【再定義シリーズ】 感応について その2

【世界観と感応】

感応について書こう、と決めてから随分と時間がかかりました。
それは感応が相手との間だけで起こるものではなく、世界や環境との間、また、未来や過去といった、現実では無いものとの間でも起こるからです。

感応自体は身体感覚のやり取り、交換です。それは間違いないでしょう。
ただ、それをそのまま説明する事に違和感がありました。身体感覚のやり取りだけが分かっても、それが「この先の稽古を一変するもの」には思えなかったからです。
私が今思うように学べば、私と同じだけ時間をかけてしまう事になってしまう、そんな怖れもありました。身体が見せてくれる世界はこんな程度のものじゃない!という思いがいつもあります。

感応は相手との間のエネルギーの交換。
主に触れる事でそれは大きくなります。触れる、という事から生まれる力はわかりやすい半面、痛みも伴います。また、感度を上げれば、皮膚の接触だけではなく、目が合うだけの事で生まれる身体の変化もあるでしょう。非接触だったとしても、そこには何らかの変化が生まれています。

さらに、誰もいない場所で、心の中にふと聞こえる小さな声で生まれる身体の変化もあるはず。感度が上がれば、どんどんと様々なものとエネルギーの交流が可能です。
身体感覚の面白さに気づき、感応する事がわかってくると、どんどんとその感度を上げたくなります。
私の人生はその感応感度を上げてきた人生だったとも言えます。

感度が上がる事で、世界は一変して見えるようになります。
見えなかったものが見えるようになります。これはミクロの視点を手に入れている事かもしれません。
虫のサイズになれば、それまでの世界が一変します。肉体が重く、窮屈だから感じていたストレスはなくなります。
次々とやってくる新しい感覚に本当に楽しく過ごす事が出来ました。
ただ、楽しいがゆえに、「世界観のアップデート」という点がおろそかになっていた事に気づきました。

つい最近、長年、何十年も心の中に残っていた迷いに答えを得る事が出来ました。
その気づきとは、
「この世界はだいたい空」
という気づきです。

「この世界はだいたい空」、それに気づく事が出来たのは、身体感覚とは何か、と改めて考えるきっかけを得たからですが、結果として、それが自分が見て聞いて感じている世界の外に、過去や未来の影響がある、とわかりました。
世界観がアップデートされたのです。

新しい世界観は「空」と「空じゃない部分」に分かれている世界。
陰陽のシンボルのように、二つの世界が混じる世界になりました。そして、自分が今いる世界が陰陽どちらか、というのではなく、その「境界線」にいる、というのが新しい世界観です。

世界観が変わる事もある、それはわかっていたつもりでしたが、稽古で得られる感覚はいつも、想像を超えてきます。
自分が境界線にいて、外に空と呼びたくなる世界が広がっていました。これを知らずに、知らないからこそ求められず、これまでは身体感覚を探っていたわけです。
身体感覚の精度が上がれば、見つけられる世界が増えていきます。感度が上がれば世界を一変させられる、この点は強く、お伝えしておきたい大切なところです。

この経験で、感応作用自体を改めてフラットに見直す事が出来ました。
感度を高める欲求に縛られ過ぎていたのだ、とも気づきました。
感度を求めず、ただ、そこに「いる」という事に時間の矢印を向ければ、相手との間に生まれるエネルギーではなく、「場のエネルギー」が見えてくるようです。
「場」を見る余裕、それを持つ事が「世界観」と向き合うきっかけになると思います。

【つくば稽古予定】参加受付中


9/11 つくば稽古
つくば稽古では、主に「怪我の功名」について、詳しくお伝えしたい思います。座骨と心臓、そして、そこから胎児の感覚、魂の感覚、もう大変です(笑)。気楽に、興味本位でご参加ください。
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