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2023年、買ってよかったキッチン道具

今年は、自宅から歩いてちょっとの場所にある仕事場をキッチンスタジオ化したこともあり、新しいキッチン用品を大きなものから小さなものまでかなり買い足しました。ということで、2023年、これは買ってよかったと思うものをご紹介します!

見かけは可愛く、機能は硬派。アラジンのグラファイトトースター

一度テレビの撮影のとき、スタジオにあったアラジンのトースターでお餅を焼いたことがあったんです。とてもきれいに焦げ目がついて感動しました。これまでトースターでちゃんと餅が焼けたことがなかったからです(だいたい焦げ目がつく前にふくれてしまう)。
そこで新キッチンにトースターを入れるにあたって迷わずこれを購入!店頭ではグリーンが目を引きますが、私は白をチョイスしました。

丸みのあるレトロなデザイン。ロゴが愛らしい

デザインは曲線的でキュートですが、中身はなかなかタフな仕様です。

ダイヤルには左右に時間と温度設定のふたつ。数字しかついておらず、トースターによくある「食パン」とか「グラタン」といったメニューはもちろん「強・弱」のような目安さえありません。
私はトーストのときは200度に設定。ロールパンを焼きたいときはもう少し温度を下げて、ホイルに包むなど工夫しないと焦げます(焦げました)。

赤さが熱を物語る…

昨今、トースターもどんどん多機能になっていますが、アラジンのトースターはそういうことはすっとばして、焼くことに特化。発熱電力も他メーカーに比べ飛び抜けて大きいわけではないのですが、発熱まで0.2秒という謳い文句の通りすぐ高温になり、トーストが短時間でカリッとおいしく焼けます。もちろんグラタンやドリア、ホイル焼きなんかもOK。

トースターはこれで十分だな、と思います。

小さくても切れ味ばつぐん。ビクトリノックスのトマトベジタブルナイフ

何年か前に買ったWENGERのパン切りナイフを愛用しているのですが、なにぶん大きくてお菓子や惣菜パンを切リ分けるにはトゥーマッチ。
それでビクトリノックスの小さなテーブルナイフを手に入れました。名称はなぜか「トマト・ベジタブルナイフ」で、名の通りトマトもスパッと切れます。

小さいと気楽
ボロボロしやすいシュトーレンもこの通り

ペティナイフは他にもあるのですが、デニッシュ生地やお菓子などにはこのギザギザの刃がやはりよくて、ちょっとしたものを切るのに重宝しています。小さくて軽くて切れ味よく、キッチン小物の引き出しにもぴったり入る。出番多めのナイフです。

これひとつでカトラリーもお箸も。家事問屋のカトラリーレスト

カトラリーレストを持っていなくて、たまに洋食でナイフとフォークを使うたびに欲しいなあと思っていました。
うちは皿もカトラリーもシンプルなのであまり過剰なデザインじゃないものを探していたら、家事問屋でこんなの見つけました。スタッキングできて収納にも便利。

シンプル。

実はちょっとトリッキーなデザインで、ひっくりかえすと箸置きに使えるんです。箸置きとしては若干長すぎる感はありますが、こういうテーブル小物はどんどん増えてしまうので、こんなシンプルデザインでツーウェイは嬉しいかも。

ひっくり返せば箸置きに
箸の溝がついている

大根おろしの味ってずいぶん違うんだなと再認識した貝印のおろし器

仕事場のキッチンに買い足したもので、案外よかったと思ったのがこのおろし器です。

自宅で使っているおろし器はラクに大根がおろせていいのですが、なにぶん大きい。仕事場にはもう少し小さめのをと思い、このセラミックのおろし器を購入。似たような製品がいくつかある中で信頼の貝印を選びました。

刃の部分は触っても痛くないよ

ちょっと小さいかなと思いつつ使ってみると実におろしやすくて。底にシリコンのすべり止めがついていてピタッと止まるのが気持ちよく、セラミックの重さ自体もあって安定感が半端ない。極端な話、片手でもおろせます。

できた大根おろしは下に落ちるのではなく周囲の溝にたまるだけなので大量におろすには向きませんが、2人分程度の大根おろしには十分です。また、特筆すべきは洗いやすさ。大根が引っかからないでサラッと洗い流せます。

おろし器をいくつか使って思うのは、刃の形状でかなり違うタイプの大根おろしができるということ。この貝印のおろし器はソフトタイプ。やさしい口あたりで、でも大根感も少し残っています(大根おろしの表現むずかしい…)。

