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『黒猫同盟―シンガーソングライター黒木怜の場合』フリー台本

作:ChatGPT & 奥村薫

(朗読台本、約7分)  『黒猫同盟』のバリエーションを作ってみました。
元本: https://note.com/kaoruokumura/n/ne6edaeacc392

テキスト版

福岡でも街路樹の落ち葉が舞いはじめたある日、一通の手紙がシンガーソングライター・黒木怜(くろきれい)の元に届いた。白い封筒から滑り出した便箋には、流ちょうな筆跡で「黒猫同盟」と記(しる)されていた。彼女は初め、その不思議な言葉に軽く笑い、手紙を片付けようとしたが、ふと思い直した。その手紙には何か引きつける力があったのだ。
 
疑問を抱(いだ)きつつも、数日後の夕刻、約束の時間に黒木は一軒のカフェへと向かった。足を踏み入れると、扉は静かに閉ざされ、外界の音が途絶えた。壁には古風な絵画が掛けられ、レトロな照明が穏やかな光で店内を満たす。カウンターではちょうどコーヒーを入れているのであろう、豊かな香りが漂ってきた。
 
そしてカフェの奥に座る一人の男が、黒木を待っていた。黒い服をまとうその人が、自分を呼んだのだと、彼女は直観的に理解した。その男の神秘的なオーラと、深い瞳(ひとみ)の色が、黒木の心を捉えた。
 
「さあ、約束通り、ここに来ましたよ。あなたなのでしょう?」
彼女が問いかけると、男はゆっくりと「まさか、来てくださるとは。あまり期待していなかったのですが。」と答えた。
 
「で、私を呼び出した、そのわけは?」
「手紙にも書きましたように、黒猫同盟として、あなたとお話がしたかったのです」
「黒猫同盟?初めて聞く名前ですね。」黒木は困惑した表情を浮かべた。
「それは当然のこと。黒猫同盟は、秘密結社のようなものですから…。公(おおやけ)になることはありません」
 
黒木は周囲を見渡し、薄暗い壁に飾られた古びた猫の絵に気づいた。その猫の眼差しに導かれるように、再び口を開いた。
「では、そんな…危なっかしい人たちが、なぜ私を?」
謎めいた沈黙の後、男は切り出した。「我々は、あなたに、次の作品で、黒猫をテーマにしていただきたいのです。」
 
黒木は思わず言葉を失った。そんな要望が来るとは思ってもみなかった。男は黒木の目をじっと見つめて言った。
「あなたの唄をずっと聞いてきました。あなたの声と心から生まれるものは他の誰のものとも違う。神秘と、勇敢さ、知恵と美しさの共存、そういうことを表現するのに、あなたにかなうものはいない。それなのに、あなたは、猫を、黒猫を今まで唄っていない。それこそが、あなたの作風に最も合うものなのに…!」
 
彼の黒い瞳は窓の光を映して輝き、その手のしぐさも催眠術のように黒木の心を奪った。
「我々黒猫同盟のメンバーは、あなたこそが、黒猫——神秘と魅力の象徴、闇を恐れず、知恵と勇敢さを持つ黒猫を唄うことができると考えています」
 
「(溜息)それは、とっても、面白い提案ですね。でも、この黒猫同盟とは、いったいどれくらいの、そしてどのような人々が参加しているのですか?」
 
その質問に男はかすかに微笑んだ。
「では、同盟のメンバーに直接会っていただきましょうか」
男の言葉が終わると同時に、窓の外から猫の鳴き声が聞こえてきた。視線を向けると、窓辺には黒猫が一列に並んでいた。そして、奥のドアが、ちりんと鳴ったかと思うと、店の奥からさまざまな黒猫が歩みでてきた。好き勝手に歩き回るもの、純真なまなざしを向けてくるもの…。カフェの木の床は、またたくまに黒猫に占領された。
 
「さあ、あなたの新しい唄を、我々黒猫同盟一同、楽しみにしておりますよ」

音声版

黒猫の日に『🐈‍⬛黒猫同盟🎵黒木玲の場合』【朗読まつり】
https://stand.fm/episodes/6539f9d0822f0e96d82c87a7

コンテンツについて

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