e-sportsの専門学校
仕事が一息ついた後の雑談をしてたらこんな話題になった。
「そういえば最近ではe-sportsの専門学校なんてのがあるらしいぞ」
「へー時代だねー。何教えるんだろ?」
「そりゃゲームの勝ち方とかだろ。プロの指導があるって書いてある」
「うーん。でも胡散臭いなぁ」
云々かんぬん……。
ゲームクリエイター専門学校に通っていた経験がある私は、雑談で飛び出す「胡散臭い」「信用できない」といった言葉に既視感を覚える。
「大学には行きません。ゲームの専門学校へ行きます」
高校時代、進路指導の先生にそう宣言する。
考えを改めるよう何度も説得してくる学校の先生方。
一応進学校だもんなぁ。先生が必死なのはわかる。
場違いな生徒で申し訳ない。
「なんだ、金かけて受験したのに結局大学行かないのか。まあやりたいこと見つかったならいいんじゃねえの?」
親の方はあっさりしたもんだった。
とまあそんな昔のことが頭によぎりながら、「e-sports 専門学校」でググるとたしかにいくつも出てくる。
そして、おや?これは私が通ってた学校の系列じゃないかってのも出てきた。あいかわず節操ないなこの学校も。
カリキュラムはこんな感じだった。
・プロチームの選手やコーチの指導
・配信用の撮影、動画編集スキル
・フリートークスキル
・業界の歴史、最新事情研究
・メンタルトレーニング
・e-Sportsの大会のイベント企画
・英会話(?)
なるほどね。
プロゲーマーそのもの、だけじゃなくて周辺のことも教えてなんならそっちへ進路を向ける人が多そうだなぁと。
たしかに大会で活躍する選手ってなると一握りの存在。
なれる人は限られてくるだろう。
でも大会を企画、運営したり集客、広報などの周辺業務まで目を向ければやれることはたくさんある。
おそらく入ってくる生徒たちも最初はストリーマー志望がほとんどだろうけど、業界全体のことを学ぶことで、そういった周辺業務に興味をもつことがあるんじゃないかな。
書いてあること眺めて、構造としては私が通ってたゲーム科と同じかもしれないと感じた。
だとすれば生徒の状況も似通ったことがあるんじゃなかろうか。
専門学校当時、日に日に同じ科の生徒が学校へ顔を出さなくなっていった。
出席頻度が減ってる人と話すと、
「こんな授業聞いててもゲームをつくれるようにならない」
そんな趣旨のことを話していた気がする。
まあ当たり半分、といったところか。
業界の歴史を知ったからと言ってゲーム会社に入れるわけでもなし、基礎的なプログラムやデッサン、文章の書き方なんてのはその気になれば自分でやればいいこと。
それじゃあ全く意味がないのかというと私はそうは思わなかった。
私の通っていた学校は、現場のプロが直接指導する、というところは謳い文句通り誠実に実行されていたのだ。
そりゃあ名の知れた人ってわけではなかったけれど。
それでもメインの仕事はゲーム作り、現役でバリバリやってる人が時間を割いて来てくれるわけだ。
個人だとなかなかこんな状況用意できない。
だから、基礎的なことを学校以外の時間でやるのは当然で。
その上で疑問点や悩みなどを、授業の合間を縫って先生を捕まえ、根掘り葉掘り聞く。
学校が用意してくれた「プロと顔合わせできる場」を最大限活用する。
それが専門学校に通う意義だと思っていた。
この構造は件のe-sports専門学校も変わらないだろう。
プロチーム所属の選手やそのコーチ、あるいは大会設営に携わっている人など、目指す業界に身を置く人が来てくれる場であれば、活かせる人には価値がある場だと私は思う。
つらつら書いたけど、まあ本当に胡散臭い学校もあるかもしれない。
そこは色々確認して見極めるしか無いね。
価値観理解して相談乗ってくれる大人がいるのが一番いいんだけれども。
時代の先端を走るのはそこが一番難しいよね……。
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