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なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

監訳者によるまえがき

本書では、監訳者である中土井遼さんのまえがきが掲載されています。
中土井さんといえばU理論。
このU理論というのもなかなか難解な、人の成長における過程を紐解いた理論ですが、人の成長を軸とした組織の成長をテーマとする本書の監訳者としては最適な人選なのかもしれません。

「組織を変革する」「業界に革新を起こす」--このような言葉は、近年実に多くの企業で耳にするようになりました。変革や革新によって、これまで自社が生み出しえなかった価値や世の中に存在していなかった価値を創出し続けなければ生き残れないという危機感は、多くの経営者やビジネスリーダーの中に深く刻み込まれています。
その危機感は、組織に属するビジネスパーソンに対して、仕事のやり方を変革するように、つまり日々の業務を「劇的に進化させること」を求めています。かつては、「これまでのやり方を覚える」あるいは「創意工夫をして改善する」ような業務スキルで通用していましたが、もはやそれだ家では不十分であると認識されるようになっていると言えます。
一方で、「自分らしくありのままでいること」や「人間らしい生活」の大切さが、ここ一〇年くらいで強調されるようになりました。その背景には、変革や革新を求め続ける現代の私たちの生き方が自然の営みとはかけ離れたものになっていないか、そのために本来の自分が持つバランスが崩れてしまっているのではないかといういら立ちや、どこまでも、いつまでも変わることを強いられるかのような過酷なレースが続いていくことへの漠然とした不安があるのかもしれません。

なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる(ロバート・キーガン、リサ・サラスコウ・レイヒー)

本書の内容

「人の成長」にフォーカスした企業

本書においては、前著『なぜ人と組織は変われないのか』で紹介された「免疫マップ」に関する内容が記されています。
[clink url="http://1gyoume.info/?p=455"]
少し違うのは、実際に人にフォーカスしたマネジメントで成功した、ブリッジウォーター、デキュリオン、ネクスト・ジャンプといった三社の事例を割と詳しく紹介しています。
彼らの社内には、人が成長する仕組みが組み込まれていて、それこそが何よりも重視される会社のミッション。
本書の2/3近くは彼らがやっていることを詳細にレポートしています。

ただし、はじめに但し書きがなされています。
それは各社の社風があって、これらの施策が業績に結び付いたのであって、猿まねでは危険だということ。
ここに出された事例をもとに、自分の会社にあった形をアレンジしていくのが重要なのでしょう。

本書のタイトルとなっている「弱さ」については、この三社については社員同士がそれぞれの弱みを指摘しあえる風土が作られています。
指摘する側も、される側も、それを人格否定としてではなく、成長のためのアドバイスとして受け取る風土が出来上がっている。

正直、読んだとき、自分の会社では難しそうだな・・・
なんていう風にも思いました。
まあ少しずつ、といったところでしょうか。

こういった具体例を学んだうえで、「免疫マップ」の作り方の詳細が披露されます。
これは個人でも、組織でも使えるものなので、一度試してみるといいのではないかと思います。

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