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宮腰 みずき
2019年3月26日 23:27
気がついたら懐かしい窓辺のソファーに座っていた。窓の外からは人工の滝壺へ水が落ちる聞き慣れた音が聴こえる。何分、もしかしたら何時間もそうしていたのかもしれない。いつの間にか足元で父が声を上げて泣いていた。ベランダの鉄柵が今まで長い事仲良くしていた鉄格子の部屋を思い出させてぼんやりと状況が呑み込めてきたが、なんだか視界に入るもの全てがまるで映画館のスクリーンに映し出されている映像の様に見えた。