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ネパールとニットとkapuwa

手編みのニットアイテムというと、どのブランドもネパールで作られているものが多く、kapuwaのニットアイテムもネパール産ということに特に疑問を持っていませんでした。

でも、そもそもなんでkapuwaはネパールにニット生産をお願いしているんだろう?インドのお隣だから頼みやすかった?ネパールには巨大なニット工場があるのかな?
不思議に思ったことはなんでもデザイナーに聞いてみましょう。

「なんでkapuwaのニットはネパール産なの?」

私はてっきりネパールといえばそこかしこにニット工場があって、ニットで一大産業を築き、良い品を安価に作れたりするのかなと思っていました。
そのことをそのままデザイナーに伝えると、

「そもそもネパールには産業がない」
という意外な返事が返ってきました。

kapuwaは主にインドで服作りをしています。
ニット製品だけはそのお隣のネパールで。
インドとネパールは近隣ですが、宗教が違うせいか街の雰囲気も人間性もまるで違います。

デザイナーaikoが言うにはネパールの人はほんわか。インドの人も優しいけれどもう少し商売っ気がある感じだそう(個人の感想です)。

ネパール
街も素朴なかんじ
お肉も食べられます。餃子のような形の食べ物はモモといってネパールランチの定番。
バッファローの肉が入っているのもあるのだとか

男性のしごとは農業をはじめ、織り、ミシン、刺繍など多岐にわたりますが女性は編み物。kapuwaのニットを編んでくれている方は全員女性です。
女性が編み物を始めたのには何か理由があるのでは?と思ったのですが、
デザイナー曰く特にないそう。

ただ、編み物は料理と同じくらいネパール女性の家事必須スキル。
山岳地に住んでいると山を降りるのも大変なので、自分たちが着るものを編んでいたのかもしれません。
村の女性たちが集まっておしゃべりしながら編み物をして。毎日の生活の延長がしごとへとつながっていったようです。

素朴な土地とおおらかな人柄。
生活の中につねにある編み物の文化。
ネパールのニットのどこかほっこりとした雰囲気は、こうした空気が作りだしているのかもしれませんね。

外でも編み物
いつでもどこでも編めるのが編み物のよいところ

ネパールにはいくつかの村があり、村ごとに編み物の得意分野があるのもおもしろいところ。
kapuwaではデザイナーのデザインをもとに、パートナーであるネパールの工場オーナーが製作に最適な村を判断。さまざまな村へ仕事を与えています

完成品はオーナーが直接村へ出向き、回収。オーナーの工場で検品をします。

使用した毛糸の色落ち検査中。水がこぼれているのが気になるところ

こうして検品が終わったニットは日本に送られます。

そういえば、数年前に日本に到着したニットの首周りがどれもやたら小さいことがあって、ちゃんと検品しているのか疑惑が出たのですが編み子さんたちは編むときにちゃんと首が通るサイズか確認していたとのこと。

そうです。ネパールのみなさん小顔で頭周りも小さいんです。
そんな楽しいエピソードもありつつ、試行錯誤を重ねたデザインとクオリティは日々進化。毎年ネパールからニットが届くのを楽しみにしています。

23AWの新作ニットももうすぐ届きます

ネパールは人口が少なく、最近の若い人は海外へ行ってしまうことが多いそう。
産業もまだまだ少ないので、これからも継続して安定的なしごとを依頼できるようkapuwaも頑張っていきたいと思っています。


ハンドニットコレクションはこちらから♩

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