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Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに

良い人生を送るために必要な「思考の道具箱」
大昔、少なくとも二五〇〇年前から、私たち人間は「よい人生」とはいったいどういうものだろうと考え続けてきた。この世に生を受けたからには、できるなら幸せな人生を送りたい。そのためには、どう生きればいいのだろう? 良い人生の条件とは何だろう? 運やお金はどれぐらい大事なのだろう?そもそも、良い人生かどうかはどうやって決めるのか? 考え方の問題? 心がまえ?それとも、人生の目標を達成できたかどうか? 積極的に幸せを求めるべきなのか? そうではなくて、まずは厄介ごとを避ければいいのか?

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法(ロルフ・ドベリ)

本書のまえがきは、けっこう計算されているのかもしれませんね。
誰もが一度は頭に浮かべたことがありそうな疑問を並べてみる。
一行目の2500年前というのは、きっと古い哲学者のことを指しているのでしょうが、そこから同じことを延々繰り返してきているようなメタファーになっているのかもしれません。
そして本書がそのヒントをお伝えしますよ・・・ということなのでしょうか。

本書はいろんな書店で平積みにされているので結構売れているのでしょうね。
たまたま見たSNSでのある方の書評で絶賛でしたので、私も楽しみに本書を開きました。

本書の内容

人が活きることに意味付けが必要になってきた?

今、働き方が変わり、生き方が変わり、人生100年時代がやってきて、少子化が顕著になってきた。
かつて、働く意味や、生きる意味なんて考える必要はなかったように思います。
ただただ、必死だったから。
意味を考える隙間もなかったんですね。

それがだんだんと世の中にある意味ゆとりができてきて、働くことがすべてじゃない、という考え方が出てきた。
すると、盲目的に「人生をかけて働け」と信じてたことが、ある時、「そこに何の意味があるのか?」なんてことを考え始めるわけです。
学校も、「絶対に行かねばならぬ場所」だったのが、「不登校もOK」な時代に変わってるし。

考えてみたら、行く意味、学ぶ意味、働く意味、考えたこともなかったよね、と。

すると、先人もまたそんなこと考えもしなかった人がほとんどなので、参考となるお手本がない。
そこで多くの人が迷うわけですが、そのヒントを本書は提供してくれます。

人生礼賛の本ではない

となると、ありがちなのは、「人生は素晴らしい」なんてことをこんどは盲信させるような本はけっこう多い。
考えずに、従え、的な本は意外と多いものです。
しかし、本書は恐らく、自分の頭で考えることを推奨していると思います。
明確にそういう意図が書かれていたかは記憶にありませんが、なんとなく奥底にはそんな考えが横たわっているような気がします。

だから見方によっては、ちょっぴりシニカルなアドバイスもあります。

名言は数知れずありますが、私の印象に残ったのは後半部分のお話です。

あなたの人生など、世界にとっては取るに足らないもの。
人が世界を帰るなんてことはあり得ない。
革命は、その人が興したというより、その人が興さなければ誰かが興していた。
人の存在なんてその程度。
だから、自分の人生に集中せよ。
世界を変えてやろうとするより、自分として満足する生き方を追求せよ。

そんな風なメッセージがあったように思います。
52のアイデアは、すべてに共感できるわけではなかったのですが、いくつか心に響くものはありました。

52の考え方からいくつかをピックアップ

考えるより、行動しよう

本書では、考えていても1ミリも現実は動かない。だから、たとえ稚拙であっても、小さなことであっても、まずは一歩踏み出そう、ということを進めています。ここで出されている例が秀逸です。たとえば、何かを書く時、書けない人は白紙のノートの前でうんうんうなります。しかし、書ける人というのは、とにかく書き始めてみます。「私は、●●して……」と書き始めることで、書きながら次の文章や書きたいことが浮かんでくるものだ、といいます。パブロ・ピカソは「何を描きたいかは、書き始めてみないとわからない」という言葉を残しているそうです。

