身体感覚の自覚を目的に。

力という言葉は便利です。しかし、あまりに便利すぎて、どんな力もごちゃ混ぜにしてしまいがちです。
現代は、様々な力が統合されて、一つの結果を生むようになりました。結果を重視しすぎて、それぞれの細かい力を見る事が出来なくなり、私たちの頭の中はさらに混乱しています。

今、何かの結果を残そうすればまず、お金が必要です。現代において一番わかりやすく、求めやすいのがお金という力でしょう。
技術や文化が未熟なうちならそれぞれの思いが力になり、手弁当で結果を得るための行動がありましたが、現在のようにビジネスが成長した時代に無報酬はあり得ません。
仕事に対しては正当な報酬が必要です。お金を得る事でそのお金をまた別の物へと形を変える事が出来ます。お金は腐る事もなく、非常に便利な力と言えます。

あまりに便利なものが現れると、ついそればかりが人気になり、やり取りをされるようになります。当然です。
お金が大きな石だった頃には持ち運ぶのは大変でしたが、今は給料も振り込み、エネルギーはそのまま、数字へと形を変えました。
画面に現れた数字を信用できるほど、私たちの脳は想像力を持つようになったのです。

平和な時、便利さは非常に嬉しいものです。
心も落ち着き、興味あるものへと集中は進みます。
ただ、私たちは心も身体、共にもつ存在です。
いつまでも、平和でいる事は出来ません。

今、心平和であっても、何があるかはわからない、それが人生です。
一寸先は闇、と先人は言葉を残してくれました。
しかし、今、その闇は随分と隠れ、準備をしておけば闇はやってこないぞ、という思いすら湧いてきます。

しかし、どれだけ闇を嫌っても、やっぱり、未来は何が起きるかわからないのです。
未来は決まっていない、というと、引き寄せの力を知っていれば、未来を確かに描く事で引き寄せてやる、と思うかもしれません。心的にはそれでいいでしょう。
ただ、肉体は衰え、死へと向かう、という確かな事からは逃げられません。

医療、美容業界もテクノロジーは進歩しました。
病気になっても、それを何とかする薬や技術が進歩しています。
肌だって曲がり角を迎えたって、それを補う実に様々な製品が生まれてピカピカつやつやさを維持させてくれます。
しかし、それもやはり、いつか、やってくる死には無力です。
この時、どんなお金も、どんな人気も、どんな権力も役に立ちません。人は等しく死という宿命を持っています。

平和になった現代では聞きたくない話はたくさんあります。
聞かなくてもいいものは放っておけばいいでしょう。しかし、肉体の死は必ず、やってくるのです。
ならばその死、老いとの付き合い方も知っておかなくてはなりません。
この時、「力」になるのが身体感覚です。
老いから生まれる変化が身体感覚を探るチャンスをくれるのです。

人の力や機械の力はお金で何とかなります。
頭の中のやりたい事も他者へと丸投げすればやってくれる会社はあるでしょう。
しかし、今、自分自身が何を感じているのか、それはお金では買えません。

いや、誰かが身体感覚診断として、その人が考えている事を数値化して渡すサービスをするかもしれませんが、それはもう、心の話。身体そのものからは離れています。

自分の身体は自分のもの。
自分が何を、どう感じているのかは自由です。
感じている事を発表しろ、と言われたら大変ですが、こっそり内省し、感じているものを見つけていけばいいのです。

そして、それを繰り返して入れば、そこに小さなスイッチがある事に気づくはずです。
感度を上げたり下げたり、五感的に変えてみたり。
そんな「自由」がある事がわかれば、もう、稽古の虜になるはずです。

今、世界中でこの感覚を得ているのは自分一人、と変な優越感が湧いてくるかもしれません(笑)。
どれだけ心からのお願いをされても、お金を積まれても、同じ感覚を得るのは不可能です。受け取る側に身体感覚を探る力が必要だからです。身体感覚とはこれ、という自覚がまず、必要です。

身体感覚というものさしに気づけば、多少なりとも、感覚の譲渡が可能です。人生においての全ての経験が身体感覚を磨いていく事に繋がります。人生から退屈がなくなり始めるでしょう。
感覚は他者へと映り、共有されていきます。これがまた、嬉しいのです。
きっと、無意識に才能として共感性を得た人は苦労をしているかもしれません。
ただ、それは身体感覚の扱い方を教わらなかったから、身体感覚にスイッチがある事を知らないからだろう、と思います。

激しく共感性があるなら身に着けるまでに相当の苦労は必要ですが、その分、人ととわかりあえない身体感覚という世界がある、という確信は得ているはず。その確信を武器に探っていけば、とてつもない「力」を得るようになるでしょう。

私はずっと、なんとなくで生きてきました。
感性、感覚、そこには全く自信がありません。
ただ、臆病さ、恥ずかしがり、そこにはちょっと感度があったのでしょう。今、稽古をしていけるのも、とてつもない臆病さがあるからだろう、と思います。

身体感覚は自分とは何か、と決めるものです。
金や人気、権力を得たいなら、外へと目を向け、他者と付き合う中でそれぞれの力はどんどんと増えていきます。
コンサルタントの力も借りれば、社会的になりたい立場になるための道筋を教えてくれるはず。
手順は示されます。後は、その手順を自分自身がやれるのだ、と強く思う事。そこに身体感覚の力が役に立ちます。

具体的にやりたい事があるなら、直接それを叶えてくれるサービスを探した方が早い時代です。
しかし、徐々に、たくさんの結果を得ても幸せになれないんじゃないか、と思う事もあるかもしれません。
権力や人気、お金を得ても、それを得続けるために繰り返しの作業が増えてくれば、どれだけ忙しくても、そこに退屈を見てしまうかもしれません。
まぁ、まさにそうなったなら、いよいよ身体感覚という世界を知るチャンスです。
私は好きなものが見つからない、という消極的な理由で始まりました。好きな事が見つからない、目的がわからない、という人にも身体感覚の自覚を目的にするのはおすすめです!

【不定期稽古のご案内】

「つくば稽古」
日時:2024/6/2(日)13:00-20:00
参加費:10000円(当日払い) 
会場:つくばカピオ リフレッシュルーム
住所:茨城県つくば市竹園1-10-1 

「東京ロングヒーリング」
日時:2024/6/4(火)10:00-17:00
参加費:24,000円(当日払い) 最大人数6名
※定員となりました。現在はキャンセル待ちとなります。
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号

「東京夜稽古」
日時:2024/6/4(火)18:00-21:00
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号
参加費:参加費10000円(当日払い)
同日10-17時にある「東京ロングヒーリング」に参加の方は5000円

共に詳細、申し込みはウェブサイトから。
http://www.karadalab.com/



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