学校」。École du Louvre = ルーヴル美術学校、といって、実はルーヴル美術館のある建物の端っこに校舎があります。
この学校の存在を知ったのは10年以上前、まだ高校生のとき。
当時おぼろげに興味をもっていた考古学や美術史がどんなふうに大学での学びにつながるのか、母の知人(志望大学のOB)にお話を伺い、「パリに美術史を学べる良い学校がある」と教わったのでした。そのときは留学なんて思いもよらなかったし、海外に行くこと自体頭の片隅にもなかったからすうっと聞き流していたけれど、まさか十数年も時が経って、自分がフランスで暮らしその学校に通うことになるとは。
そもそも、渡仏してもアルバイトや日本の仕事をリモートで〜なんて思っていたわたしがフランスでの人生を考え直したのは先述のとおりなのだけど、「大学で学び直す」という決断はほんとうに怖かった。これからの人生プランについてスライドを作って夫にプレゼンして、「正直めちゃくちゃ勇気がいるんだけど、」と言いながらルーヴルに通う選択肢を説明したこと、一生忘れないだろうな。
いますぐにでも職に就きたい、家計を助けたい、という焦りのなか、数年を学業に費やしてそれから就職活動をして…40歳近くになってようやく、生業を見つけられたら大団円の世界線。それでも、学んだことは決して無駄にならないし、そのときなりの出会いが必ずあるはず、という気持ちで覚悟を決めました。
もともと自分が何をして生きていきたいのか全くわからなくて、とりあえず働いているうちに出会うだろう、”降ってくる”だろう、なんて思いながらのらりくらり過ごしていたけれど、きっと人生には「えいっ」と思いきって舵を切り、逃げ出したくなるほどの努力が必要になるときもある。そしてそれがわたしにとっての「何かをして生きていく」というひとつの道なのだ、と、決意のときそんなふうに感じたのだった。
カリキュラムを組む段階ですでにちんぷんかんぷんなのだけど、、、がむしゃらにがんばります!