見出し画像

ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

これから、2020年の話をしようと思う。

2020年、東京でオリンピックが開催されるはずだった、この年。
中国武漢市を皮切りに、世界で新型コロナウイルス感染症が大流行した。
多くの国が、一時的に国民の外出や経済活動に制限をかけた。
国内外を自由に行き来することはもちろん、勝手に商店をあけることも許されなかった。
これはグローバル経済において、”成長を止める”事を意味する。
世界中の国が同時に、このように成長を止めた事例は、世界史史上、初めてのことである。

ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら(眞邊明人)

このような始まりがあり、意図的に国の経済的な成長を止めた人物として、徳川家康を紹介しています。
なるほど、江戸は鎖国政策によって、驚くほどの長い期間にわたって国の平和を保ったという歴史があります。
なんだかこの時点で、家康の世界観を現在に体現したらどうなるか?というシミュレーションなのか、それともまた違ったストーリーなのか。
なんとなくそんなドキドキを感じる書き出しに感じます。

本書の内容

あくまでフィクションです

あまりにも設定が、リアルすぎてノンフィクションと言いたくなりますが、この本はわざわざ「ビジネス小説」と銘打っていますので、あくまでフィクションです。
なにしろ、新型ウイルスの感染症により、首相が倒れるところから物語が始まるのですから。
その結果、リーダー不在となった日本政府に擁立されたのは、AIによる人物シミュレーションとホログラムによる過去の英傑を再現した内閣。
首相の徳川家康をはじめとして、坂本龍馬、豊臣秀吉、織田信長。北条政子などの時代の人まで出てきて、歴史の教科書がごっちゃ誤茶になったような政府です。

前半戦は、彼らの「決断力」が発揮されるフェーズではないかと思います。

感染を拡大させないためのロックダウンが行われますが、ここに際しては従わないものは容赦なくとらえられます。
一方で、その間の生活保障として一律50万円が10日以内に全国民に配られます。
これらは、間違って渡すことにビクビクするのではなく、スピード重視で行われ、逆に不正を行って二十取得などを行った場合には厳罰に処すというアグレッシブなもの。

そうやって感染拡大を止めたうえで、飲食店などの業種に対する補償をするのではなく、食料自給率の低い日本に対して農業への天職を後押しするような政策を行います。
色んな意味で、世界の中で独り立ちできる日本に向けての政策が次々と打たれます。

そんな折起こった事件は、AI政治家が暗殺されます。
その犯人探し、対策をめぐって、日本政府は混乱を極めます。

たんなる感染拡大防止ではなく…

本書にはいろんなテーマがあると思うのですが、こういったウイルス感染症の拡大とともに、今まで制度疲労を起こしていた日本を改革しようというのが本書の中での大きなイベントじゃないかと思います。
恐らく多くの人が、単に飲食店にお金を出すだけで何と中なる状況じゃないだろう、と思っているんじゃないかと思います。
そういったところへの提言として興味深い内容が含まれています。
そこがあえて、「ビジネス」小説とした部分なのでしょうか。

物語としても面白い本書、あるいは映像化されるかもしれませんね。(著者は脚本家だそうで)
さすが、硬いビジネス系だけの話に終わっていない、エンタメ要素が盛り込まれています。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

Amazonでのご購入はこちら


ちなみに私はこんな本書いてる人です。


頂いたサポートは、日本の二代目経営者のこれからの活躍を支援するために使わせていただきます。