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あの青い空に向かって 「障がい者と農業」新しい関係への挑戦

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに・・・愛する三つ子の子どもたちと「農福連携」

「お腹の子どもたちは生きているのか?」
「妻は大丈夫なのか?」
二〇〇〇年六月十八日、妊娠七か月半の妻は病院に救急搬送されました。
病院の待合室で、ぼくと母は、妻の受信の順番をいたたまれない気持ちでまっていました。妻の様態がのっぴきならないことは、あきらかでした。けれども、彼女のもとに医師はあらわれません。「急な手術が行われている」とのことでした。

あの青い空に向かって 「障がい者と農業」新しい関係への挑戦(佐伯康人)

緊迫するお産のシーン。
まさにクライマックスとも思えるシーンから始まるかのように見える本書ですが、これはあくまで序章に過ぎません。まさにここから著者の物語は始まる、という感じです。

本書の内容

障がいを持った三つ子

本書の著者は、生涯を持つ三つ子の父親です。冒頭のシーンがあり、お子さんは超未熟児でこの世に生を受けるのですが、早いタイミングで出てきたこと、酸欠状態を長時間経験したことなどから脳に障がいを持ってうまれました。一人でも大変な子供の世話を三人同時に授かったわけですから、うちの中はてんやわんやです。著者はほとんど仕事をすることもなく育児に奔走します。親御さんが裕福で、会社を経営していたこともあり、お金についてはそれでもある程度何とかなったといいますが、生涯を抱えた乳飲み子を三人も育てるとなると、夫婦二人がかりでもたいへん。もう限界、と値を上げそうになったころ、たまたまボランティアグループと縁があり、いろいろと助けていただくことができたようです。

著者はこの子たちの体を少しでも回復させるために様々な療法をまなび、まいにちリハビリを家庭で行っていたりしました。しかし、今は何とかなってもこの子たちのことを考えると、やはり将来が心配。そこで一念発起をして福祉系の仕事で起業します。しかし、A型作業所などに回ってくる仕事は単純作業で、作業者に支払える給料はごくわずか。これを何とかしたいと考えます。そんなときに思いついたのが農業でした。

自然栽培へのチャレンジ

そこで自然栽培へのチャレンジを始めます。その際になかなかうまくいかず、あの奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんの教えを請います。かなり強引にですが…

いろんなコツはあるようですが、例えば化学肥料をやらないわけですが、そうすると作物は栄養を取り込もうと根が太くなります。するとその結果、とても強い作物になります。台風などでほかの農家の作物が全滅したときでも、自然農法の作物はしっかり残っていることもあるそうです。害虫も直接的に駆除するわけでなく、一時的にどこかに追い込んでおいて、タイミングを見て元に戻すのだとか。そうすることで小さな生態系がしっかり出来上がり、作物にも良い影響を及ぼすことが多々あるようです。

稲を育てた後には豆類を植えることで、豆が大気中の窒素を吸って土にため込みます。それはそのまんま肥料になるので、翌年の稲がまた元気に生えるのだとか。

とにかくそういった自然の仕組みをうまく作ることで農作物の出来を良くし、おいしい農作物を作る。そして障がいを持った人たちにとっては、太陽のもと、土を触るというのが体にも良いようで、例えばメンタル系の問題を抱えている人も症状が改善することもあるそうな。

そして今、農作物は売上を上げ、次第に給与も多く支払えるようにと著者は奔走されているようです。

農業と福祉は相性がいい。著者はそういいます。
今彼は精力的にいろんなところを講演して回っているようです。
実は私もその講演を聞いて本書を手に取った一人です。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。


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ちなみに私はこんな本書いてる人です。


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