【アマゾン】アイロボットの買収で家庭の間取りデータ取得へ
みなさん、こんにちは
大槻亮太です。
アイロボットが、アマゾンによる17億ドル(約2,300億円)での買収に同意したと両社が発表しました。
この買収が承認されれば、アマゾンはルンバの所有者の自宅の間取りのデータを手にすることになるのです。
1990年に創業したアイロボットは、当初は米軍用ロボットの開発を手がけていましたが、2002年にロボット掃除機「ルンバ」を発売して家電分野にも進出しています。
ルンバがうまく機能できる理由のひとつとして挙げられるのが、センサーを用いることで家庭の間取りを把握していることです。
アイロボットの最高経営責任者のコリン・アングルは、この間取りのデータをスマート家電やAI(人工知能)アシスタントを手がけるテック企業と共有する可能性を示唆していたそうです。
監視をすることで取得する個人情報
このアイロボットのデータと、アマゾンが過去数年で買収してきたその他の企業のデータと合わせることで、アマゾンは人々の自宅で何が起きているのかをさまざまな角度から把握できるようになります。
アマゾンは、18年にはビデオカメラ付きドアベルのリングを買収し、翌年にはメッシュWi-FiルーターのスタートアップのEeroを買収。
さらに22年7月、プライマリーケア(一次医療)サービスを提供するワンメディカルに34.9億ドル(約4,700億円)を投じて、すべて現金で買収することで合意。承認されれば、アマゾンは数百万人の医療データを手にすることになります。
また、数千もの警察署や消防署と提携しているリングは、捜査令状なしでも自宅の動画を司法当局と共有していたことを22年7月に認めています。
たった1社が人々についてこれほど多くのデータを握っていると、司法当局や政府がアクセスを求めた際に、その1社が起点となって民主主義や人権が崩壊する恐れがあるという指摘もあります。
これまでアマゾンは、データのプライバシーに懸念を抱く人々が心配になってしまうような多くの技術を開発もしてきました。
アマゾンは、家庭用ロボット「Astro」を21年10月に発表。
これまでのところアマゾンの家庭用ロボットは、複数台を同じ家庭で使用した場合に相互連携して動きを調整するようなことができませんでした。
ですが、これに関しては階段を上る機能や、別々の階に配置されたAstroの間で動きを互いに調整する機能が含まれるといいます。
アイロボットの買収が承認されれば、アマゾンはAstroが一般家庭に浸透するまでもなく、多数の家庭からの間取りのデータを瞬時に手にできることになるでしょう。すでにアマゾンは、アイロボットを買収しなくても人々の生活のほぼすべての部分を握っています。
人々が何を食べるか、何を買うか、何を視聴するか、何を読むか、そしてどの処方薬を服用しているかといった個人情報を、すでに追跡しているのです。
そして近いうちに、人々の自宅の内部を隅々まで把握することになるのかもしれないとうい状況。
これだけ聞くと少し怖いですよね。
どのような機器を身の回りで使用するのかは、考えたほうが良さそうな気がします。
かくいう私は超アナログ人間なので、電子機器をあまり利用しておりません。
便利すぎるということにもメリットとデメリットがありますしね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?