心理学において「自己内観における錯覚」という言葉があるそうです。これは自分の思考を省みることで、自分の人生の意義や目標を究明できるという「思い込み」を示す言葉なのだとか。しかしそれはあくまで錯覚。そういえば、何事もやってみたときにはじめて、「そうそう、これを求めていたんだ」とわかるものかもしれません。

なんでも柔軟に修正しよう

飛行機が予定ルートを飛んでいる時間がどの程度あるのでしょうか。実はこれ、0%なんだそうです。予定コースを飛ぶために、微調整を繰り返しているけど、予定コースには至らない。人の人生も同じようなもので、ここに行きたいからといって、そのコースにうまく乗れるかといえば、ほとんどのばあいはそれができないのでしょう。常に微調整。そして時には、思いがけないコースアウトから、いやいや実はこっちに行きたかったんだ、という道を見つけることもあるのかもしれません。

戦略的に「頑固」になろう

頑固になるという戦略においての利点は二つ。一つは、毎回柔軟に対応していれば、判断力が鈍る「決断疲れ」をおこします。すると、最も安易な選択をする傾向にとらわれ、けっか最悪の決断を繰り返すことに陥る。これを防止する効果があるようです。そしてもう一つの利点は、評価が確立される、ということ。ああ、この人はこういう人だよね、とある程度受け入れられるわけです。

私の実体験においては、私は飲み会のほとんどは断ります。すると、みんなそもそも私が来ないもの、というパターンが定着するので何ら苦労することなく飲み会をスルー出来ます。それで今のところ嫌われているということはなさそうです。逆に、たまに行くとそこそこ歓待されます笑

物事を全体的にとらえよう!

毎朝凍結を免れないドイツに暮らしていて、平均気温26度のマイアミでの生活に思いをはせる。マイアミで暮らしたときに、どれくらい幸福度が上がるか?と聞かれたら、結構な数字をを挙げる人は多い。しかし、いざマイアミ行ったところで、交通渋滞は相変わらずあるし、生活における様々な問題はマイアミにもある。それを再認識したうえで、マイアミでの生活を考えると、途端に幸福度は下がる。

フォーカシングイリュージョンという言葉があるそうです。人は、ある一点に集中すると、それがすべてかのような錯覚を抱くのです。降り注ぐ太陽と明るい街内がとても重要と感じた瞬間、そこは楽園に見えるかもしれません。しかし、それがすべてではない。実際に移住してみれば、困ることも多い。私たちは、そういった検討項目を多岐にわたって考える必要があります。一つのことの印象にとらわれていると、大失敗をやらかしてしまうかもしれません。

天職を追い求めるのはやめよう

私自身そうなんですが、とにかく自分には天に与えられたぴったりの仕事があるはず、とずっと思い続けていました。その背景には、今の仕事が自分に合わない、という感覚が付きまとっていたからなのだと思います。本書では転職を追い求めることをやめたほうがいいといっています。天職を追い求めると、天職を見つけることが生涯の課題になってしまいがち。見つけたときには死んでいる・・・なんてこともあるようです。

お勧めするのは、「得意」「好き」「評価される」ことを職業とすること。

自分の頭で考えよう

ここは、2020年4月に追記しています。
今、新型コロナウィルスが蔓延していて、政府のとる対策に誰かが反対の声を上げる。
著名人が発した意見に誰かが異を唱える。
そして報道のタイトルだけを見て現実を判断し、批判の声を上げる。

こういったことが常態化する中で、この賞を読み直すと感慨深いものがあります。

こんなことを試してほしいと思います。
あなたは、ファスナーの仕組みをご存じでしょうか?
その知識を、0~10の間で知っている度合いを点数をつけてみてください。

次に、紙を出してきて、ファスナーの構造を絵にかき、それを一度も見たことがない人にわかるような説明を書き添えてみてください。制限時間は2分。

ここで改めて、自分のファスナーに関する知識を0~10の間で評価してほしいと思います。

自分たちは物事を比較的多く知っていると考えていますが、それをきちんと説明しようと意識したときにはじめて、自分の知識の足りなさに気づくそうです。
私たちはいったい何をどの程度知っているのか。
誰かを批判する際には、そんなことを改めて考えたほうが良いのかもしれません。


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