ちなみに私が使っている手持ちの2つのおろし器も紹介しておきますね。こちらはさらにキメが細かいふんわりした大根おろしが大量に作れます。お鍋なんかのときに。

もうひとつが竹の鬼おろし。ザクザク粗い大根おろしができて、焼き魚や焼いた厚揚げなんかに添えると、急に居酒屋感が出ます。おうちで深夜食堂ごっこ。

三者三様の大根おろし

製氷皿、今どきはこんな風になってた。パール金属のアイストレー

もう長年、製氷皿なんて使ってなかったんですよね。大型の冷蔵庫には自動の製氷機がついているから、ボトルに水を入れておけば自動で氷が製氷室にたまってくれます。ですので、必要ない方には全く不要なものですが。

仕事場の小型冷蔵庫には製氷機がついていないんです。付属の製氷皿でやっていたのが利用頻度が上がり、使いづらいと不満が出てきました。そこで買ったのがこれ。

一見ふつう

形はごく普通の製氷皿なんですが、底がシリコン素材で、カチカチの氷もすぐにとり出せます。水で氷を濡らすと、後でくっついてしまうのが嫌だったのですが、これはアイデアだなーと感心しました。

すぐ出てくるからストレスがない

日本人ってこういう工夫がすごいから、ちょっと目を離すとすぐ進化しますよね。

私はヨドバシカメラの通販で買ったんですが、買ったあとにリニューアルしたのか、今出ている商品はこれみたい。

買ってしまった…!デロンギのエスプレッソメーカー

2023年、私にとって最大の買い物といったら、このエスプレッソメーカーです。
もともとコーヒーが好きで、家でも豆をひいてハンドドリップで淹れているのですが、仕事場を作ったとき、ここに超かっこいいコーヒーマシンを入れよう!ということを決めて探しはじめました。

まずはビジュアル重視。それでいてちゃんとおいしく淹れられるものを探しました。その結果、購入したのがこちら。

デロンギの『ラ・スペシャリスタ・プレスティージオ グラインダー付き エスプレッソ・カプチーノメーカー』

なんだか、ものものしい名前のマシンです。お値段調べてびっくりしないでくださいね。

じゃじゃーん

本当は、デロンギのスイッチひとつで豆から淹れるところまでやってくれる完全自動のコーヒーマシンが欲しかったのですが(しかもそっちのほうが安かった)、サイズの関係で置きたい場所に入らなかったんです。で、カタログを見ているうちにめちゃくちゃスタイリッシュなマシンをみつけました。

ビジュアルは満点。でも説明を読むとかなりコーヒーマニア向けのマシンみたいで手間がかかりそう。仕事場では手軽にコーヒーを飲みたいと思っていたのでだいぶ悩みました。
同時に、望む条件すべてを満たすコーヒーマシンは存在しないこともわかりました。

買うにせよ買わないにせよ実物は見てみたい。そこで青山にあるデロンギのショールームに出向きました。

お目当てのマシンでコーヒーの淹れ方をデモしてもらい、さらに自分でもやらせてもらい、ここで気持ちが固まり購入に至ったというわけです。届いたところから先はこれだけでnote1本書けるぐらい。しばらくコーヒー作りまくりました。

キッチンでの存在感が半端ない
付属品もいちいちかっこいいよ
豆を自動でひいたら、このレバーをおさえて、タンピング(粉をギュッと詰める作業)をします
抽出口にサーバーをセットし直してスイッチを入れるとコーヒーが!スチーマーもついていて、ミルクも泡立てられます
エスプレッソ、アメリカ―ノ、スペシャルティと、コーヒーのメニューをダイヤルで選択。コーヒーの量や挽き具合、お湯の量まで細かくカスタマイズできる

コーヒーって嗜好品だし、ハンドドリップとはまた違うエスプレッソマシンの面白さを感じられて大満足です。コーヒー豆もハンドドリップとは少し違う深入り系の豆を買って、いろいろ試してみています。豆の味によって挽き方や量を変えるような細かいチューニングも可能です。

この、私にとってはかなり思い切った買い物には、楽しさ以上の効用がありました。

今回、仕事場に新しいキッチンを作るにあたって、どんなコンセプトにしようかと考えました。ミングルのある自宅が「豊かに暮らすミニマルキッチン」であるのに対し、こちらは「手仕事を楽しむキッチン」にしようと思ったんです。それで、DIYでキッチンの壁や棚を作ったり、チョークボードを描いたりするところから始めました。

「壁や棚を作る板」が実は大きな買い物だったかも

キッチン用具もそれに合わせ、料理そのものを楽しむ空間になるようなもの、遊び心や温かみのあるデザインのものがいいなと考えていました。ただ、仕事でも使うから実用面も捨てきれなくて、便利さに負けるところはある。キッチンってそういう意味ではブレがちな場所です。

でも最初にこのコーヒーメーカーを買ったことによって、キッチンのコンセプトがすごくはっきりしたんですよね。単にモノを手に入れたということではなく、ライフスタイルとしっかりかみ合ったとき、モノは暮らしの仲間になってくれるんだなと思いました。

