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お金持ちの人が意外と信じるアレ

30年、地元に根差した保険屋をやっています。すると、30年にわたるお付き合いのお客様もいらっしゃいます。そしてそんな中には、唸るほどお金を持っている方も一定数いらっしゃいます。ある方は、よくテレビにも出ておられた方で、この方は熱心なある宗教の信者でした。

実はその方に限らず、多くのお金持ちの経営者は、なにかしら信じるものを持っておられました。

お金持ちは信心深い?

今や全国的に有名だと思いますが、関西では古くから「十日えびす」というものがあります。1月10日には「商売繁盛、笹もってこい♪」なんて言う軽快な掛け声に吸い寄せられるように、多くの人々が福笹を買い求めます。ちょっと立派なものになると、平気で万円単位になりますから、けっこうなものです。

ビジネスをする人というのは、自分の能力を信頼しているような自信家で、自分以外は信用しない、という人が多いと私は思っていました。しかし、意外とそういった部分には繊細な方が多いように思います。

宗教、ジンクス、ゲンを担ぐ経営者

私が保険屋という仕事を通じて知り合う大金持ちは、ほとんどすべてが中小企業の経営者です。たいていは、自分の代で財を成した方々。そういった方々は、お話を伺っていると、とても自信にあふれているように見えます。言ってみれば、自分しか信じないというくらいの勢いを感じる人が多いし、比較的距離感をとったお付き合いでは、それ以上の話は出てきません。

しかし、ふとした時に耳にする話は、現世的な自信とはちがったニュアンスのお話です。それは、多くの成功した経営者は、何かしら心のよりどころを持っているということです。

たとえば、ある経営者は敬虔なキリスト教徒で、私設の教会まで作られました。ある経営者は、方位学に対してとても強い関心を持ち、その先生のOKが出ない限り、会社の本社移転を行いません。ですから、ありえないほどの利益が出ているにもかかわらず、ずっと古い雑居ビルで営業されています。また、ある方は四柱推命の先生のアドバイスをとても重視しており、大きな決め事を行う時には、その先生の助言から絶対に外れないようにしていると言います。

他にも、占星術、タロット、いろんなものを割と信じている方が多いように思います。彼らは声を小さくしてこういいます。「君らはバカにするかもしれないけど、自分がここまでこれたのは〇〇のおかげなんだ」なんて言う風な話をよく聞きました。

これはあくまで私の知る範囲ですが、私の知るお金持ちトップ5はみな何か心のよりどころとして、見えない何かを頼りにしているように感じられます。

信じる者は救われる……?

みな何かを信じていて、信じたから結果が出た、とおっしゃいます。ならば、平凡な暮らしを営む私も、何かを信じることで成功者となることができるのでしょうか?

伺った範囲では、成功者はすべての決定を、こういった占いなどにゆだねたという訳ではなさそうです。なにからなにまで、「どうすればいい?」という感じというよりも、そこそこ大きな決断をするとき、その決断の間違いがないかを確認する意味で、占いの専門家のアドバイスに耳を傾けるようです。占いの通りに行動するというより、自分の行動を後押ししてくれ、確信を高めてくれる何かを欲しているように思います。

占いが後押ししてくれるから迷いなく前に進める。そうやって確信を持って動くから、結果としていい結果が手に入る。占いがいいと言っているから、言いに違いないという思いを持って動くから、小さなマイナスの項目で右往左往するのではなく、最後に得られる大きな結果にフォーカスできる。そんなカラクリがあるように思えます。

いってみれば、「自分」と「結果」を信じるために、彼らは自分以外の何かを信じるのではないかと思うのです。



コラムの内容と全く関係ありませんが、こんな本の著者です。



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