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Valorant Academyコーチを2年間やってみて #1

初めに

僕は3年前よりコーチを始めて、アカデミーのコーチは2年目になります。多分、アカデミーのコーチとしての経歴で言えば、日本で一番長いかなと思います。最近ようやく、選手へのフィードバックの伝え方や成長を促すメソッドを体系化して、上手くコーチングできるようになりました。

昨今、少しずつ日本にもアカデミーチームが増え、世代交代に備えた期待が多く寄せられつつあります。また、そのなかでもアカデミーのコーチは足りていない現状があり、成長させるための指導をできる人が少ないです。セットや強い戦術を教えるだけでは選手は成長しません。VALORANTというe-sportsを論理的に考え、それを言語化し選手に伝えて改善まで持っていく。そこまでしてあげる必要があると思っています。もしこれがプロなら、ある程度教えれば自分で考えて修正することが出来ると思いますが、アカデミーでは基本的な考え方と問題解決まで学んでもらうことで、プロに上がった際に上手くコミットしていけると思っています。

今回は、コーチをやってきた中でフィードバックに関して苦労した点を少しだけお話ししようと思います。


アカデミーコーチの始まり

まずは、アカデミーコーチを始めたきっかけについて少しお話しします。
2年前の夏、現Sengoku Gamingのコーチであり、当時FENNELのコーチだったmltdwnさんからお声がけいただき、FENNELアカデミーのコーチを任されることになりました。当時、いろんなプロチームが次年度のリーグ参入に向けてアカデミーの新設が盛んにおこなわれている時期でした。
まだ無名だった僕を見つけていただいたことを、すごく嬉しく思った記憶があります。

コーチとしてはまだ未熟でしたが、Xdllやmutoを教えていた実績が評価されたのかなと思います。その頃、社会人1年目で、当時会社の部長に「コーチをしたいので副業していいですか」と直談判しました。部長がe-sportsに精通していたこともあり、理解してもらえて始めることができました。1年目から副業なんて今考えたら普通絶対やっちゃダメだろ。。。と思うので背中を押してくれた部長には本当に感謝しています。


フィードバックの苦労

最初に苦労したのは、フィードバックの伝え方です。当時は簡潔に話そうとしても、ついその場面について永遠と話してしまい、ちゃんと伝わっていないことが多かったです。この点については、かなりめるとさんに叱られました。「もっと言語化して簡潔に!」と言われたことが印象に残っています。今では、かなり簡潔に言語化できるようになりました。

自分なりに改善していった結果、フィードバックでは3通りの伝え方をしています。

A. 事象から行動計画まで

  1. 起こったこと(事象)

  2. 何が悪かったのか(原因)

  3. どう改善すればいいのか(改善)

  4. 改善するために意識すること(行動計画)

B. 結論と理由

  1. こうしてほしい(結論)

  2. なぜなら~(理由)

C. 確認と意思統一

  1. どうなっていたのか、どうしたかったのか(確認)

  2. 他の人はどうだったか(他意見の吸収)

  3. 自分の見解と話のまとめ(意思統一の確認)

大体はBを使って簡潔に進めますが、時間があるときや丁寧にやるときはAを使います。Cは「あ、ここ動きが合っていないな」と思うときに、選手に確認して話し合いをさせ、意思統一や共通認識の形成を行います。この3つのパターンで進めていくと、フィードバックは円滑に進めることができました。

自分の育成方針としては、基本的なことは無意識レベルに定着させつつも、応用的な部分はなるべく「こうしろ!」とは教えず、選択肢として増やすようにしています。特定の状況下でどうプレイするかはその人次第で、理屈だけで勝てるならe-sportsとは呼べないと思います。
自分の得意な撃ち合いをするにはどうしたらいいか、チームが勝つには自分がどういう動きをしたらいいのか、アカデミーでは活動していく中でそういった選択肢を増やしていくようフィードバックすることを心がけています。


次回があれば選手たちとのかかわり方や、具体的な方針、目標設定の仕方についてお話しできればと思います。
次回があれば。。。

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