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教育ログ2人目(公立・現役→京大経済)

0.今回の教育答え合わせさん

→公立高校から京都大学経済学部に合格されたtamaさん。今改めてご自身の教育を振り返った結果はこちら!

「第一志望の大学に無理・無駄なく合格できた場合を100点として採点しました。甘めかもしれませんが、大きな失敗もなく総じて順調に歩んだと言えるので、この点数です。敢えて言えば、中学受験は余計だったかもしれず、そこだけ減点しました。」と語るtamaさんの教育答え合わせに迫ります!



1.回答者略歴


Q:お名前を教えて下さい。
→tama(H.N)

Q:年代を教えて下さい。
→30代

Q:ご自身の幼少期のキャラクターについて教えて下さい。
→目立ちたがり屋で、何事にも自分の爪あとを残そうとするタイプでした。
 
Q:ご自身の性格について、以下の観点でお答えください。

Q:最終学歴を教えて下さい。
→京都大学経済学部
 
Q:そこまでのルートを教えて下さい。
→公立小・中学校→(高校推薦)→公立高校→現役

Q:大学合格時点での学習能力の自己採点をお願いします。

※6要素で15点以上となるように配分をお願いています。

Q:ご自身の各学習能力に関してどう考えていますか?

→飛び抜けた点も、欠点も無いと思います。その中でどれかと言えば、試験日に実力のピークを持っていくにはどれくらいの進度で勉強すべきか逆算して進めること、即ち「自走力・自律性」はある方かもしれません。
 
Q:教育の得点配分を教えて下さい。

Q:得点配分の意図を教えて下さい。
→大学進学に関してこの時期のこの取り組みが決め手だったという意識はなく、各段階における経験(と運)の積み重ねだと思います。私自身は高校までの経験とその過程で獲得した強みが志望大学における特殊な入試形態とちょうど符合するという巡り合わせが一番大きかったですが。


2.保護者の教育スタンス(配点25点)

Q:ご家族の最終学歴について教えて下さい。
→父親:高専卒
母親:専門学校卒
姉①:私大文系卒
姉②:国立理系→私大院卒

Q:保護者の教育方針はどのようなものでしたか?
→将来○○になってほしいという希望を示された記憶はありません。まずは何事も挑戦してごらんというのが基本姿勢で、それもあって習い事はたくさん経験しました。また、週末には博物館や展示会等に連れられました。都合よく解釈すれば、いろいろな分野への関心を持たせ、ゆくゆくは自ら進む道を選んでほしいという意図だったのかも知れません。
 
Q:その教育方針はご自身の学業にどう影響したと思いますか?
→特にプレッシャーがない分、都度自分の実力に見合った進路を考えることが出来たので、学業以外も含めのびのびと生活できたように思います。

Q:ご両親は学業に関してどんな接し方でしたか?
→基本的に介入することはなく、自由にやらせる姿勢でした。
 
父は学校選び等で自身の意向を示すことは殆ど無く、地方の大学進学を希望した私に、京都大学以外は認めないと言ったことくらいです(一人暮らしをすれば生活費も追加で必要となるし、就職活動を考えても東京の大学の方が有利と考えていたようで、地方でそれに見合う選択肢は京都大学だけという趣旨でした)。母は中学・高校選びではアドバイスをくれましたが、具体的な学習方法への関与は無く、基本的に子どものやり方を見守っていました。

Q:今振り返って学業につながった、家庭内の文化や習慣があれば教えて下さい。
→父が私のクラスの学級通信や習い事で配られる広報等に良く寄稿していました。依頼があったのか、父が名乗り出たのか経緯は不明ですが、自分の子どもの紹介や親目線での習い事の推薦等を工夫して書いていたのが印象に残っています。文章はこう書くものだと間接的に教えられていたのかもしれません。
また、小さいころから何事にも挑戦してみなさい、と言われていたので、○○委員長や生徒会長、応援団など立候補制の役職に良く手を挙げていました。たくさんの支持を得るため、聴衆に刺さるキーワードや説得力あるロジックを考える必要があり、自然と表現力が身についたように思います。

Q:ご両親の教育スタンスについての小計を教えて下さい。

両親の教育スタンスには当時も今も不満はありません(結果的に進学面で困ることが無かったから言えることですが)。唯一の正解はない世界なので、子どものやりたいようにさせたのかもしれませんが、それが私の性格や学習スタイルとは合っていたように感じます。
また、二人の姉の存在も大きかったです。習い事や進路では姉の経験を参考にすることが多く、無意識のうちに自身のシミュレーション代わりになっていました。


3.~小学校時代※小学受験含む(配点25点)

Q:小学受験はしましたか?

