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私たちの暮らしはクスリで変わった…
必要なクスリ、要らないクスリ。
それでもクスリで私たちの暮らしが変わりました。
それを実感させてくれる、そんな本でした。
クスリには詳しくない、素人の私の目線で感じたことを書いてみます。
クスリの歴史は戦争の歴史でもあった。
感染症で命を落とす兵士が多かった、と書かれていました。
何とかして感染症を防ごう、そこから薬が生まれていきました。
今では当たり前なことでも、当時では少しの傷でも治療により悪化させることが多かったと思われます。
薬によって感染症を防ぐことはできるようになりました。
菌が学習し、すぐに対策してくる(耐性菌の発現)メカニズムはわかっているのでしょうか。彼らは言葉という伝達手段を持っているわけではありません。なぜ、危険(=薬剤)を察知し、対策を立てて仲間に伝えることができるのでしょう。
ここで、私の昨年のベスト本を思い出しました。
ことばを持たない木が、会話し、ネットワークを構築していることが書かれています。
人は弱い生き物かもしれない。
やっぱりとは思ったけれど、麻薬関連の歴史とお話に相当の頁が割かれていました。
日本では(表向きは)あまり目立っていないと、まだ思います。
以前、データ解析用途でサンプルの実データを探していたことがあります。
シカゴ警察の犯罪データがオープンデータとしてダウンロードできるんですね。驚きました。
地図上に犯罪位置をマッピングしていくと、すぐに塗りつぶされてしまいます。窃盗も多いですが、どの路地も麻薬犯罪で溢れています。
薬と言っていたものは低分子薬のことだった。
いままで、視野は狭かったと思います。
低分子と高分子は雲と泥ほど違うものですよね。
菌とウィルスも混同されがちですが、全く違うものです。
マスクでウィルスは防げるか?
これは、網戸のメッシュを野球のバックネットに変えてどれだけ蚊の侵入を防げますか? と言っているようなもの。
菌とウィルスも、低分子薬と高分子薬も、網戸とバックネットも、大きさも性質も全く異なるものです。
いまはこうした新しい薬の開発に期待がかかっています。
よくわからなかったけれど、そんなすごい時代が、権利(=特許)の切れる2024年以降に、お安くなって庶民のところにでてくるかもしれません。
36%低下させる…数字のカラクリ。
”ある雑誌に掲載されていたリピトール(ベストセラーのスタチン)の広告には太字で〈リピトールは心臓発作のリスクを三六パーセント低下させる〉というタイトルがついていた”
これにはずっと小さな字で脚注がついていて、こう書かれていた。
*大規模な臨床研究において、プラセボ(偽薬)を服用した患者で心臓発作が起こったのは三パーセントであったのに対し、リピトールを服用した患者では二パーセントであったことを意味しています
したがって、コレステロール値の高い患者〇千万人に10年間、この薬を飲ませるようにすすめてみよう、そうすることで製薬会社にとってそれは大きな金の成る木となる。
有名な「竿だけ屋」さんの本を思い出しました。
数字は作られるのです。場合によっては読み手に誤解を与えることを見越して、悪意をもって。
有意差は本当にあるのでしょうか。あるとすれば飲むことによる効果とリスク・費用を勘案して、メリットがあるといえるのでしょうか。
筆者は否、と判断して飲むことをやめています。(筆者は医者です)
薬を飲んで安心していませんか?
「薬を飲んでるから、多少の無理は大丈夫さ」
思ってしまうのではないでしょうか。
例として、”ステーキの上に厚くバターを塗る”、が挙げられていました。
薬を処方することによって、処方されたほうのグループのほうが肥満率が上がった、と書かれています。米国の調査かもしれませんが、さもありなん、と感じたのは私だけでしょうか。
30%の効果のみ込まれる薬(嫌味ですけど)を飲むことによって、安心・慢心して食生活が乱れてしまっては本末転倒、ということですね。
薬を飲まずに、食生活に気をつけて適度な運動を心掛ける。
そうすることで、こころも体も軽くなることでしょう。
とはいえ、薬でいろいろなものが治る時代になった。
病院で、診察を受けて、”はい、では〇〇さん、お薬だしておきますからね”、と薬を出して終わり、という時代にいつの間にかなっています。私だけのきのせいかもしれないですが。
でも大学時代に、薬学部に行った友達の言葉が忘れられません。
西洋医学の治療は、症状を治すだけなんだよね~。湿疹ができたら、湿疹を治療する薬を処方するけど、原因を追究していない。内臓に問題がある場合もあるかもしれない。全体が体をみないと・・・
番外:X線回析
あまりにこの間違いが多い(この本だけでなく、世の中一般的に)。
しいていうなら、X線解析なんだろうけれど、それもX線回折(かいせつ)結果を使って解析することになるものなので、それを混同しないでくださいね。
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