見出し画像

ビジネスと社会貢献の境界線を考えてみる

こんにちは。深井喜翔です。
木の実由来のファッションブランドKAPOK KNOTの代表を務めています。
今回は、ビジネスと社会貢献の境界線を考える内容です。

KAPOK KNOT × Fumi Nikaido

昨年、大きな反響をいただいた "KAPOK KNOT× Fumi Nikaido"のコラボレーションですが、実は売上の10%を寄付するというチャレンジングな取組です。アパレルの売上から寄付といえば、私もリスペクトしてやまないブランドPatagoniaさんが、毎年1%を寄付されています。
(Patagoniaさんのグローバル売上の1%ってとんでもない額だ。。。)

この辺りの前提をご存じの方は、前半は読み飛ばしてくださっても結構ですが、改めて大事なことを伝える場として、今回のnoteを活用させていただきます。

取材いただいた記事の一部

なぜこのnoteを書いたのか

今回のnoteは休日を活用して、思考整理がてら書いていたのですが、書いていくうちにどんどん伝えたいことが溢れてきて、4,000字超の文章になってしまいました。それでも今回の取り組みを少しでも多くの方に知っていただくべきだと考え、公開をしています。
前提としてですがビジネスと社会貢献を真正面から向き合って取り組むには、本当に大変です。それは、その両立を目指す「社会起業家」の先輩方が切り開いてきてくれた道ですが、まだまだ道は険しいものです。
そんな難しい課題に取り組む零細企業が、今回のコラボレーションを通じて数百万円の寄付をする、ということになりました。これは一見奇妙に見えます。しかし、今はまだ社会全体の新しい豊かさに向けた移行期間です。カポックノットはこの社会のシフトを加速させたい。今、このブランドに集まってくれているメンバーは、こういったビジネスと社会貢献に真正面から向き合うことで社会のシフトを加速させるべく、日々努力しています。その移行期間故の苦しみ、大変さを少しでも軽減するために、私は出来ることをしようと考え、このnoteを書くことにしました。

コラボレーションの背景

今回のコラボレーションの背景に「アニマルライツ」という考え方があります。アニマルライツとは、そのまま動物の権利のことです。
二階堂さんがモノづくりから入り込んでくださった背景にも、カポックノットが取り組むアニマルフリーなモノづくりがあったからこそです。

――そもそも、カポックノットとの出合いは?「以前、寒い時期に撮影があったときに、スタイリストさんが用意してくれた服がすごく軽くて暖かくて。それがカポックノットだったんです。日本のブランドで、トレーサビリティがしっかりしていて、ダウンの代わりに木の実由来の素材・カポックというものを使用されていると聞いて、とても共感しました」(二階堂ふみさん・以下同)
SPURより
アニマルフリーなカポックノット

ダウンには1着当たり30羽分の羽毛が使われているといわれており、
その代替として、私たちは「カポック」という植物繊維を使っています。
カポックについての説明はこちら

ビジネスと社会貢献の境界を曖昧に(Blur)する

私たちは今回のコラボレーションを通じて、「カポックを使うことで羽毛を使わないアニマルライツを重視したモノづくり」だけではなく、「得た収益の10%を寄付する」というチャレンジを行いました。

これは「ブランド事業を拡げる」というビジネスでありながら、「売上の10%を寄付する」という社会貢献を両立する狙いです。
今回、数百万円に及ぶ寄付金額を集めることが出来ました。
応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

ビジネスと社会貢献を両立する通称「KAPOK KNOT サークル」

ビジネスと社会貢献が両立した時に、それは何と呼ぶのでしょうか?
そんな状態を模索することを私たちは”Blur the line”というコンセプトで表現しています。

・消費者と生産者がハッキリと別れていたところを Farm to Fashionであえて曖昧にしてグラデーションを作る。
・ビジネスと社会貢献が分かれていたところを、曖昧にしてグラデーションを作る。

そういった一見相容れないような物事をBlur「曖昧にする」ことで、グラデーションを作っていくことが、これからの時代に重要だと私たちは考えています。

~Blur the line~

Farm to Fashionと寄付

さて、改めて私がブランド設立以来、大切にしてきた言葉についても説明しますと、私たちは自分たちが作り上げた独自のサプライチェーンのことを "Farm to Fashion"と呼んでいます。
「農園から消費者の手元に届くまで、自分たちで足を運び、この目で見て責任ある選択をすること」です。

現代のアパレル業界は、トレーサビリティが軽視された結果、生産者と地球環境が無視されることが多くなっていました。
つまり、その前提としてFarm to Fashionを実現することで、透明性を担保し、よりよいアパレル業界を作りたいと考えたのです。

