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最近おもしろかったもの:「スイッチ」「ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから」

最近触れておもしろかった2作品。
どっちかで単独の記事を書こうと思いましたが無理でした。

坂元裕二「スイッチ」


明日(7/5) までTVerで見られるみたいです、見てない方急いで!

あらすじ
横浜地検みなとみらい支部の検事・駒月直(阿部サダヲ)と、横浜ゴールド法律事務所の弁護士・蔦谷円(松たか子)は、学生時代から7年間付き合っていた元恋人同士。別れた後も、お互いに恋人ができると紹介しあう食事会を開いたり…と腐れ縁を10年以上続けていた。

坂元裕二作品直近の「Living」があまりピンとこなくて、自分が変わっちゃったのかと心配していたのですが今作は最高!


細部の会話が楽しすぎて、自分の集中力がググッと高まるこの感じを味わえるのは坂元裕二作品だけですね。この人が言ってることをなんとか受け取り切りたい!といつも思ってしまいます。


「ねえ、止まっている時計と1分遅れている時計、どっちが正しいと思う?」
「なんの話でしょう」
「止まっている時計は、止まっているけれど1日2回正確な時刻を示すでしょう?後者はその間違いはごくわずかだけど一日中ずっと狂ってる」


オープニングからこんな調子の「なんか言ってそう〜暗示してそう〜」となる会話を「くぅ〜」と思いながら観るのが楽しいです。


僕は生まれ変わったら坂元裕二の登場人物になりたいと思っているのですが、今回もまたその思いを新たにしました。

複雑なものを複雑なまま受け止めて、しかもそれをユーモラスに表現できる人になりたい。




アリス・ウー「ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから」

(ネットフリックスって作品ページを共有できないんですね、初めて知った)

あらすじ
アメフト男子に頼まれて、ラブレターを代筆することになった成績優秀なエリー。お陰で彼との友情は芽生えたけれど、彼と同じ女の子が好きな心の内はかなり複雑…。


「ラブレターの代筆」「LGBTテーマ」「三人ともシリアスな表情のポスタービジュアル」といった要素から重苦しい感じの話を想像していたのですが、めちゃくちゃ爽やかポップなティーン映画でした!

ポスターが曇り空の理由がほんとにわかりません。
絶対青空の感じなんだけどな。


とにかくテンポが良くて、15分見たら後は最後まで見られると思います。

ラブレターの代筆を頼むアメフト男子と、それを書く主人公の女の子は外から見れば恋敵になるんですが、ただの恋敵ともただの友達とも言えないような関係が最高でした。


なんだかもうアメリカのポップカルチャーは「LGBTQを認めよう」とかいう段階から次の段階に進んでいる感じがします。


それらを当然の前提として、それを認めるからこそ生まれる葛藤や新しい人間同士の関係をすくいとろうとしてるような。


例えばレズビアンの人にとっての男性との関係だってそこには多くのグラデーションがあるわけで、そういうまだ名前のついていない関係性を取りこぼさずに描写していく段階なんだなと実感しました。


邦題の「面白いのはこれから」はあんまり意味はわからないんですが、でもこれからそういう今まで描かれてこなかった人間のグラデーションを描く作品が増えていくのなら、確かに「面白いのはこれから」かもねと思います。



「はちどり」と「ストーリー・オブ・マイライフ」のことも書きたかったんですが疲れたのでやめます。どっちもめっちゃおもしろかった!

サイトウでした。



@いえもん
なんだか理想の仕事話で羨ましくなっちゃいました!素敵!
おれはまだそういうのないなあ。
ガッツポーズしたい、5年くらいしてない。

@きっちゃん
いつも話聞いて想像してたのの5倍くらいストイックな楽しみ方だったのね、山!
山に登り始めた経緯すごい気になります!


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