熟女は述べた

ロッカー室でベンチシートに座りながら年上熟女4人に囲まれてる。彼女たちの言葉に、如才なく切り返していた。

そのうちの一人が言う。

「なあ?これが熟女バーやったら、どんだけ(値段)取られることか。しあわせやなあ、ポールは。」

そう。俺はここではポールと呼ばれているのだった。ポール・マッカートニーに似ているから、ポール。

「なあポール。よう言うやろ?腐る前が一番美味しいって。肉でも果物でも腐る手前が。」

「もう腐ってる…んじゃ?」と切り返しつつ、すれすれの笑いを攻めようとしたが、その願望をグっと飲み込んだ。

「そやな。ほんでそれ、腐るいうか発酵言うたらええやん。」

ひといき呑んで、熟女は述べた。

「ポール。発酵はいやや・・・。」


女心は難しい。

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