→国立大学の附属小学校を受験しました。両親どちらの意向かは確認していませんが記念受験の意味合いが強く、何も対策せずに臨み不合格でした。

Q:小学校の頃の学業成績について教えて下さい。(全6レベル)

→低学年では公文式、中・高学年では進学塾に通っていたこともあり、学校の授業は苦ではありませんでした。

Q:小学生当時の勉強への意識はどのようなものでしたか?

→自ら机に向かう方でした。勉強してテストで結果を出すことで、更なる勉強へのモチベーションに繋がるという好循環だったと思います。

Q:小学校の教育環境についてはどう考えていますか?

→進学塾に通っている子は他にもいたもののクラスで数人程度であり、多くは同じ公立中学校に進学する(特に競争意識も強くない)、ごく普通の公立小学校でした。後述する進学塾は成績競争も熾烈で、自分のランクを脅かされる厳しさがあった一方、小学校では常に成績上位にいられたので、気楽ではあったかもしれません(厳しさと気楽さ、両方の世界が見えていたことが重要だった気もします)。

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

→低学年は公文式の宿題、中・高学年は毎週末行われる進学塾のテスト対策でした。

Q:小学校まで習い事は何をやっていましたか?

Q:学習貢献度の高い習い事について、始めたきっかけを教えて下さい。

→サッカーを除くと、全て姉が習っていたことがきっかけです。

Q:習い事についての振り返りをお願いします。
→算数については公文式でかなり飛び級(小2時点で小5範囲)していたこと、他科目も進学塾で学習していたので、学校の授業は余裕をもって対応できました。
 
進学塾で身についた習慣としてメモを取る癖が挙げられます。例えば教科書で先生が説明した内容に線を引くだけではなく、前後の文脈や余談話、時には先生の似顔絵等も一緒に書き込んでおくことで、ストーリーとして記憶するようにしていました。

Q:今振り返ってやればよかったと思う習い事は?
→特にありません。

Q:小学校までの読書について教えて下さい。

→「学研まんが ひみつシリーズ」は面白くて何冊か読みましたが、児童書の類は(物語が好きではなかったので)全く読みませんでした。読書量は少なく、また同世代の中では漫画も読まなかった方だと思います。その代わり、新聞(子ども新聞ではなく、大人向けの新聞)は毎日気になる記事を探して読んでいました。
 

Q:当時熱中していたことは何ですか?それは学業にどう影響しましたか?

→小学校4年生で我が家に導入されたパソコンです。最初はゲームからでしたが、文章を作ったり絵を描いたり、中学生以降は学校の宿題や生徒会活動の資料作りにも活用することになります。早いうちにパソコンに触れられたのは正解でした。

Q:小学校時にに学習・進学などで記憶に残る言葉はありますか?

→せっかくなので記念に、との意気込みで挑戦した中学受験は不合格だったのですが、小学校卒業時の寄せ書きで後輩から「中学受験で発揮できなかった力を発揮してください」という言葉を贈られたのが記憶に残っています。自分にとっては記念受験でも、周囲には「失敗経験」と映ることを子どもながらに印象付けられた出来事でした(この経験もあり、安易な記念受験は考え物だと思っています)。

Q:小学生時代の教育環境の小計を教えて下さい。

→今振り返って思う小学校時代のポイントは「進学塾での学習」に尽きます。学習内容はもちろんですが、基本的な学習習慣や成績を伸ばすための試行錯誤等を小学生の段階で習得・経験出来たことはその後の学習においても財産になったと思います。逆に言えば、入試結果や進学先は重要ではなく、周囲から失敗したと見られる経験だけが残った点において、中学受験は不要だったかもしれません(その分減点しました)。

4.中学時代※中学受験含む(配点25点)

Q:私立の中学受験は考えましたか?

→国立の附属中学校と私立中学校を受験し、共に不合格でした。その学校に進みたい意思は強く無く、今思えば身が入っていなかったのだと思います。

Q:中学行時代の学業成績について教えて下さい(全7レベル)

→中学受験を経験したアドバンテージは非常に大きく、学習面で大きな苦労はなかったです。中学校の学習内容は(荒っぽく言うと)数学と英語を除けば小学校の内容の延長線であり、小学校の進学塾での貯金がそのまま活用できました。

Q:中学生当時の勉強への意識はどのようなものでしたか?

→中間・期末試験では安定して9割台を取れており、勉強には自信がありました。

Q:中学校の教育環境についてはどう考えていますか?

