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7歳の息子が最近覚えた漢字は 「最強の剣」だ。 その漢字の使い道は 現実世界では思いつかないが、 覚えたことには、驚くばかりだ。 私が子どものころ、漢字を覚えたのは 本か漫画だった。 何度も繰り返して読んでいるうちに いつの間にか読み書きを覚えていた。 今の子どもたちはゲームやYouTube。 漢字を絵として捉えて 前後の文脈でなんとなく読もうとする。 当然間違えるときもあるのだが、 私が本で漢字を覚えた方法と同じだ。 これが「読み」。 そして、今度は「書き」。
テレワークになってから 「いってらっしゃい」と 言われた記憶がない。 むしろ学校や幼稚園に行く子どもたちに こちらが「いってらっしゃい」と 言っている。 2階にある私の仕事部屋。 パソコンと仕事用の書類しかない、 小さな部屋だ。 朝、その部屋でメールの確認など ちょっとした仕事を終えると、 長男が学校に行く時間。 1階に降りて「いってらっしゃい」と 見送る。 その30分後、今度は次男が 幼稚園に行く時間。「ばいばい」と見送る。 次男は「また遊ぼうね」と手を振る。 それ
今回のお話は、『マインクラフト』、略して『マイクラ』というゲームを知らないと話がわかりづらいこと、ご了承ください。 二人の子どもがマイクラという ゲームに夢中だ。 このゲームは他のゲームと違って、 プレイヤーが自由に行動するゲーム。 建物を作ったり、フィールドを冒険したり、 アイテムを集めたり、地下を探検したり。 私も子どもと一緒に始めたのだが、 やりたいことが多すぎて、 あっという間に時間が経ってしまう。 決められたゴールがない分、 子どもはすぐに飽きてしまうと 思
子どもをお風呂に入れるのは、 私の担当だ。 毎日、まず自分ひとりでお風呂に入り、 体を洗ってすぐに、 二人の子どもを順番に呼ぶ。 体と頭を洗ってあげて、 湯ぶねにつからせる。 二人が湯ぶねに つかったところで、ひと段落。 お風呂用のおもちゃで遊ぶ 二人の子どもを横目で見ながら、 私は先にお風呂を出る。 バスタオルで体をふき、 ドライヤーで髪を乾かす。 これで自分のお風呂は終了。 次は子どもの番。 ここから、またひと仕事。 なかなかお風呂を出たがらない、 二人の子ども
子どもの成長を見届けていると、 「どこかで似た景色を見た気が」という、 デジャヴ(既視感)に捉われることが 何度もある。 子どもの歯が抜けたとき。 子どもが朝顔を育てているとき。 子どもが自転車に乗れたとき。 子どもが宿題をしているとき。 全部、二度目の景色のような気がする。 なんのことはない、 自分の子どもの頃の姿を重ねてしまうのだ。 そのときの仕草が、 我が子だけあって 自分と似ているからだろうか。 いや、たいていの子どもは同じ仕草だろう。 それでも、デジャヴに捉わ
長男は文字をおぼえるのが早かった。 役に立ったのが、お風呂で使える 数字やひらがなの表。 裏側を濡らすと、 ペタッと壁に貼れるやつだ。 ふたりでお風呂に入ると、 それを一緒に読んだ。 欠点はすぐにカビが生えるということ。 何度か買いなおした記憶がある。 ただ、そのかいあって、いつのまにか、 数字やひらがな、アルファベットまで 読めるようになった。 ところが次男は、なかなかおぼえない。 数字ひとつとっても、 「いち、に、さん、ご、ろく、なな」 「さんの次によんが抜けたか
父は仕事の関係で海外への出張が多く、子どもの頃あまり遊んだ記憶がない。 ただ、たまに帰ってきたとき、無言でキャッチボールをした記憶は鮮明にある。まだ私は小学生だったと思う。野球はあまり上手ではなく、父のかまえたミットになんとかボールを投げてやろうと必死だった。 しかし、ボールは無情にも父の頭の上を超え、父がボールを拾いに走っていく。自分の下手さを不甲斐なく思った。父は手加減して私に投げかえす。ときおりワンバンドを投げてくる。夕闇の中、そのボールを必死に取りに行った。 映
子どもは生まれてきてから、何度もデビューをする。 初めての入浴。 初めての食事。 初めての公園。 付きそう親も初めての経験だ。 子どもと一緒に入浴。 子どもと一緒に食事。 子どもと一緒に公園。 少しの緊張感と高揚感が、そこにある。 「お父さん、この映画見たい」 5歳になった長男が、テレビのCMを見ながらつぶやいた。まだ公開中の映画だ。これまで映画といえば、テレビかDVDだった。 映画館デビューか。 次男はまだ2歳。映画館に連れていくことは厳しい。そこで妻と相談し、私と
子どもが大きくなったら 一緒にお酒を飲みたい。 息子を持つ、お酒を飲む 父親なら誰しも思う夢だろう。 20歳か。大学生になっているはずだ。 まだあまり飲めないかもしれない。 最初はビールじゃないかもな。 サークルの話か、アルバイトの話か、 彼女の話か。いや、近々迫るの就職の話か。 ちょうど人生の岐路の話が 聞けるかもしれない。 就職してからが本番だろうな。 仕事のこと、上司のこと、キャリアのこと、 私の息子のことだ、 きっと悩んでいるだろう。 文字通り親身になって答えて
「奇跡ですね」 私の子どもが2人とも対外受精だというと、 そう言われることがある。 最初の子どもが流産したとき、 落ち込んでいる妻に見られないように、 布団にくるまって泣いた。 子どもを作ろうと二人で話しあい、 それから間もなく妊娠。 なんの問題もなく子どもを 授かると思っていた矢先の出来事だった。 すでに妻は30代後半、高齢出産になる。 次こそはと臨んだが、 なかなか授かることはなかった。 二人とも検査は受けたが問題なかった。 時間ばかりが経過し焦ってくる。 そんな
「明日、幼稚園のお迎えお願いできない?」 妻のひと言にしめたと思った。 息子が家の外でどんな風に過ごしているか 見られる機会だからだ。 私の次男坊は、 いつも家だと歌ったり踊ったりと 陽気な一方、 機嫌が悪くなると、 大きな声でわめきちらす。 片付けが苦手なのは長男と一緒なのだが、 妻に怒られても、平然とテレビを見続ける、 ふてぶてしさを兼ね備えている。 甘やかし過ぎたのかもしれない。 私自身、次男ということもあって、 どうしても同じ次男の方を 可愛がってしまう。 買
中学生1年生くらいと 小学校高学年の兄弟だろうか。 親は一緒に来ていないらしい。 店内には他にもお客様がいたのに、 なぜその兄弟に目にとまったかといえば、 私にも二人の男の子がいるからだ。 私の子どもは6歳と3歳。 家で退屈そうにしていたので、 Nintendo Switchを買ってあげた。 長男は小学生ということもあり、 「まだ早いかな」という不安を他所に、 大人がやるようなゲームも楽しんでいる。 かたや次男は、 どうもルールすら理解していないようだ。 長男がプレイする