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たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに たった一人を深堀することがなぜ重要か

2017年4月に、筆者はデジタルサービスのベンチャー企業であるスマートニュースに参画しました。それまでP&Gジャパンで16年、ロート製薬で8年、ロクシタンで3年、物理的な製品を顧客に販売するビジネスを手掛けてきた筆者にとって、50代も目前にデジタルベンチャーに関わることは大きな挑戦でした。周囲から、どうしていまさらそんなリスクを取るの?デジタルできるの?などと声をかけられました。

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(西口一希)

本書の書き出しは、筆者のたどってきた足跡と、その中で至った自分なりの結論の正しさを証明するに至った経緯が書かれていたかと思います。煽り的なまえがきの多いマーケティング系の本のなかでは比較的穏やかというか、学術書的なテイストを目指したように感じられます。

本書の内容

N1分析

多くのマーケティングの教科書は、たいてい、顧客を一つのグループとしてとらえることが多いように思います。〇〇な層の顧客、という感じです。あとは、理想の顧客層をイメージして、という話もかなりよく目にします。しかし本書はそれとは少し違って、N1、つまり実在の1人の顧客について徹底的に調査せよ、という考えが根底にあるようです。そうすることで、ありえないアバターを顧客設定するという過ちを避け、リアリティを持った戦略を作りこむことができる、という前提なのだと思います。

本書では、まず顧客を5つの層に分類します。
顧客ピラミッドと呼ばれる5セグマップは、ロイヤル顧客(認知アリ/購買頻度高い)を頂点に、一般顧客(認知アリ/購買頻度中~低)、離反顧客(認知アリ/購買経験あり/現在購買ナシ)、認知・未購買顧客(認知アリ/購買経験なし)、未認知顧客(認知なし)というレイヤーにわけます。忘れられがちな下位二層が結構重要で、上位三層はどちらかというとアーリーアダプター。下位二層を動かさないと市場のメジャーなところへはいけないと言います。

さらにこれを次回のブランド選択の意向をとうことで9つのセグメントに分けていきます。
積極ロイヤル顧客、消極ロイヤル顧客、積極一般顧客、消極一般顧客、積極離反顧客、消極離反顧客、積極認知・未購買顧客、消極認知・未購買顧客、未認知顧客、といった具合です。

そしてそれぞれの層へのアプローチを検討する際に、これらのそれぞれのレイヤーにいる人たち一人ずつを選び、インタビューなどをもとにN1の特性を絞り込んでいき、戦略を立てていきます。

小さい規模の会社でも

本書の著者である西口氏は、上述の通り、P&Gやロート製薬、スマートニュースなど、比較的大きな仕事を経験されています。そこから考えると、だんだんとこの手法って中小企業には使えないんじゃないか、という心配も出てきますが、たぶんちょっと工夫すれば案外できるような気もします。なにしろ、セグメントに分けてしまえば、調査は一人でいいのですから、直接会いに行ってもいいわけです。大規模なアンケートとかを取る必要がない文中小企業でも使いやすいと言えるかもしれません。

ただまあ、こういったマーケティングってどんな手法でも、それなりにデータとにらめっこしながらやってみて、修正してという細かい作業の連続。これをやり切る根性というかモチベーションは大事ですね。この時点で私は落第生かもしれません(苦笑)

個々では非常に、シンプルな枠組みでの説明にとどめてますが、当然本書は非常に内容は深いものですので、こういった手法に関心のある方はぜひ手にとっていただきたい一冊です。かなり実用的じゃないかと思います。

いやーー、読書って素晴らしいですね。


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ちなみに私はこんな本書いてる人です。


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