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顧客との距離感を見極める。DtoCマーケティング

 第7章【タイミング編②】DtoCマーケティング。前回に引き続き、タイミングの種類と、活用方法を解説していきます。

 前回はライフサイクル×短期・長期について解説しましたが、今回は、顧客との距離感×短期・長期について解説します。

 前提として、距離感とは、お客様との親密性を指します。お客様との最初の接触からの期間が長くても距離感は近いとはかぎりませんし、逆もしかりです。


3.顧客との距離感×短期

 まずは短期の方からです。認知から検討、初回購入~直後までのサイクルを指します。マーケティングではよくファネル分析を用いて解説されるところです。

 ただ、あまりファネルを意識すると、具体的な施策やツールに捉われてしますので、ここでは、その前段階の部分、お客様に「どのように知ってもらって」、購入されるまで親密になるには、「いつ、どのように距離を縮めるべきか」、ということを中心に解説したいと思います。

 さて、この期間は、業界によって、そのサイクルの長さはまちまちだと思います。

 例えば高額の家具であれば、検討期間が長くなりますし、日用品のように認知からすぐに購入される商品もあります。

 その期間をふまえて、ゴール=購入から逆算して、お客様とどのようにコミュニケーションすべきか設計をしていきましょう。設計というとビジネスライクですが、お客様をひとりの人間として想像してみてください。

・まず最初に何を伝えるべきか
→商品名? 価格? 効果? 機能? メリット?

・次に何を伝えるべきか

・再び会うときに何を伝えるべきか
→迷いそうなポイントに対する答え?

・購入しそうなタイミングで何を伝えるべきか
→お得な初回割引があること? 定期の方がお得なこと?

 上記は、順調に距離が縮まっている場合です。実際には、その距離が離れる場合もあります。

・最初に会ってから音信が不通のとき何を伝えるべきか?
→お得なセットを用意したこと? どれくらい検討しているか聞く?

・買い物カゴに入れたのに、放置されている場合は?
→単なるリマインド? 他に似た商品もおすすめする?

 あくまで、こちらは例になります。実際には、何度もテストしていく中で、お客様としっかり距離感が縮まる方法が解明されていくと思います。

【余談】鉄は熱いうちに打て。
購入直後は、実はかなりのチャンス。お客様の気持ちが盛り上がっていて、かなり距離感が近い可能性が高いです。クロスセルや定期コースへの転換を積極的にオファーしましょう。「ポテトも一緒にいかがですか?」と同じ手法です。例えばEコマースであれば、カート画面や注文完了後のメールなので、オファーをするのがお勧めです。



4.顧客との距離感×長期

 次に、実際にご購入いただいた後のコミュニケーションになります。同様にひとりの人間として考えていきましょう。

・買った後、何を伝えるべきか。
→お礼? 商品の使い方を改めて? クロス商品?

・買って〇日後に、何を伝えるべきか。
→商品を使った感想を聞く? お困りごとがないか聞く?

・継続的に、何を伝えるべきか。
→新商品? お得な情報? 商品の良さ?

・買ったあと、しばらく買ってない場合、何を伝えるべきか?
→新商品? ご不満な点がないか聞く?

・定期コースを解約する際に何を伝えるべきか?
→これまでのお礼? 理由を聞く? お得な価格プランが消滅すること?

【余談】商品特有のタイミングがある
例えば、携帯電話は買い替えサイクルが2~3年だと言われています。そうすると、ご購入されてから、2~3年後は再びご購入いただけるチャンスがあるということです。このチャンスを逃さない手はありません。他にも、化粧品であれば、1本の使用期間が30日間だとすると、購入後20~30日にアプローチすれば、やはり再度ご購入いただけるチャンスを得られることになります。


 これまで記載した内容は、あくまで例になります。自社の商品・サービスにおいて適切なタイミングというものを洗い出してみてください。そのうえで、短期・長期においてお客様と近しい距離を保つためのコミュニケーション設計の参考にしていただければ幸いです。

 さて、設計ができたあとは実践となりますが、長くなるので、今回は簡単に。

 DtoCの世界でコミュニケーションを実践する場合は、メール、レコメンド、アプリプッシュ、SNS、ダイレクトメール、など様々な手段が考えられます。例えば電話のように、一気に距離が縮められる一方、逆に一気に距離が離れる手段もあります。

 お客様との現状の距離があって、どの程度縮めたいか、何をどれくらい伝えたいか。また、そのお客様はどれくらいのボリュームがいるのか(どれくらいの手間をかけるか)、を考えながら選択していきましょう。



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