→今振り返ればですが、進学志向の強い人は私立中学に進んでおり、競争意識はそこまで厳しくない中学校でした。部活動で先輩や同級生から厳しいことを言われても、成績面で盤石なポジションにいたことで精神的な安定を維持できたと思います。学業でも競争が厳しい環境に晒されていたら埋没していたかもしれません。

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

→中学校では、中間・期末試験前にまとめて学習する習慣がつくようになり、それ以外の時期はそれほど勉強していませんでした。毎日の部活動や生徒会活動で体力的余裕が無かった事情もあります。

Q:中学校時の習い事について何をやっていましたか?
中学校では習い事はせず、部活動と生徒会活動に注力しました。特に後者に関しては、パソコンで生徒会の資料作りや、全校生徒向けの挨拶等、組織を率いることの大変さややりがいを経験しました。

Q:それぞれの習い事について学習能力への影響を教えて下さい。

→各教科の内申点は高くなかった(9教科×5段階評価=45点満点中、42点が私の高校の合格ラインとされていながら40点しかなく、特に採点上1.3倍評価される実技教科のうち美術と体育が3と致命的でした。)にもかかわらず、生徒会活動に力を入れたことが評価されたのか、公立高校の推薦入試に合格できました。

Q:中学時代に学習・進学などで記憶に残る言葉はありますか?

→生徒会に寄せられた投書に代表して回答した際、その生徒から回答文を徹底的に添削されたうえでばら撒かれたことがあります。作文力に自信があった中で、先生ならまだしも同級生から文章をダメ出しされた事実にショックを受けました。この一件以降、独りよがりにならない文章作りを意識するようになったと思います。

Q:中学校時代の教育を振り返ってどう評価しますか?

 →上述の通り小学校時代の貯金が大きく、学習面で特筆することはありません。それよりも生徒会活動の資料を作成したり、全校生徒向け挨拶で印象に残る話を心掛けたり等の学習面以外のアウトプットの方が、やがて訪れる大学入試での選択に伏線として影響したように思います。


5.高校時代※高校受験含む(配点25点)

Q:私立の高校受験は考えましたか?

→全く考えませんでした。母の勧めで受けた公立高校の推薦に幸いにも合格したので、悩む間もなく終わったというのが正直なところです。

Q:高校時代の学業成績について教えて下さい(全7レベル)


→地域トップクラスの進学校に入学したため自分の学力順位に不安がありましたが、高1最初の中間テストの結果が42名中6番目だったため、勝負できそうだとの手応えを掴みました。結果的に卒業まで相対順位は変わらなかったのですが、それでも進学校ならではの全体の学力の伸びに支えてもらったように思います。(これは全体に押しつぶされて埋没するリスクと裏腹ですが)
 

Q:毎日どれくらい勉強していましたか?

→学校行事や部活動に力を入れる学校だったこと、小中学校同様に生徒会活動に打ち込んだこともあり、家庭学習は試験前にまとめて取り組みました。学校も授業時間で勝負する方針だったので、何とか付いていくことが出来ました。

Q:高校以降はどんな習い事をやっていましたか?
→高校も部活動と生徒会活動で忙しく、習い事はやりませんでした。(塾は高3の夏期講習/冬期講習だけ参加)

Q:それぞれの習い事はどう活きたか教えて下さい。

→(習い事ではありませんが)高3の選択授業で政治経済と現代国語の2科目を履修し、はじめて「国語・作文」と「論文」の違いを体系的に学習しました。上述の通り小さいころから自分の考えを文章化する習慣があり、そこに正しい方法論が接続することで論文力が飛躍的に向上しました。時を同じくして、京都大学経済学部の論文入試(現在は廃止)の存在を知り、この入試形態なら勝負出来ると踏んで受験期に突入することになります(この時点で、一般入試は諦めました)。

Q:高校以降の教育を振り返ってどう評価しますか?

→高3での選択授業との巡り合わせが決定的で、趣味の域を出なかった文章力が武器に変わっていく様子が自分でも手に取るように分かりました。また、入試形態を絞り込んだことで進路の選択肢は限られましたが、却って集中して対策が立てられたと感じます。(受かったから言えることですが、)現役生としては効率的な学習が出来たのではないでしょうか。

6.編集後記

どうも、#1のカラシカシです。僕と同じ『公立高校からの京大合格者』ですが、何から何まで異なり、興味深く拝読させていただきました。。もともと京大志望だったわけではなかったようですが、幼少期からの「文章を書く」積み重ねが京大論文入試とバチっとはまった感じが面白いですね。

個人的には、ご両親の①「まずは何事も挑戦してごらん」というチャレンジを促すスタンスと、②「週末には博物館や展示会等に連れられました」という興味レンジの拡大戦略は大事だと思ったので、出来るだけ真似してみようと思いました。

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