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君の膵臓をたべたい

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です

はじめの一行

エキセントリックなタイトル

この小説、2017年に映画化されました。
けっこう売れたってことですね。
それもそのはずで、初めて書店に並んだ時、「君の膵臓をたべたい」なんていう、エキセントリックなタイトルにドキッとしたのは私だけではないと思います。

タイトルを見た瞬間、ホラーなのか?と思ったのが私の正直な感想。
表紙を見ると、そんな様子でもなさそうだし、だけどなんだかグロテスク。
まあ、気になってしょうがないわけです・
恐らく、膵臓というのも、胃でもなく、心臓でもなく膵臓である事にはこだわったような気がします。

もう、タイトルの時点で、売れる要素満点だったのではないかと思います。

はじめの一行

この小説は、こんな一文から始まります。

クラスメイトであった山内桜良の葬儀は、生前の彼女にはまるで似つかわしくない曇天の日にとり行われた。

彼女の命の価値の証として、たくさんの人の涙に包まれているのであろうお葬式にも、昨日の夜の通夜にも僕はいかなかった。ずっと家にいた。

君の膵臓をたべたい(住野よる)

いきなり、キーになりそうな人物である、山内桜良、いきなり死んでます。
お葬式のシーンです。
しかも、主人公であろう”僕”は、その葬式にもいっていない。
このアンバランスな感じは、ちょっと先が気になります。

実は、この出だしから数行は、一度最後まで読んで戻ってくるとなんとなく感慨深いものがあります。

奇妙尽くしな小説?

どうやら関係が深かったであろう、山内桜良の葬儀には出ない。
しかも、主人公らしい”僕”の名前は最後の方まで出てきません。
なんとなく違和感を持ちながら読み進めると、”僕”の名前が出されない理由は明らかになります。

タイトルの、「君の膵臓をたべたい」という言葉の意味も比較的早い段階で明らかにされます。

多分、はじめの1/3くらいで、
「ああ、この小説はこういうよくあるストーリーだよね」
と思いかけるぐらい、しばしば見かけるシチュエーションです。
それでもなお読み続けたくなるのは、冒頭のシーンがあるからかもしれません。
その中なのに、葬儀に出ない。
なんでだろう・・・と。

力強い言葉

この本のもう一つの魅力は、文中で繰り出される登場人物の強い言葉。
これが17歳とは思えない(笑)
その中でも特に印象に残った言葉を最後に引用します。

「違うよ。偶然じゃない。私達は、皆、自分で選んでここに来たの。君と私がクラスで一緒だったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。私たちは、自分の意志で出会ったんだよ」

君の膵臓をたべたい(住野よる)

ああ、一応お伝えしておきます。
気を付けたほうがいいです。
きっと泣きます。
ご準備は怠らないように。

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