前に人をクビにしたことあると書いたけど、その同じ会社でクビにされたこともあるの。 その詳細はここじゃ重要じゃないから、語らないけどさ。 ちなみにその会社とは、とあるうどん屋チェーンで、勤めていたのはもう10年以上前のこと。 3年くらい前かな。その数あるお店のうちのひとつで、「ぼっちランチ」食べようとしていたんだ。 今じゃ特にクビにされた恨みなんかはないけど、行ったらやっぱいろいろと気になるよ。うどんの茹で具合とかさ。 セルフ方式だから、うどんの乗ったトレーを席に置き、座っ
札幌時代、「昼寝して帰る女」に出会った。 彼女との出会いはひょんなことからだった。男友達Yがぼくにどうしても会いたいというので、豊平区あたりの喫茶店に出向いたら、果たしてそれはMLMの勧誘だった。 その三者の思惑の入り混じった、なんとも居心地の少し悪い空間に彼女は居た。MLMのことは後日Yを通じて断ったけれど、名刺交換をしていたので彼女からは頻繁に連絡が来るようになった。 そしてある日。 「薫さんの家に行っていい?Yが薫さんの家はとても『気』がいいって言ってたし。」
ロッカー室でベンチシートに座りながら年上熟女4人に囲まれてる。彼女たちの言葉に、如才なく切り返していた。 そのうちの一人が言う。 「なあ?これが熟女バーやったら、どんだけ(値段)取られることか。しあわせやなあ、ポールは。」 そう。俺はここではポールと呼ばれているのだった。ポール・マッカートニーに似ているから、ポール。 「なあポール。よう言うやろ?腐る前が一番美味しいって。肉でも果物でも腐る手前が。」 「もう腐ってる…んじゃ?」と切り返しつつ、すれすれの笑いを攻めよう
クドカンのドラマで出てきた「おっさんレンタル」ならぬ「おねえさんレンタル」を試してみた。体のいい人身売買である。 依頼内容は「一緒に勉強してくれ」である。 最近はとある占いスクールに通っている。勉学の内容は非常に面白いものでもある。だが、難解だ。ここのところその内容の難しさに辟易しているのである。それを補うには自宅などでのおさらい、復習が必要である。だが、ひとりではやる気が出ない。そこで、だ。考えた。 「一緒に学習してくれる人が居たらいいんじゃね?受験勉強も友達と一緒に
男は女に育ててもらっている。常に。女は生まれながらに女だが、男は女に育ててもらって初めて男になる。それは男が社会性を強く帯びる生き物だからだ。だから生まれながらの男などまず居ない。 もちろんそのとき彼女はすでに女だった。デートに彼女は赤い自転車でかけつけた。当時あるアイドルグループの「真っ赤な自転車」という歌が流行っていた。センターで踊ってる女なんかは眼中になく、そんなに名前も知られていない端っこで踊っている女の子達が好きだった。ぼくはどことなしに寂しそうな佇まいで陰のある