基本方針をどう定めるか
全面的なリモートワークへの舵を切る判断をしたのは3月25日(水)。
その日に何かがあったというよりも、翌日が月に一度の経営会議であり、年度末の大事な議題が目白押しだったため、その準備に忙殺されていたのですが、
・・・いやまてよ、いまはこれらよりも優先すべき意思決定があるのではないか、と自問自答しはじめたのがきっかけでした。
COVID19の情勢は注視していて、2月の頭から対策室を設けて情報を集約し、また、よく相談される資金繰りや労務、キャンセル問題などについての特設ウェブサイトを設けて情報発信を行うなどは積極的に行ってきていました。
新型コロナウイルス関連法律情報提供サイト
https://legalcommons-covid19.jp/
しかし自分たちの足元の問題として、決断を伴うイシューとして強く意識したのはこのタイミングでした。
経営会議までの時間も限られることから、考え方の筋道、基本方針を提示して、詳細については対策室に任せてもらえるよう意思決定を行いたいと思いました。
そこで反射的にひねり出した基本方針(案)
1.メンバーの安全を第一に
2.突然の感染者発生などで、コントロール出来ない形で業務がストップすることを避ける
3.一定の生産性の低下は甘受する
1については異論の出ようがない大原則で、ここは当然みな了承。
問題は2で、COVID19のリスクについての認識は、弁護士によっても大きく開きがありました。
その認識の開きを前提に、一つの結論を導くことは非常にタフな作業です。
オーナー企業のように鶴の一声で何でも決められる会社ならともかく、経営の意思決定に合意形成が必要な会社では、同じ壁に直面しているのではないかと思います。
うちの事務所が意思決定できたポイントは、COVID19そのもののもたらす健康被害についての認識の点に踏み込まず、
いま現在、COVID19によってもたらされている社会的混乱の大きさや、いま事務所のメンバーに感染者が発生したときに生じる対応コストの大きさ、制御できない形で業務がストップしてしまうことのリスクに絞って議論を行ったことではないかと思います。
3についてはいまもって明確に議論できていませんが、真剣に対応しようとすればするほど、リソースやコストも必要となり、また、既存の業務処理の流れと異なるため、生産性の落ち込みは避けられません。最終的には2のリスクと3のコストを天秤にかけて、できる限り生産性の落ち込みを限定的なものにとどめながら、とるべき措置はしっかりと取っていくというほかないのかな、と思っています。
経営責任を明確にして、決断することが求められます。
経営会議で議論の末、無事に基本方針は承認され、詳細については代表であり対策室長も兼ねる私が一任を受けました。
そこから、いきなりの全面テレワーク導入へと向かう長い一週間がはじまりました。
今日はこのへんで。
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