その寄付に透明性はあるのか

Farm to Fashionでサプライチェーンの透明化を図る私たちは、
今回寄付先を選定する上でも、透明性を大事にしようと考えました。
寄付というのは非常に難しいことです。
なぜならば、その寄付先の団体の活動が本当に実施されているものであるか否かを見極めることが必要だからです。
なので、今回、私たちは大きな団体ではなく、小さな規模ながらその活動に心身を注いでらっしゃる方たちに寄付をさせていただこうと、決めました。
「大きい団体よりも、小さな団体のほうが良い」というのは常にあてはまる話ではないかもしれない。それでもその団体を代表する人の想いを直接聞いた人であれば、寄付させていただいた後も、必ず有効に使ってくださるはずだと信じています。

その上で今回ご縁をいただいたのが、こちらの3つの団体の皆さまでした。

2/11 15:30~イベント内容はこちら

犬猫生活さん
出会いは、ベンチャー企業が集まるプレゼンコンテストの際でした。
偶然ながら、彼らの社員のうちの1人は私の大学時代からの知人で、カポックノット創業期にSNS運用を手伝ってくれていたメンバーでした。
犬猫生活さんは、利益のためではなく、愛犬・愛猫のための事業を展開されています。具体的には原材料や製法こだわった国産無添加のペットフードを販売し、さらには殺処分ゼロを目指す活動として保護シェルターの運営などを行っております。

Foster Salonさん
フォスターサロンさんは、保護動物の新しい家族を探す活動に取り組むトリミングサロンが設立した協会です。
虐待を通じて、毛むくじゃらになってしまった子たちのために、代表のわかさんは何度も保健所に断られながら、「トリマーとしてボランティアをさせてくれ」とお願いしたそうです。「ボランティアすることを断れたり、お願いをする」そんな歪なことを生み出している社会からは早く脱却しなければなりません。

Honey's Farmさん
Honey’ Farmさんは、岡山県で保護活動をされているご夫婦が運営されている団体です。ご夫婦自ら私財を出して、山を買い、そこで沢山の動物と過ごされています。

日本には虐待されたり劣悪な環境で飼育されている家畜動物がたくさんいます。ボロボロに傷ついた彼らを迎え最期の時を幸せに過ごさせてあげるための「ファームサンクチュアリィ動物を守るための聖域」を私たちは立ちあげました。それまでの拘束や虐待から解放され、生涯ひとつの命として大切に扱われます。動物たちが自由で平和に過ごすことができます。


気づかされた「私たちだからこそ、出来ることがある」

私たちは、ファッションだからこそ、できることがある。
これはFoster Salonわかさんとの事前対話を通じて感じたことなのですが、
私たちはこの事業の特性上、「ファッション」を扱います。
「どうしても、動物愛護」となると話題が暗くなりがち。そんな中今回のコラボレーションは、明るく憧れを生み出すようなモノ。それが動物愛護というモノに結びついていることに驚きを覚えた」とわかさんからいっていただき、とてもうれしかったです。
自分たちの事業にはそういった可能性もあるモノなのだと、改めて襟を正す思いになりました。

本日、このnoteをシェアいただくだけでも、感想を身近な人にシェアしてくださるだけでも、結構です。
少しでも応援してくださる皆さまの力をお借りしながら、働く皆や、ブランド事業としてのサステナビリティも実現したいと考えています。
23春夏には、新しいチャレンジとして、HOMEカテゴリをスタートします。
よろしければ、その情報を楽しみにインスタグラムやLINEなどをフォローしてくだされば光栄です。

トークイベント応募はこちらから

2月11日には、なんとFoster Salon わかさん、犬猫生活 佐藤さんの両代表とお話させていただきます。(残念ながら、遠方のためHoney's Farmさんは不参加となります。)
これまででしたら、「売上あがった!寄付する」という話で終わりそうですが、私たちは今回その寄付先の方々と一緒にトークイベントを開催します。
わかさん、佐藤さんの素敵な取組を、是非生で聞きに来てください。
KAPOK KNOT MIYASHITA PARK STOREにて、2/11 15:30~開催します。残り数枠となっておりますので、ご応募はお早めに。

この思いを少しでも多くの人に知っていただけたら、これほどうれしいことはありません。

最後に

最後になりましたが、
カポックノット公式のSNSもよろしければ是非フォローしてください!
最新情報やキャンペーンが発信されています。

📨公式メールマガジン こちら
✒Twitter: @kapok_knot
📷Instagram: @kapok_knot_jp
📷Instagram: @kishow_kapok
📻代表きしょうのpodcast:ブランドにまつわるエトセトラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?