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正しいサボり方を考える。

7:29
ほとんど双子コーデだという事にお互い気付かないまま、兄弟登校。

この後、小6の兄失踪。


8:09
学校から電話
担任「おはようございます。ほむらさん、具合、どうですか?」
母「え?」
担任「昨日日曜参観だったけど、今日も学校あるんですよ〜」
母「えーと、7時半にはランドセルしょって出かけたんですど」
担任「ええ!今すぐ教員も車を出して探します!」


とはいえ大体居場所の目星は付いていた。

気づいて欲しくてサボったのだ。
分かりづらい場所に居ては意味が無い。
こんな時の奴のお得意の隠れ家だ。

捜索のため車を出したらこんな時に限ってエンプティマークが点灯している。

仕方ないから先にGSに寄り、ガソリンを入れてる間、万が一のために何人かに見かけたら教えてくれと声を掛けさせて貰った。

8:16
目星を付けた場所は一発でアタリ。
既に捜索を始めていてくれた先生の中の1人が側にいてくれた。
ひとまず関係各位に無事の連絡を入れる。(お騒がせして申し訳ない)

「足が痛くて休んでただけだよ」

さっき迄走り回ってたのによく言う。
「本当は違う理由があるんでしょ?」
「本当に足が痛いんだって」
「じゃあ足を固定すれば学校に行けるんだね?」
「いや…それは…分かったよ白状するよ。日曜参観の次の日なのに休みがないなんて損した気分だったから行きたくなかったの」
「その休みの分はGWに加算されて連休になるんだよ」
「そうだけどさ〜もう帰りたい気分になっちゃったもんはしょうがない」
「帰って何するの」
「漫画読んでゆっくりする」

彼曰く「痛い足」を文字通り引き摺って、母ちゃんの車に乗り込んだが最後断固動かない。
駆け付けた教頭先生と担任の先生が無理矢理車から降ろせないのを分かっているのだ。

ここまで読むと暗い感じの雰囲気に感じるだろうか?
彼はこのやり取りの間終始ニヤニヤしている。
母ちゃんに構って欲しいと言わんばかりに。
こういう時は思いっきり構ってやる。
何分でも話相手になる。
でも逃げるばかりでは生きていけないので、満足するまで構い倒したら脇腹をこちょこちょしてでろーんとなってる間に車から引き摺り降ろし後は先生方にバトンタッチ。
もう一度乗り込まれる前にエンジン吹かしてさっさと立ち去る。

それでも諦めず最初は家に帰ろうとしたらしいが、遠くて面倒になったのか今日は教頭先生と一時間遊ぶ約束で手を打ったらしい。ゲンキンな奴だ。

数年前まではこんな事がある度に焦って悩んで自分を責めた。どうしてここまでこの子を追い詰めてしまったのだろう。私の愛情は伝わっていないのか?ってね。

今は学校が終わればこうしてランドセルもその辺に放り出して漫画を読むことしか考えてないという事を学習したので母も焦らない。
朝の事なんて話かけないと覚えてすらいないのだ。

考えてみたら学校をサボるなんて昔ならよくある事で、スラムダンクの水戸洋平と仙道ブームの奴の頭の中ではちょっとカッコイイとすら思ってるかもしれない。

だから今日は、「サボるのはいいけど皆心配して探すからサボるならサボるって母ちゃんにだけは教えてくれ」と言ったら「それじゃあサボりにならない」と言い返された。
確かにそれは正しいサボりでは無いな、と、正しくカッコイイサボり方について熟考する日となった。

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