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定年退職で時間をもてあますなんて、信じられない

昼間から飲んだくれると思いきや

サラリーマンにとって定年は人生の区切りだ。会社勤務が日常だったのに、定年を境にして、どこにも行くところがなくなる。自宅で時間をもてあまし、楠木新のベストセラー『定年後』に描かれていたように、近所のカフェに長居したり、図書館で他のシニアと新聞を奪い合ったりする。酒好きの私などは昼間から飲んだくれるような日常になるのかと思っていた。
ぜんぜん違うのである。定年前と忙しさはたいして変わらない。私は再雇用なしでキッパリ辞めたので、朝起きて通う場所はない。それでも時間が足りないと感じる。定年退職で時間をもてあますなんていう言説自体がホラ話ではないのだろうか。
では、会社で過ごした時間分、何をしているのかというと、現役時代の3割くらいの時間は仕事をしているが、あとの7割は趣味と家事だ。だから、もし時間をもてあまし、「今日用事ある」が大事だと言う人は、趣味がなく、家事をしない人ではないかと思う。
趣味は人それぞれだから一律には言えないけれど、世帯持ちでも独り身でも家事がない人はいないだろう。今日用事がないというなら、家事をすればいいのではないか。サラリーマン時代の仕事感覚で家事をすれば、どこでどう効率化すればいいか、スキルアップする楽しさを感じられる。
会社の束縛が解けて、あとは楽しいことしかないはずの定年オヤジがヒマだなんて、もったいない。

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