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僕という心理実験~うまくいかないのは、あなたのせいじゃない

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに

僕は「普通」の家庭の中でそれなりに楽しく育ちました。ただ、個性が強かったせいでしょうか、半分以上の時間を精神疾患患者として過ごしています。ずっと、死なない範囲で心を取り戻そうと思ってきました。この本には、その試行錯誤の中で学んだことが書かれています。今私は生きようと思っています。その気持ちがどのように得られたか。それが伝われば、あなたにも同じ気持ちが生じるかもしれません。

僕という心理実験~うまくいかないのは、あなたのせいじゃない(妹尾武治)

まえがきは「この本を手に取った人を買いたい気持ちにさせるもの」という事をよく出版セミナーなんかでは耳にします。
本書のまえがきに関しては、そういった売り込み感は特段無くて、使われてる言葉はわりと強い言葉が多い割には、落ち着いた雰囲気に感じるのは私だけでしょうか。
あるいば、「楽しく育った」のに「精神疾患患者」というギャップに引き寄せられるのでしょうか。
よくはわかりませんが、不思議な温度感を感じます。

本書の内容

決定論という希望

私が本書を手に取った理由は、帯にある「心理的決定論という希望」の文字に気持ちが惹きつけられたから。
実は、私自身、わりと決定論を信じています。
決定論というのは、物事は決まっていて、基本的に私たちが何をしてもほとんど変わることが無い、という考え方。

もともとは物理の世界で話が出たんじゃないかと思います。
例えばビリヤードをイメージすると、はじめに球をつくと、それが順々に影響を及ぼしあって広がっていく。
現実はそんなもので、それらはすべて物理法則に従って動くから、世の中で起こることも物理法則の計算ですべて導き出せるようになっている。
つまり、未来は決まっている、という考え方(と私は理解してます)。

量子論なんかが出てきて、話は色々とややこしくなってはいますけど、まあそういう説があるようです。

本書ではあまり深くは記されてませんが、著者は「心理的決定論」を主張している・・・というか、そう考えることで生きるのが楽になるのではないか?という提案をされているように思います。
実際のところ、人は自分が意識する前に、すでに身体が動き始めています。
そんな事から、「自由意志はあるのか?」という論争が出ているわけです。
そういった事例を引いて、人の行動もまた、すべて決まった道をなぞっていると考えられなくもないわけです。

ただ、著者はその主張が正しいかどうかより重視しているのは、「そうなるんだから、仕方ないじゃん。自分(あなた)のせいじゃないよ」と言っている。
そんな考え方に感じております。

「あきらめる」という言葉

本書を読む中で頭に浮かんだ言葉が「あきらめる」という言葉。
これ、一般的にはネガティブな言葉という印象が強い。しかし、もともとは仏教用語。
道理を明らかにする、という意味が込められているらしい。

つまり、道理(心理学的決定論)を明らかにし、それを受入れる。
そうすることで、自分を責めることのない人生を送ろうなないか、という提案なのではないかと思います。
自分が頑張ろうが、何しようが、起こることは起こるし、起こらないことは起こらない。
成功も失敗も、あらかじめ決まっていることで、もがこうがもがくまいが、それ自体もはじめから決まっていること。
ならば無理な力を入れることもないんじゃないでしょうか。

それは、決して怠惰であることを推奨するわけでもなくて、目の前のことを感じるままにやればいい。
そんな応援をしてくれる一冊じゃないかと感じました。

本文中は、膨大なジャンルの膨大な引用があります。
かなりマニアックな世界(プロレスやアニメ)もあって、わかる人もわからない人もいるかと思いますが、行ったり来たりしながら結論へ近づいていきます。
その過程も楽しめるといいんじゃないかと思います。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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