「シン・エヴァンゲリオン」をクソ客の隣で見てしまった。
内容に深く触れるつもりはありませんが、見てる前提で書いています。ご注意ください。
金曜日、ようやく「シン・エヴァンゲリオン」を見られた。
クソ客の隣で見てしまい、どうしても納得が行かないのでここで成仏させて欲しい。
TVシリーズの「エヴァンゲリオン」はリアルタイムで見ていなかった世代だが、新劇場版はモロに世代である。
中学の時に新劇場版「序」が公開、高校にかけて「破」「Q」が公開ということで、思春期ど真ん中にガッツリ「エヴァ」を浴びた。
この過程で当然のようにTVシリーズ、旧劇場版も観賞した。
どう考えても人格形成の一部に「エヴァ」は含まれている。
そんな「エヴァンゲリオン」の満を持しての完結編である。
普通の映画を見るのとは気持ちの入り方が違う。
金曜日、残った仕事を見ないふりして早めに上がった僕は、いそいそと映画館に向かった。
平日浅めの時間にもかかわらず、劇場はほぼ満席だ。
上映時間ギリギリに劇場に滑り込むとすでに隣の席に人が座っていた。
自分と同世代くらいの男二人組。
ふたりともポップコーンのLサイズを抱え、談笑しながらバクバク食べている。
後ろにお客さんもいるのに、男のひとりはキャップを浅く被ったままだった。
「こういうタイプの人もエヴァ好きなんだなあ」と思いながら自分の席に座る。
予告編が始まってもふたりの談笑は止まらない。
「ゴジラVSコング」の予告中、「こういうのはファンが多いからどっちかを勝たせるのが難しいんだよねえ。決着つかないと思うよ」という1000回聞いたことがあるコメントの1001回目をデカめの声量で発していた。
ここまでのふたりの行動は、イケ好かないものの特に問題のある行動でもない。
ポップコーンを爆食いするのも、本編始まる前に友人と談笑するのも別に問題はない。
本編中静かにしてくれるのであれば。
本編が始まってもふたりの会話は止まらなかった。
本編先付けの「これまでのエヴァンゲリオン新劇場版」では逐一その当時の思い出を語っていた。
トウジが登場した時には、ひとりがトウジが誰なのか忘れたらしく、トウジが誰なのか一生懸命解説していた。「あ〜、あいつか!」。
当然のようにスマホの電源は切っていないし、何度か通知の内容を確認していた。
ご存知の通り、「エヴァンゲリオン」は「エヴァ」という作品、ひいては庵野秀明とのシンクロ率をいかに上げられるかが楽しむ際のポイントである。
にもかかわらずぼくは、噴き上がる隣のふたりへのイラ立ちに、明らかに作品への集中力を落としいた。
「ダメです!シンクロ率が、二桁をきってます!」と自分の中のマヤが叫ぶ。
劇中では登場人物たちがどんどん大人になっていった。
セカイ系と呼ばれた閉じた世界の外、社会の中で回復していくシンジ。
交わらなかった視線がついに交わり、対話に望んでいくシンジと大人たち。
徹頭徹尾自意識の話だった「エヴァ」が社会に開かれていく。
隣の席に向けて今年最高強度のATフィールドを展開していたぼくは、序盤のシンジよろしく頭を抱えてうずくまりたかった。
「おれ今その境地にいけねえ…!」
中盤以降は大人しくしていたふたりだったが、エンドロールが始まると作品も終わったとみなすタイプらしく、どデカ声量の会話とスマホチェックが始まった。
そして「総監督・庵野秀明」が画面に表示された瞬間、ひとりがそのスクリーンを写真に撮り、さっさと劇場を出て行った。
マナー違反のロイヤルストレートフラッシュ。
TOHOシネマズのマナーCMが24時間脳に流れ込むタイプの地獄に落ちてくれ。
あの時どうするのが大人の対応だったんだろうと昨日から考えている。
大人になったシンジくん、君ならどうしていたんだい…?
ーーー
@いえもん
なんで今飲みにいけないんだよ!!
とにかく話聞きたいっすね。
@きっちゃん
前に映画館での音について書いていた時、「声も盛り上がりの一つ」とか腑抜けたこと言ってごめんね。
昨日からぼくも映画観賞マナー過激派に転向しました。
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