少しずつ手を加えているキッチン。壁や棚、チョークアートも手作りです

真ん中のうつわ。RIN&CO.のあたらしい一汁一菜セット

買ったものが自分のライフスタイルに合致するという意味では、このRIN&COの器が、私の食器棚にぴったり合いました。

2021年にこの漆器と出会ってファンになり、昨年の冬に福井の漆琳堂を訪問。そのときにオリジナルカラーで注文したものが、今年の春できました。この3点セットです。

ボウル、平椀、6寸のプレート

本物の漆塗りですが、和風だけでなく洋風にも使える形と食洗機にもかけられる丈夫さが特徴。昨年買った黒の3点セットと合わせて、この器が今のわが家の「真ん中のうつわ」として大活躍しています。

黒は昨年買ったもの。ベージュを追加

「真ん中のうつわ」という言葉は、私の著書『スープ・レッスン2』のスタイリストである伊豫利恵さんに教わった言葉なのですが、器のコーディネートをする上で、手持ちの器の中心にくるアイテム、というような意味です。

洋服に例えるなら白いシャツ、ベーシックなジャケットやスーツのように、どんなものとも合わせやすく、それでいて自分らしい服。
器も毎日使えるベーシックな器を中心に、これと合う器を買い足していくと器がうまく組み合わせられると聞いて、なるほどと思いました。

こんなふうにセットで使ってもいいし
他の器と合わせてもしっくり


実は真ん中のうつわについての話を聞いた後、これかと思う器をいくつか買ってみたものの、ぴたっとくるものがうまく見つからなかったんです。真ん中の器はデザインがどんなに良くても使い勝手がよくないとダメで、ストレスなく使える器しか定着しないんだと感じました。

その点、このRIN&CO.は本格的なうるし塗りなのに食洗器OK、軽くてコンパクトに収納できて、落としても割れにくい。料理も和洋問わないどころかアイスクリームやフルーツ、スナック菓子までいけます。毎日の食卓にすっかりなじんで、わが家の定番になりました。

決して安くはない買い物でしたが、逆に今年はこの器しか買っていません。真ん中の器が決まったことで手持ちの器が全部生きるようになったからです。自分にとってこれだけの価値がある器はそうはないと思っています。

しまうときもコンパクト

漆器を暮らしに取り入れることの良さを感じ、より多くの方に手に取って欲しいなと、一つの提案として一般的なテーブルに馴染みそうなベージュカラーを実験的にお願いしてみたというわけです。

この11月、新しいカラーラインナップとして従来の色に加えていただき、現在オンラインショップで買えるようになっています。
細かいいきさつについてはこちらのnoteに詳しく書いたのでぜひ読んでみてください。

かわいくて、おいしくて、たっぷり飲めるワイン

さて、食品もいろいろ試しましたが、今回はパーティで出てきておいしかったワインを。箱ワインです。3リットルも入ってお値段安い!

箱がかわいいー

箱ワインならこのぐらいの値段のものは珍しいわけではないのですが、飲んでみたら一般的な箱ワインの味じゃなくてびっくりしました。イタリアのマルヴァージアという品種のビオワインです(このシリーズには赤やロゼもあるけれど私が飲んだのは白)。
ビオワインによくあるちょっとハチミツっぽい味で、好きなタイプ。特徴はありつつ、誰からも嫌われないワインだと思います。
飲むときは下の方についている注ぎ用のコックを引き出します。

3リットルも入ってるから実質ワインの出る蛇口を買ったのと同じですね!飲みすぎ注意です。

キッチン道具の期待と結果

さて、2023年のおすすめキッチン道具、いかがでしたか?

キッチン道具の紹介の記事ってレシピに比べてもよく読まれます。それだけ、暮らしをよくしてくれるモノにみなさん関心があるのでしょう。

キッチン道具の記事を書いていて思うことは、自分にとっての「良いもの」は、買ってからがスタートなんだということです。どんなによいとされるものでも、高価なものでも、買ったときには価値はゼロ。そこからどう付き合って価値を高めていくかが大事で、それは自分とモノの共同作業みたいな感覚です。

モノには、便利さ、機能、美しさ、値段、お手入れのしやすさ……さまざまな価値があります。自分が求める価値がわかっていないと、モノにいくら価値観があっても感じとることはできません。最初は慣れなくてもやがてしっくり馴染んでくるものもたくさんあります。
私も、自分が使い込んでいくことで愛着を持てるような道具を探してお伝えしたいなと思っています。

いい道具がみつかりますように。そしてあなたのおすすめのキッチン道具もぜひ教えてください!

こちらは2022年の買ってよかったもの。どれも愛用中!

キッチン道具についてのコラムはこのマガジンに集めてあります。




読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。