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2015.4.6 スープラボ・レポート「豆」

4月のスープラボのテーマは〈豆〉です。

みんな大好きな豆ですが、あまりにも種類がありすぎて何が何だかわからない!という方も多いはず。そんなみなさん(と自分)のために、今回のスープラボでは、食べられる「リアル豆ずかん」をテーブルの上に作りました。

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小さくて見えにくいですが、配置が豆の属-種-品種(通称)という分類図になっています。いくつかの豆は料理して食べられるようになっています。

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食べられる豆ずかんの完成!

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見て、触って、食べて、豆を覚えられます。さあ、どうぞ。

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マメはマメ科。いくつかの属に分類できます。この豆図鑑では右側から

●ダイズ属
●インゲン属
●エンドウ属
●ヒラマメ属
●ササゲ属
●ヒヨコマメ属
●ラッカセイ属
●ソラマメ属
の順に並べました。

ダイズ、インゲン、エンドウ、ソラマメ
あたりはよく耳にしますよね。ヒラマメ属は、おもにレンズマメ。ササゲ属にはあずき、ささげ、チェーなどになる緑豆などが入ります。落花生やそら豆は、ちょっと特殊なもの。

スープに最もよく使われるのは、インゲン属、エンドウ属、ヒラマメ属です。これらは炭水化物がメインで、腹持ちがよく、スープに入れると主食も兼ねて一食になるようなものです。カロリーも高めです。
とくにインゲン属は、白えんどう、レッドキドニーはじめさまざまな種類があり、世界のスープではよく使われています。エンドウ属は北ヨーロッパなどで食べられています。煮崩れやすく、スープにとろみをつけてくれます。

これに対してダイズ属はたんぱく質がメインです。煮崩れることがないので、スープとの一体感は出にくいですが、栄養価も高く、日本人にはなじみがあると思います。

今回は、お店で比較的買いやすい、日常的にみなさんが食べているものを選びました。レポートの最後には今回扱った豆のリストをつけています。また、こちらのnoteで豆の写真を一覧できますので、興味ある方はご覧ください。

豆は食べ続けていると結構飽きてしまうので、水煮だけでなく、料理した豆も混ぜました。

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大豆で昆布豆とか

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ひよこ豆のサラダとか

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手亡(白いんげんの小さなタイプ)ではちみつ塩レモン和えなど

さて、この豆図鑑で豆の勉強をしたあとで、スープの研究です!

今回は、豆ポタージュの食べ比べ。
乾燥豆は保存性が高く経済的で栄養価も高いといいことづくめですが、とにかく調理に時間がかかるのが欠点。そこで、身近にある豆の加工品で時短スープが作れないか、やってみました。

●乾燥青えんどう豆(比較の基準です)
●塩えんどう(レトルトなどで売っている、小さなパックの塩ゆでの豆)
●かすがいのグリーン豆

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青えんどうはゆでたもの、塩えんどうとグリーン豆はそのまま、水で煮て塩味を必要な分だけ足して、ミントの葉と一緒にミキサーにかけたものです。

乾燥青えんどうは風味も薄くてでんぷん質が多く食べ飽きるので、豆食文化のあるヨーロッパではハーブと一緒に煮るという方法がとられました。ミント入りの豆ポタージュがポピュラーなレシピです。

お惣菜パックとして売られている塩えんどうはとてもやわらかく火が通っているので、ちょっと水を足して煮てやるだけで、ミキサーにもかけやすくすぐピュレ状になります。豆の味は弱いですが、たまねぎやじゃがいもなどを少し足してやると十分立派な青豆ポタージュです。

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また、おつまみやおやつでお馴染みの「かすがいのグリーン豆」。豆についている衣に、つなぎとしての粉やうまみ、油など、ポタージュに必要なものがすべて揃っています。他の豆は単なるピュレにしかなりませんが、これはそのままですでに立派な一品。かなり濃くなりますので、水や牛乳でうすめてやればちょっぴりジャンクですが楽しい豆ポタージュに変身です。固い豆のため柔らかくなるのに少し時間がかかります。水でふやかしておくといいかもしれません。それでも、普通の乾燥えんどう豆よりははるかに短い時間です。
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生の豆でも作りました。生のグリーンピースのいいのが手に入らなかったので、かわりにそらまめのポタージュをご用意。生の豆で作るポタージュはとても贅沢。ハーブなどは不要で、ほんの少しのたまねぎとバターで仕上げたシンプルポタージュです。

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豆ポタージュの研究の後は軽い飲みタイム。ビストロ風の、パンチェッタとソーセージ、レンズマメのスープを。ワインやビールに似合う、少し濃い目の味付けです。

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レンズマメはインド料理やイタリア、スペイン、フランス料理などでよく使われる平たい豆。戻す時間が必要なく、スープ向きの豆です。私も多用しています。今日はブラウンレンズマメを使って、肉のうまみを吸わせます。パプリカを振って。

さらに、今回はデザートスープつき!小豆入りのピーナツしるこ。これ、なんとスキッピーのピーナツバターに砂糖を加えてお湯で伸ばし、ゆであずきを加えただけ。超簡単なアジアンスイーツです。今回は白玉を入れてバタピーをトッピングしました。

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豆って、本当に楽しい食材。そして世界中それぞれの国でいろいろなスープとして人々に食べ継がれています。豆スープのレシピ研究だけでも、この先しばらくかかりそう。豆スープ続編も、ぜひスープラボでやりたいと思います。

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今月のスープラボは、これでおしまい。いかがでしたでしょうか。

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今回用意した豆リスト

●ダイズ属{ダイズ種} 黄大豆、黄大豆(うち豆)/青大豆(ひたし豆)/黒豆(大粒・兵庫県産)/黒豆(中粒・北海道産)/黒大豆(小粒・かむろ)  ●インゲンマメ属{インゲンマメ種} 手亡(白色系小粒)/大福豆(白色系大粒)/大正金時(赤色系)/レッドキドニー(赤色系)/うずら豆(斑紋系) {ベニバナインゲン種} 白花豆
●エンドウ属{エンドウ種} 青えんどう/青えんどう(スプリットピース)/赤えんどう/白(黄)えんどう(スプリットピース)
●ヒラマメ属{ヒラマメ(レンズマメ)種} ブラウンレンティル(アメリカ産)/グリーンレンティル(フランス産)/レッドレンティル(スプリットピース・アメリカ産)
●ササゲ属{アズキ種} 小豆/大納言 {ササゲ種} ささげ {リョクトウ} 緑豆
●ヒヨコマメ属{ヒヨコマメ種} ひよこ豆(大粒)
●ラッカセイ属{ラッカセイ種} さやつき煎り落花生
●ソラマメ属{ソラマメ種} そらまめ

参考サイト:豆類協会サイト「豆の分類」http://www.mame.or.jp/index.html




読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。