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なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

人や組織が変われない理由

たとえば、リーダーが会社を変えたいと考えたとします。
しかし、それがうまくいくケースは非常に少ない。
それはなぜなのかというと、そもそも人や組織が変われない理由がわかっていないから。
そんな問題提起が、序章にはされています。

個人や組織は本当に変われるのか?
リーダーの立場にある人なら誰でも、変革と改善がいかに大切か身にしみて感じているだろう。自分自身やほかの人たちを変えることの難しさも痛感しているに違いない。ところが、どうしてそれが難しいのか、そして、どうすればそれを実現できるのかという点は、ほとんどの人がよくわかっていない。変革が実現しない理由としてよく指摘される要因は、すべてのケースで的外れとは言わないまでも、おおむね説得力に欠ける。変わることが重要だと思えないから?インセンティブが弱いから?どこをどう変えればいいかがわからないから?あなた自身や、職場や私生活で接する人たちが変わることを妨げている最大の障害は、本当にこれらの要因なのか?最近の研究によると、食生活を改めたり、もっと運動したり、喫煙をやめたりしなければ心臓病で死にますよと専門医から警告されたとき、実査にそのように自分を変えることができる人は、七人に1人に過ぎないという。たった七人に1人だ!しかし、生活習慣を変えない六人だって、長く生きたいと望んでいる。長く生きて、もっと多く夕陽をながめ、孫の成長を見守りたいはずだ。

なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践(ロバート・キーガン、リサ・サラスコウ・レイヒー)

本書の内容

リーダーシップ

今まで、多くの書籍で、社内改革を行おうとする際、目に見えやすい部分を触って何とか変革を行おうとするノウハウが多かったように思います。
報酬制度を変えるとか、社員を褒めるとか、そんな感じですね。
本書は人の裏に働く、「免疫」について深堀しています。

たとえば、毎朝ランニングをしようと決めたとします。
しかし、なぜかそのランニングを実現すべき行動とは逆の行動をとりがちです。
夜更かしをする、朝、布団から出ない・・・などなど。

本書では、こういった行動に着目します。
目標を達成させまいとする、阻害行動として認識します。
本当は走りたいのに、それを邪魔する行動を起こす。

このギャップをあぶりだすことで、その奥にしまわれた固定観念を見つけ出します。
そしてそれを緩めていく。
そうすることで、徐々に行動にずれが出なくなるというもの。
それをあぶりだす過程を、免疫マップと名付けられたシートに書き出すことで、心の動きを見える化していく手法を紹介しています。

マネジメント分野の心理学

どちらかというと、仕組みで解決しようとした組織の問題も、同じような心理作用が働くといいます。
新しい事をやらねばならぬ。
それは組織の構成員だってわかっているとしましょう。
しかし、新しい行動には結びつかない。

そこにはたとえば、新しい仕事が嫌だとか、仕事が増え、忙しくなることに対する拒絶、なれない事への不安といった心理的な免疫が働くのかもしれません。
それをグループワークで緩めていく。
そんな手法の紹介です。

分厚い本で、結構難しい部分もありますが、自己啓発書としても使える本書。
けっこうおもしろいと思います。
最近この続編も出ましたので、併せて読んでみるといいでしょう。

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