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マネーマッド
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です
はじめの一行
プロローグ
なあ、あんた、
カネに狂ったことがあるかい?
おれは、あるよ。バブルと呼ばれた昭和の時代にカネに狂った・カネに来るって、裏切られ、騙し、奪い、潰し、そしてハメられた。笑っちゃうほど小説みたいなできごとが、次々おれに降りかかってきたんだ。何度も泣いたし、喚いたし、他人にも自分にも絶望した。でもな、それがあったから、おれは幸せになれたって思ってる。だからおれは、あんたに贈るよ。カネに狂った時代のカネに狂ったこのおれの狂騒曲を。
いきなり出だしから、満身創痍というか・・・
あしたのジョーのようなスポコンにありがちな、疲れ切った表情が目に浮かぶような・・・
なんとも息苦しい出だし。
この数行で、本書を手放す人もいれば、目が離せなくなる人もいるのかもしれません。
本書の内容
限りなくノンフィクションに近いノワール(?)小説
本書は限りなくノンフィクションに近い、と銘打たれてます。
著者は岸正龍さん。
そして主人公は、喜志という名の男。
ああ、まさにそういう、ことなんですね、と。
バブル経済と言えば、お金に絡む狂喜乱舞があって、
当然その裏には、お金にからむどす黒いものがいろいろ渦巻いているわけです。
普通に日々を送っていると、そういう黒い部分にはあまり目を向けないわけですが、
その暗い部分と、明るい部分の境目を歩く喜志の物語。
はじめは、どことなく昭和テイストな湿っぽい物語です。
喜志には尊敬する先輩がいて、彼は演劇で身を立てようと頑張っている。
いう言葉は、ちょっとヤザワチックなんですが、思うほど芽が出ない。
ある日、喜志に電話をしてきて、その向こうで三原は自ら命を絶つ。
喜志は電話口から流れる、市の音を一人聞いていた。
そして、金に狂い始めた。
しかし悲しいかな、喜志のゆく手には、常に何かが立ちはだかった。
上手くいってもうまくいっても満たされない、むしろさらに地獄の奥底へ突き落されるなかで、最後にはある真実を知ること担う。
昭和臭さがプンプン漂う
さて、たぶん私はこの本は自分で買うことはまずないでしょう。
たまたま某所で頂いたのが読むきっかけでした。
いきなり出だしから、カネ、カネ、カネ、だし、
どこか昭和の腐ったようなにおいが鼻をつく内容も好きになれませんでした。
けど、辞められないのです。
特に、三島が死んだあとは、もう目が離せません。
いやなのに、重いのに、気持ち悪いのに、見たくなる。
そうやってあっという間に最後まで読み切っていました。
結構重い小説ですが、秋の夜長に読み始めると、気が付いたら朝になっているかもしれません。
ビジネス書としての価値
本書は後半戦、ビジネス書としても参考になる内容があります。
お客さんをどう心理誘導していくか、
マーケティングの基本的な姿勢、
といったことを学ぶことができます。
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