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今更「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島」クリアしたので今更語る。

2018年発売なので、本来はとっくにクリアしてる話。STEAMのレビューによれば 8時間前後で終わるらしい。

対応機種が多くて驚いた。案の定のUnity制作だった。

事実、攻略情報も動画も大量にあがっている。リンクは割愛する。

とりあえず当時はスイッチ版のインディーズをあれこれ漁っていて、二次元アクションっぽかったので買ったような覚えがある。

オフィシャルPVを確認すると、結構核心的なシーンも見受けられる。ここに出てるシーンは説明してもネタバレにはならんと解釈しよう。



詰んでたので積んでた

小生が、クリアしてなかったのは、途中に唐突に理不尽アクションが始まるからだ。

いや理不尽というのであれば、このゲームの全てが理不尽であり、今更ではある。

若い女性のふたり旅。しかも桟橋のすぐ横にテントを張ってる。不用心すぎでは? 案の定というか、急にいなくなる連れのエミリー。それを探してこのゲームは始まる。

主人公が脇をしめて、赤いポンチョと金髪をなびかせて、パタパタ走る姿は可憐である。お嬢さん絶対アクションに向いてないだろ!などと突っ込まざるをえない。

事実向いてない。階段は一段づつ降りるので遅い。ジャンプはできるが落差があると着地でやや体勢を崩す。落差がありすぎるとダメージでバラバラになる。痛い。だがそれで死ぬことはない。

なぜなら主人公はほぼ不死身である。落雷を受けての序盤の初蘇生シーン。自分が生き返ってしまったことに気づいて泣き崩れる主人公。

不死身ではあるが「痛み」はともなう。フィールド上のトラップに接触すると、主人公の悲鳴とともに、四肢がちぎれて四散する。スプラッターである。いやいや有刺鉄線にそこまでのダメージはないのでは?丸ノコならともかく。 

仕掛けを解きながら、時には得体の知れない何かに追いかけられながら、足を失い、腕を失い、時には首だけになりつつも、ひたすら行方不明のエミリーの姿を追う。中盤まではその展開が続く。

主人公はたとえ頭だけになっても(任天堂スイッチであれば)Xボタン長押しで完全再生する。頼んでもいないのに人間をやめさせられる主人公。そりゃあ泣き崩れるのも無理からぬことだろう。

エミリーとはぐれる不幸に加えての頼んでもいないのに不死身。アンデッドアンハッピー。

そのエミリーも、たまーに一方的に電話してくるのみ。話も一方的で会話は成立しない。 その音声になにやら変なエフェクトが掛かっててぶっちゃけ怖い。ホラーである。

この島はなんなのか?主人公はどうなってしまったのか?エミリーはどうしちゃったのか?数々の疑問を抱えたまま、攻略を進めることになる。

残機制はよくあるが、ストレートに不死身を表現したのは2018年としては画期的といっていいだろう。

しかし不死身のはずの主人公も、流石に頭だけになると即死は免れない。しかも死ぬとチェックポイントに戻される。これは萎える。思わずスイッチを投げてしまう。

不死身なのに死ぬってどういうことかって? いやセーブポイント制も、広義には不死身といえなくもない。 漫画家 赤松健の最後の連載しらない?

頭だけにならないと進めないステージもあり、しかもそんなステージに限ってトラップが散りばめられてる。本作の最大級の理不尽である。

いやいやボーリング場のバックヤードがトラップだらけとかありえないからね。 大抵の攻略動画でも、このあたりは誰も彼も苦戦してる。そりゃそうだよなー。

ちなみに完全再生時には、服も再生する。理不尽である。

後半、ストーリーが一転

結論からいえばエミリーには追いつくんだが、これは起承転結では言えば「転」である。ここから今までゲーム上で経験してきた何もかもがひっくり返るのだ。

まあネタ自体はとっくにサイトを見ていて知ってたが、その見せ方がなかなかセンセーショナルであった。

ああ、SWERY氏の表現したかったのは「これ」なのだな。氏が天才と言われる所以はこういうことなのだな。納得はした。

そして主人公が「経験してきたであろう苦しみ」をじっくりたっぷりねっとり追体験させたうえで、途中不思議バトルを経たあとについに主人公は「開眼」する。そして最後の戦いが始まる。

そして最後の戦いへ

この最後の戦いのカタルシスはなかなか強烈だった。力強いピアノの主旋律も鼓舞してくる。 つい最近まで詰まってた小生ならなおさらだ。

詳細は意図的に省くが、「開眼」した主人公は、不死身を積極的につかって目標に突き進む。これが本当に突き進んでいる。いつものようにステージにはノコギリありトゲありで、ばりばり欠損するのだが、それでも突き進む。その有様は痛快で、少年誌のヒーローのようだ。 死ぬこと以外かすり傷! (そんな名言がありました)

最後のチェックポイントに辿り着けば、QTE戦闘が始まり、主人公の冒険は終わる。

最後までやってようやく「いい作品だった」と言えた

非常にメッセージ性の強い作品である。しかもアクション。 そのメッセージを伝えるためだけに、ステージが設計されている。

メッセージを伝えるならアニメもありだったと思うしそういう作家も居るが、欠損+トラップでの「苦悩」は伝わらなかったかもしれない。

ストーリーは格段に評判がいいので、即死トラップに折れない人なら買いだろう。

ちなみにSWERY氏の新作はとっくのむかしに出てる。しかも2作。


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