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あなたは全人類の中でどのくらいお金持ちだと思いますか?

『〈効果的な利他主義〉宣言!』という本を読みました。

「どうすればできる限り良い事ができるか」という内容について、オックスフォード大学のウィリアム・マッカスキル准教授が、冷酷と言ってもいいぐらい科学的な考えを述べた本でした。

その第1章『私もあなたも、恵まれた1パーセント』という話が印象に残ったので、備忘録として書いていきたいと思います。

あなたも私も恵まれている

タイトルにも書きましたが、「あなたは全人類の中でどのくらいお金持ちだと思いますか?」

年収と聞いて私が思い出したのはカルロスゴーンさんです。その年収は20億だとか25億だとか一時期テレビを賑やかしましたね。日本人だとソニーの元社長の平井一夫さんが退職金も併せて27億円稼いだそうな。

友人に「世界の上位何%ぐらい年収があると思う?」と聞いたら「上位20%ぐらいかなー」との答えが返ってきました。確かに私も、日本は恵まれているけど、自分自身は周りと比べてそんなに稼いでないしなぁと思っていました。

では実際はと言うと…


年収500万円なら世界上位1%のお金持ち



日本の平均年収である432万2000円以上稼いでいるなら、あなたの年収は世界人口の上位1.5%です。世界平均と比べて33倍もの収入があります。日本人の貧困ラインである年収122万円を下回っているとしても、世界の85%の人よりは裕福です。

私達の周りには裕福な日本人しかいないため、世界的に日本人がどれほど恵まれているか分からないんですな。

気になる方は下記サイトで年収、家族構成を打ち込めば自分がどのくらいお金持ちか調べることができます。


世界で最も貧しい人たち

じゃあ貧しい人ってどのくらい貧しいのって話ですが、世界人口の下から20%の12億2000万の人々は、1日あたりの稼ぎが1.5ドルを下回っているそうです。

日本円で年収6万に満たないような生活と考えると、どうやって生活してるんだと思う訳ですが、サハラ以南のアフリカ貧困国の寿命は56歳なんだとか。日本人の平均寿命が83歳であることを考えると、とても短いですよね。つまり生活できずに亡くなってしまう方が多いんですね。

もちろん収入の大半は食費に回される訳ですが、それでも1日当たり平均で1400カロリーしか摂取していないそうです。家には当然、電気・水道・トイレもなく、テーブルや椅子すら9割の家にはないんだそうな。確かに日本では考えられない生活ですよね。


2万円でどれだけ幸せか

こんな話を聞いても「自分一人じゃ大したことできないしなー」とか思っちゃう訳ですが、著者のウィリアム・マッカスキル准教授は「そんなにお金をかけなくても、物凄く良いことができるよ」と話しております。

例えば、あなたの月収が現状30万円で来月からは月収60万円、つまり給料が倍になったらどうですか?私は飛んで喜びますね。

基本的には所得が増えるほど幸福度は上がっていきます。ですが幸福の感じ方は年収によって違うんですよね。

例えば年収250万円の人が250万円昇給する幸福は、非常に貧しいインドの農家の農家(年収2万5千円)が2万5千円貰うのと同じなんです。つまり同じお金で100倍も人を幸せにできる…なんていうと説教臭いですが、500円のビールが人に奢るなら5円で買えるなんて状況だと考えると、気前もよくなりそうですよね。

第1章をウィリアム・マッカスキル准教授はこう締めくくっております。

私たちには自分自身よりも100倍も大きな利益を誰かにもたらすチャンスがある。確かに、世界の問題をひとつ残らず解決することはできないだろう。だからといって、意志さえあれば何千何万という人々の生活を変えられるという事実は、少しも揺るがないのだ。

他人に与えると幸福感が長続きするなんて話もありますし、個人的には寄付を習慣にしていきたいところ。この本では他にも「災害支援に寄付してはならない理由」とか「搾取工場の商品を避けるべきではない道徳的理由」なんていう怖いお話もありますので、興味ある方はぜひ読んでみてはいかかでしょうか。




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