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ひまわり畑の妖精🧚

しばらく雨の日が続いて、ようやく晴れたある満月の夜。

お散歩ロスになっていた我が家のワンコ『歩歩』を連れて、いざお外へ。
月明かりに照らされて、私も歩歩も足取りが軽い。

昼間、太陽を仰いで咲いていたひまわり畑の横を通ると…
何やらひまわり畑の中から物音が?
こんな夜に誰かが居るはずもないのに…風の音かとも思ったけど、今夜は強い風も吹いていない。

昼間のひまわり畑の小径

歩いていた歩歩も歩みを止めて、ピンと耳を立てた。
でも吠えない。
鼻をピクピク動かして、ひまわり畑の中の小径をじっと見つめている。
猫でも紛れ込んでる?

いくら満月が明るくても、ひまわり畑の中まではよく見えない。
猫だろうと、そっと近くまで寄ってみた。
小さな懐中電灯は持っていたけど、驚かしてはいけないと点けずに近づいた。

何やら、かすかな小さな甲高い声?鳥の雛のような…
いや、会話してる?
ピューイ、ピューピュー、ピポピポ、ピピッピー
何匹か居る…

時折、月明かりに羽のような物がキラリと光る。
蜂?いや、違う!

よーく耳を澄ましていると、不思議なことに会話が分かって来た。   
「ヒマワリノタネ」
「モウスコシデ  アツメラレル」

ヒマワリ畑の中の小径を、時には花の方にも飛んで…
月明かりに照らされた姿が見えた!

妖精?!
全身がぼんやりと光って、小さな小さな人の形をした、羽を持った不思議な存在。

「何匹」ではなく、何人居るのだろう。
ひまわりの種が出来るのを待って、様子を見に来た妖精たち。

そうなんだね、このひまわりの花は妖精達にも役立っているんだね!

歩歩も吠えずにじっと見つめていた。
そして踵を返して、お散歩に行こうと私を促した。

妖精さん達との不思議な不思議な遭遇。
また来年も植えてあげるからね!

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