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思うは招く。

だいぶと前の事ですが、ふと見たTEDの動画プレゼンで植松努さんが、仰っておられた内容に「思うは招く」ということがありました。
植松さんは中小企業の社長をしておられ、子供の時に宇宙を夢見て、宇宙について語っていると、学校の先生や大人たちから「どうせ無理」という一方的な遮断を受けて、非常に悔しい想いをされたという内容の事でした。

私は公認会計士と税理士の資格を持って会計事務所を運営しているのですが、「会計士コンプレックス」というものがあります。
それは、「事業をしていない」ということです。
私たちの業界の方は結構このコンプレックスを持っている人たちが多いのではないかと思います。また銀行や証券会社・投資ファンドの人たちも「事業をしていないコンプレックス」を持っている人たちは多いのではないかと思うのです。

卑下している訳ではなく、我々は財務的な視点から「他の会社や社長」の将来性や安全性、能力を評価したり、将来的な事業計画や資金繰りを予想したりする仕事が多く、それらには根拠が求められ、その根拠の一番の根本には通常考え得る常識というものがまとわりつきます。
しかしながら、我々には店舗を運営したことも無ければ、独立して事務所をやっていない限り、人を雇ったことも育てたこともありません。連帯保証して借金して投資したこともありません。売上を稼いだことも、売上が急成長してウハウハになった経験も無いのです。
そんな経験の中で通常こうなるという「思い込み」の中で会社や社長の将来を予測していることになります。
また、表向き「先生」などと言われてはいるものの、「事業をしていないコンプレックス」を持っているため、違和感を覚えることもあるのかもしれません。

我々は、そんな無知の状況の中で、社長と会話し、会社の成長戦略などを考えていく立場にあるわけです。

今思うこのコンプレックスとの向き合い方、と言うよりは、無知な自分と世間が求める能力のバランスのとり方は、
①無知であることを理解し、常識や通常こうなるという平均的な評価で人や会社を裁かない、批評しない
②資金繰りは必ず保守的に判断する
③社長と会社の可能性を信じる
④とは言え、概ね常識を超える成長はほとんどない
ということを理解してバランスを取ることかと思っています。

自分の評価でダイヤの原石を奪ってしまう事にはならないように気を付けたいと思いました。

また行きます!!